第14話
夜を明かすとまだ智彼は眠っていた
従者の一人は自分が起きたことに気がついたようで、応接間に行ってほしいと言われる
「君はつれている女と仲が悪いのか?」
「あの子はただ男の人が苦手なだけです」
「そうか…」
「あの子を狙ってたんですか?」
見た目は大人しいが、確かに美少女と言われる部類であろう
「私は貴族だが君たちは平民の部類なのだろう?そうなったら私の妻に怒られてしまう」
「ではなぜ…」
「君を仲介しないと話せないのに君と話すのが苦手なのは困るだろう」
「いえ、今は簡単な会話であればできるようにはなっていますよ」
「それでもだよ、男の人と話せないなら結婚など到底無理になってしまう、そうなれば生きていくのは難しいだろう」
「まぁ…それはわかっていますが…」
話をしていると智彼も起きてくる
二人は様子を改めて持ってこられた朝食を食べる
「そういえば、未来にはおもしろい食べ物はないのか?」
「智彼…なにかある?」
先ほどちょうど言われていたこのなので智彼に話を振る
「え…えっと…ラーメンというものがあります」
「ほう…それは何なのだ?」
「そ…それはぁ…黄色い麺を使った料理でぇ…」
男と話すとなると智彼はやはりすぐに限界が来てしまう
「ここからは私が…小麦粉を使った麺に卵や豚肉を乗せたものです、非常に油が多く現代人に人気のものです」
「そうかそうか、君たちはそれを作れたりはするのか?」
「残念ながらそれらのための材料も技能もないため難しいですね…」
「それは非常に残念なことだが仕方のないことなのだろう」
中納言には執務があるそうなので朝食を食べると応接間から出て行く
自分たちはその場に残されて二人きりになる
「大丈夫…?」
「ぜんぜんだめでしたぁ…」
智彼は疲れ切った顔をする
「気休めに当時の貴族の話をしよう、あの人は中納言とされているが中納言という階級は上達部に当たるからかなりの上流階級だよ、無礼をしたら普通にまずいから気をつけてね」
和樹は授業の距離まで離れて智彼と向き合う
「中納言の下は少納言だけど、少納言は殿上人になっちゃうからちょうど境界の人だね」
貴族階級自体の話を終える
「貴族の人たちは天皇に自分の娘の子を産ませることで実権を握ってきた…娘を天皇家に連れて行くのを入内というんだ、入内といわれるのは女御っていう階級の高い人の娘、それ以外は更衣になる」
中納言も階級は高いので前者になるのだろうか
「ざっくりとだけど、入内した人が男の子つまり皇太子になる東宮を産めば中宮、女の子つまりは内親王を産めば御息所と呼ばれるよ、女の子であっても未婚なら神社に行かされて斎宮になる…だから当時から天皇を織り交ぜた権力争いは激しかったんだ」
「あの人も…権力争いの中に?」
「そうだろうね、もしかしたら未来の知識を手に入れて有利に進めるというのもあるかもしれないけど…」
一日は同じような会話で過ぎていく




