第八十三話 一緒に報告しに行きます
遅くなりましたがブックマークありがとうございます。
最初はマージュちゃんとリッシュくんの様子を見ようかと思いましたが、就寝中で起こしてしまうかもしれないので後にする事にします。
「ママ、休まなくていいの?」
部屋から出ようとする私にノルカさんが尋ねてきます。
「はい、公爵様にご報告をしようかと」
旦那様が既にしているかもしれませんが私の方からも報告と謝罪をしておきたいです。
「うん。じゃあ行こ」
部屋の外は灯りが無いので暗いです。でもノルカさんが手元をから光をだして照らしてくれます。
「光属性の魔術ですね」
「攻撃用の魔術の出力を下げて運用してる……ってエルちゃんが言ってた。拙者的には明るくしてるだけでござる」
ノルカさんは複数の属性を幅広く使えます。また、応用力が高いのです。
「魔術って兄者が言うには所詮は戦いでしか役に立たないって話だけど、拙者のこれとかママの治癒魔術みたいに役に立つのにね」
「そうですね。旦那様は誰よりも魔術に詳しいのに魔術を高尚なものとは思っていないみたいです」
使い方次第では生活を豊かにしたり誰かの助けになるものと私は思います。多分、リッシュちゃんも同じように考えていますね。
「兄者はなんか妙に冷めてるところあるから……ん、ママもしかして記憶が」
言われてから気づきます。説明を忘れていたのです。
「あ、はい。完全ではありませんが戻ってきました。世界樹の麓に行った事や旦那様と踊った事、ノルカさんと初めて会った時の事も思い出しましたよ」
「おう、それは良かったでござる。レティちゃん達もきっと喜ぶよ」
そうですね。お嬢様にも心配させてしまいました。
「そんじゃ、まずは報告だね。たのもーー!」
勢いよく扉を開けます。中には公爵様と旦那様が話していました。
「おい、貴様は扉の開け方も理解出来ない蛮族か?」
「ふう、それは当然理解出来てるでござる。拙者、頭良いから」
「賢く無い発言をするな。貴様はともかく、無事戻れたようだなスエレ」
ほんの少しだけ朗らかに笑う公爵様です。
「コレから話は聞いた。残件がありまた向こうに行くつもりのようだな」
そのつもりです。まだ終わっていないのです。残されたシェーヌさんのこと、櫻子さんとの約束、向こうの世界で果たしたい事があります。
「私からすればお前が付き合う話でも無いだろう」
「イエルテェがそう考えてくれるとは思えない。不本意ではあるが」
旦那様はやはり私が向こうの世界にもう一度行く事に肯定的では無いようです。
「猶予時間は多少あるのだろう?」
「およそ36時間だ。準備には充分ではある」
「はいはーい。拙者を行くでござるっ!!」
ノルカさんが元気よく手を上げています。もしノルカさんが一緒なら心強いです。
「コレが行くのは構わんが可能なのか?」
「帰還と同時にノルカを転移させれば理論上可能だ。出来るならテアトルも連れて行きたいところだが」
「貴様も分かっているだろうがそれは無理だ。事後処理の為に奴は必要だ」
テアトル大将は旦那様と同じく帝国内でも屈指の重鎮です。その二人が居なくなるのは不味いと判断されるのは当然の帰結です。
「現実問題として連れて行けるのは一人が限界だ。消去法でノルカになる」
「……うーん。なんか複雑だけどママと一緒なら仕方なし」
ぷくっと頬を膨らませるノルカさんです。
ふと視線を感じました。扉の方を見ると……
「マージュちゃん、リッシュくん……それにお嬢様」
起きていた子供達が私を見ていました。
いつも最後まで読んでくださりありがとうございます。
次回の再来週こ水曜日の18時〜20時の更新になります。
また、不定期に過去の話の修正と加筆を行う予定です。
誤字脱字報告や感想、評価などいただければ今後の励みになりますのでどうかよろしくお願いいたします。
また、ここが分からないやここがおかしいなどの疑問もあれば気軽に質問ください。




