第12話
日が開けると呼び出される
まさかの質素ではあるが朝食を出してもらえる
「わざわざありがとうございます!」
「ありがとうございます…」
智彼は自分の言った言葉を復唱する
「すみません、未来では少し言葉が異なるためこの子との意思疎通は難しいですがよろしくお願いします」
智彼の事情を伝える
ゆっくりであれば真面目な智彼は理解できるだろうが、日常会話のスピードでは難しい
かくいう和樹も多少の訳出のための遅延が発生している
「未来から来たのですか?」
自分たちが相当奇抜な服を着ていたのに奥さんの方からは驚かれる
「はい、信じられないかもしれませんが森に迷ったらこうなってしまって」
「なるほど…未来では言葉が違うのですね…」
夫の方が会話を続ける
「大方は変わっていませんよ、故に私が話せているのですから」
「未来では他に何が起こっているのですか?」
やはり気になるようで熱心に夫の方は聞いてくる
「人以外に会話ができる“機械”というものが生まれますね、あとは遠くの人と数秒で連絡が取れるようになるますよ」
「“機械”ならすでに朝廷で作られていますが話すことができるというのは聞いたことがありませんね」
「?」
当時機械という言葉が合ったのかと疑問に思う
それは時代劇などでは“からくり”と機械は言われてきているからである
全員が朝食を食べ終わり、男は畑に出る
しかし、その畑作業でも体の弱さが出てしまい、他の人よりも作業は必然的に少なくなってしまった
それでも、家の男は自分の努力を認めてくれたようで助かったとお礼を言ってくれた
一方の智彼も意思疎通には不備があったり時間がかかるものの、女子校で習得した編み物や料理の技能を活かして、見事なものを作っていた
家の奥さんも絶賛しており、どうやら環境にはなじめたようだった
その夜も、外から来た人として一室を空けてもらうが、智彼はやはり男性恐怖症が残っているようで、一言もこちらに話しかけてくることはなかった




