ボディガードについて
あおいさんと仮想空間と会って1週間以上が経った。彼女の趣味にはかなり振り回されたけど、あおいさんはとても楽しそうだった。
たぶん、今までで一番楽しそうだったかも。
そんな彼女の顔を見れたので、僕としては満足だ。さすがにあおいさんのことを叩いたりするのは気が引けるし、暴言を言うのも嫌だったけど、彼女がそれを望んでいるのであればそうしてあげようという気持ちだけで行った。
色んな意味でこれからのあおいさんとの距離感は前よりも圧倒的に近くになるかもと思っていたりする。
あそこまでさらけ出すことが出来たのであれば、彼女が僕のことを信頼してくれている証だと思っている。信頼していない相手にああいう趣味をさらけ出すことはさすがに難しいと思うし。
これからもっとあおいさん仲良くなっていけたらいいな。
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大学ではいつものように授業を受ける。双葉さん、花里さん、月森さんと過ごすことにも慣れてしまった。
あと大学内もそれなりに落ち着いている。僕が大学に入学した頃はそれなりに騒がれたけど、今はそこまでではないと肌感覚で思う。
だから僕は三人にこういう提案をした。
「三人もボディガードとして付いてもらうのは悪いから、代わり替わりでやってもらうのはどうかな」
そうであれば、それぞれ自由行動も取りやすい。ずっと僕のボディガードとして近くにいると自由な時間はほとんどない。それぞれに友人がいるだろうに。
学校内が落ち着いてきたからこそ、こういう提案ができる。
そして少し強引に押し切る形になってしまったけど、この提案に三人は乗ってくれた。最初は渋っていた。でもこれからも三人を縛ってしまうのは僕の本望ではない。
全員のためなんだと上手い具合に説得した。
それでも双葉さんからは「最近、葉山様が襲われることはありませんが、いつ襲われるか分かりません。あの時、ボディガードを減らさなければと思うことがあってはいけません」と言っていた。
確かに双葉さんの言ってくれていることも理解できる。何かが起こる前から万全の備えをしておかないといけないということも。
だけど、僕のために三人の大学生活が奪われるのはやっぱり嫌だ。
特に僕のために頑張ってくれているからこそ、彼女たちには大学生活を精一杯楽しんで欲しい。悔いがないように。
このままだと双葉さんは大学四年の最後の時間を、僕と過ごした時間しかない。将来、彼女が大学時代を思い出した時に後悔して欲しくないのだ。
それに月森さんはテニス部に所属している。最初に彼女と会ったのもテニスコートだったし。その彼女は最近テニス部に参加できなくなりつつあるのだ。僕とずっと一緒にいるということは僕が最後の講義まで取っている時は、ずっと僕の席の近くにいるのだ。
本当であれば彼女もテニスをしたいだろうに。
花里さんに関しては僕を好いてくれているみたいだけど、いつまでも僕の側にいさせるのはちょっと申し訳ない。だって僕は彼女の気持ちに答えられないのだ。それなのに僕の側にいるのは苦痛なのではないかと。
失恋した相手の側にいないといけない。僕が花里さんの立場だったら嫌だと思ってしまう。彼女のためにこの辺りである程度負担を減らしてあげるのも、僕の役目だ。
そして次に大学に来る時からボディガードは一人になっているらしい。三人の中で当番を回す形で担当してくれる。
空いた時間を三人がそれぞれ大学生活を満喫するために使ってくれるはずだ。
これで…三人に対する罪悪感が少しは薄れた。




