第3話
今日は8組での授業をする
この学校の一学年は8クラス320人弱であり、自分は後半半分のクラスの古文を任されている
「英語の形容詞は名詞を、副詞は文や動詞を修飾します」
ここには自分の同好会の生徒はいない
「ですが、日本語の形容詞は体言つまり名詞を修飾する活用する修飾語、連体詞は体言を修飾する活用しない修飾語です、ここは英語と違うところなので注意してください」
その分授業はやりやすくなっている
「英語の形容詞に近いのはどちらかというと連体詞なのです、英語の形容詞は形が変わらないですからね」
「先生、体言と用言がわかりません」
生徒の一人が質問する
「用言とは活“用”するつまり語尾が変化する品詞…動詞、形容詞、形容動詞などを言います、体言は逆にその変化がないです…ほとんどが名詞ですね」
「ありがとうございます」
「それぞれに接続する連体形、連用形がありますが、連体形は必ず最後の母音が“う”なので後ろが名詞だということがわかりやすいですよ」
和樹は追加で説明する
授業終わりに和樹は社会科の職員室に行く
「佑一先生、一緒にご飯食べませんか?」
同期の先生を呼ぶ
「いいですよ、弁当持っていきますからちょっと待っててください」
二人は屋上へ行く
ここは基本先生しか入れない場所で先生の昼食場になっている
「いやぁ、疲れたよぉ」
和樹はかしこまった言い方を外す
「どうしたんだ?」
日本史と公共の先生である赤袖佑一が聞いてくる
「僕の居る同好会になじめなくてさぁ…かなりメンタルにくるよ」
「だって三年の生徒しかいないんでしょ?ずっと同じ先生だったのに最後の年だけ変わったらそうなるよ」
この学校では三年間でクラスも変わらず、先生も変わらない
先生も辞めるとしたら三年生が卒業したらだ
本来なら新任の先生は一年生からで、佑一や由衣奈先生も一年生の担任だ
「雪子先生から頼まれたら断れないけどさぁ…」
その先生は自分の前任の先生で、自分の高校時代の恩師に当たる
雪子先生がいなければ、当時荒れていた自分は非行少年にでもなっていただろう
「きっと正面から向き合っていれば受け入れてくれるさ」
「さすがイケメンの言葉は違うねぇ」
佑一は女子校でなくても人気になるような整った顔をしている
すぐに生徒からの信頼を得られているが、自分とは無縁な話だろう
昼食は食べ終わり、午後の授業へと向かう
授業後に同好会の部屋に入る
「今度のゴールデンウィークにどこに行くか今度決めるから一人ずつ場所を決めてきてね」
凜とした姿をしている一宮玲子からは相変わらず鋭い目つきで見られる
愛莉は愛莉で和樹の座るはずの椅子に堂々と足を組んで座っている
和樹はそれだけを言って教室から出て行く




