表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
貞操逆転世界で出会い系アプリをしたら  作者: 普通


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

57/61

台風の影響④

月森先輩が動けるようになった後。



最後は双葉さんとお話することにした。




「前の二人にも言いましたが、僕のために色々と頑張ってくれてありがとうございます」


特に双葉さんには最初からお世話になっている。


僕がもし、大学に行くという選択肢をしなければ双葉さんは普通の大学生活を送れたかもしれないと思うと、申し訳ない気持ちもある。



だからこそ、しっかりと双葉さんには感謝を伝えたい。



「双葉さんのお陰で僕は楽しく大学生活を送ることができているんです。最初に出会った女性が双葉さんで良かったと心の底から思ってます」


双葉さんでなければここまで楽しい生活を送ることはできなかったと断言できる。



「そんな風に言ってもらえると自分としても嬉しいです」



「本当にありがとうございます」







そしてここからは前の二人と同じように何か欲しいものがあるかを尋ねた。



「いえ、自分は葉山様が幸せであればそれ以上の喜びはありません」


三人に共通して、遠慮してくる。ここは素直に受け取ってくれた方が個人的には嬉しいんですけど。



「何かあると僕的にはありがたいんですけど」



「自分は見返りを求めて、葉山様の側に居るわけではないので。何かを欲することはありません」


どうやら他の二人とは違って、双葉さんの気持ちは固いようでなかなか欲しいものだったり、して欲しいことを言ってくれない。



「双葉さんの気持ちは本当にありがたいです。でも、何かしら言ってくれた方が僕としても、しっかりとお礼の気持ちを伝えられるので」



「先ほど、葉山様から「ありがとうございます」という言葉を伝えて頂きました。その言葉だけで自分としては十分です」


双葉さんは何かを出してくれる感じが全くしない。このままだと押し問答が続いていく可能性がとても高いので、どうにか双葉さんには折れてもらいたい。



ここまで一応、二人の願いのようなものは叶えたので双葉さんにだけ何もしないというのはさすがに避けたい。どうにか双葉さんには言って欲しい。



このままだと双葉さんは願いを言ってくれそうにないので、言い方を変えてみることにした。



「日頃お世話になっているお礼をしたいんです。そんな僕の囁かな願いを叶えてはくれませんか?」


双葉さんは僕の言葉に少し難しい顔を浮かべた。



ちょっとずるい言い方をしてしまったけど、許して欲しい。こうでもないと双葉さんは言ってくれそうにないので。



「その言い方はさすがにずるいです、葉山様」



「ごめんなさい。どうしても言って欲しくてずるい言い方をしてしまいました」



「……そんな言い方をされたら…」


双葉さんは考える素振りを見せた。たぶん、どんなことをお願いするかを考えてくれているんだと思う。





それから数分して、双葉さんは決めたようで僕のことを見つめていた。



「少し考えて、自分がして欲しいことは一つだという考えに至りました」


双葉さんの目はずっと真剣そのもので、見つめられている僕の方が少し冷や汗がでる。



「自分の願いは……名前で呼んで欲しいということです」



「名前ですか?」



「はい。自分は今まで双葉さんとしか呼ばれていないので。名前で呼んでくださったら嬉しいなと思いまして」


花里さんと月森さんもそうだったけど、僕が想定していたものより簡単な願い事ばかりだ。この世界で男性という存在は希少なこともあって、普通に考えればアウトなものばかりお願いされるものと思っていた。




それでも僕はなるべく受け入れようと決めていた。それぐらい、三人にはお世話になっているしね。




でも、双葉さんの願いは名前で呼ぶというとても簡単なことだった。どんな願い事だとしてもそれが双葉さんの望みなのであれば、叶えるだけだ。



「梓穂さん」



これでいいのかと思ったほど、簡単なことだった。



双葉さんの方に目を向けるとそこには普段の双葉さんの真剣な顔ではなく、少し顔を赤らめて目が泳いでいる。こんな双葉さんのことは初めて見るので、少し驚いてしまった。



「梓穂さんのそんな顔、初めて見ました」



「…し、しほ…って…」



「はい。名前で呼んで欲しいと言われたので。呼んでみました」



「し、し…し……ほ」


今の双葉さんの顔はリンゴのように赤くて、ちょっと心配になってくる。



「大丈夫ですか?」



「…だ、だい…じょうぶぃ…」


その言葉を最後に双葉さんは倒れてしまった。どうにか地面に頭が落ちるよりも前に支えられたのでよかったものの、あのまま地面と接触していたらかなりマズイことになっていた。




只でさえ、台風の影響で交通がシャットアウトされている状態なので、怪我をされたら病院まで行けない可能性まで高い。


そう考えるとどうにか助けられて良かった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ