第26話
次の日、秋休み前最後の登校をする
とはいっても、終業式であるためすぐに終わる
終業式が終わって同好会の部屋に行こうというときに二組から玲子が出てくる
その目には光が宿っておらず、聞き手のはずの右手をぶらんと下ろしている
和樹は気になって二組の担任の先生に聞く
「一宮さんに何かありました?」
すると担任の方も自分に伝えようとしていたようで、自分を人が来ない物陰に連れて行く
「どうやら昨日の剣道大会で地区大会が突破できなかったようでして…」
「え?」
玲子の実力で県大会に行けないなんてことはないはずだ
「それが…腕の神経を壊してしまって上手く動かせないから大目に見てくれとお母様から…」
「なるほど、だからさっき…」
玲子の様子の理由がわかる
「ありがとうございます、それが分かっていればまだ色々できる」
同好会の部屋に行く
今日はさすがに全員が揃っていた
「じゃあ今日こそは秋休みどこに行くか決めようか」
玲子は気が抜けているのか和樹を睨むこともできない
「はいは~い!お泊まりしたいで~す!」
日向が元気に言う
「さすがにそれは…男の私も居ますし、なによりこの時期に予約しても…」
長期休暇での宿取りはしっかりとしなければならない
さすがに難しいと言おうとした時
「じゃあ玲子ちゃんの神社に行こうよ、あそこって元々は宿泊用の施設だから身内の人が頼んだら泊めてくれるよ」
愛莉が遮る
「ね!玲子ちゃん!」
呼びかけられてようやく玲子の意識が戻る
「う…うん、そうだね…ちょっと連絡してみるよ」
そう言って玲子は外に出る
「大丈夫かな…玲子ちゃん…」
智彼が心配そうに言う
和樹は何も言わず教室から出て行く
遠くから様子を見るとしっかりと電話をしてくれているようだ
電話越しにお辞儀をして電話を切る
玲子が戻るときに自分の隣を通るが気づいてないのかこちらに意識が向いていないのか無視される
「みんな、OKもらえたよ」
玲子が報告すると皆が喜ぶ
この航行からの距離が近いため、三泊四日の旅行にする
隣の市といってもこちらの方が県の中心部に近いため宮道市に行くことはほとんどない
意外と新鮮な旅になるだろう




