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第七十五話 旦那様の家族

今話は短めです。

 じっくりオーブンで焼き上げたクッキーは丁度いい焼き上がりになりました。

まだ熱いですが確認のために一枚口にすると、味も上々でパーティーで提供しても問題なさそうです。


「美味しそうね。一枚いただける?」

「いやー、エルシア様、毒味が必要ですので私が先に」


 メイさんがひょいと素早くクッキーを手に取り口にしました。


「うん、美味しいです。エルシア様食べて良いですよ」

「……まず侍女長が作ったものは毒味の必要はないわ。それにスエレ自身が先に食べてる時点で貴方の毒味は要らない。一番腹立たしいのは私に食べかけを渡そうとするな。サキっ」

「うぎゃぁ!! サキさん、締めないでぇぇ!」


 厨房の隅の方でメイさんが詰められていました。見慣れつつある光景です。


「一つ貰うわね。……流石ね。昔は淑女に裁縫技術が求められていたけど今は菓子作りの技術の方が大切だものね。レティちゃんの件が無ければ私の侍女に欲しかったわ」

「お褒めに預かり光栄です」

「残念なのは、アレには良さが分かっていない事ね」


 アレ……旦那様の事を指しています。エルシア様は旦那様に対して辛辣です。でも嫌いだからではなく長い付き合いによる気兼ねのなさだと思います。

私も少し残念に思っているのは旦那様は殆ど飲食をしません。しなくても生命活動に影響がないからですが、やはり美味しく食べていただきたいですね。


「その分、双子と……馬鹿(ノルカ)が食べてくれるのは幸いね」

「お姉さん、私もだよ」


 アイシングを終えたお嬢様が顔を覗かせています。仰る通りお嬢様も美味しく食べてくれます。


「そうね。それに今日は阿保……いいえ、パーティー参加者にも振る舞えるわ」

「阿保は酷いですよ。皆さん頑張ってますって」

「黙れ、二番目の阿保」

「ノルカさんに次ぐんですか!?」


 そこは固定なんですね……でも雰囲気は和やかです。呆れつつも気兼ねなく話せる信頼関係があるのは言うまでもありません。


「ご歓談中すみません。エルシア様、実は……」


 駆け足で来訪されたのは、公爵様の秘書仕事をしている執事の方でした。エルシア様に深刻な表情で報告しています。


「……!? このタイミングでね。いいわ。私が対応します。スエレ悪いけれど貴女も同席してもらえる。サキはこの場を任せるわ。……仕方ないけどメイ貴方はついてきて」

「私も同席ですか?」


 エルシア様付きの侍女兼護衛のメイさんと違って私は必要なのでしょうか? いえ、エルシア様が必要だと判断されたから同席するのは理解しています。


「かなり厄介というより意外な来訪客よ。ボルテク大公領でアリカ辺境伯と並ぶ権威……海軍提督よ」

「海軍提督?」


 存在は知っていましたがその方が何故こちらに来たのか頭の中で疑問だけが浮かびます。


「来た理由を推測するのは簡単よ。双子に会いに来たのでしょう。提督はアイリッシュとフロマージュの実の祖父なのよ」

「え? それって」


 私は捨て子だったので実の両親を知りません。だからあの子達の祖父ということは……


「本人達が語らないから殆ど知られていないのだけど、提督と大教授は親子なのよ」


 今日初めて知ることになった旦那様の家族関係でした。

 


いつも最後まで読んでくださりありがとうございます。

次回は再来週こ水曜日の18時〜20時の更新になります。

また、不定期に過去の話の修正と加筆を行う予定です。


誤字脱字報告や感想、評価などいただければ今後の励みになりますのでどうかよろしくお願いいたします。

また、ここが分からないやここがおかしいなどの疑問もあれば気軽に質問ください。

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