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異世界を戦車として進む  作者: 赤崎巧
1章 旅立ち
79/313

79.湖畔と白い集団

 商人の町 ザイルを出て二週間、カイはまた休んで眠っている。定期的にぐっすり眠る必要があるみたいだけど、こんな設定本の中にあったかなぁ。

 今は湖畔の近くで停車し、身を隠すように木々の間で停車していた。元の世界なら欧州の美しい自然風景、離れた場所にある湖畔に隣接した大きな屋敷、観光客が沢山来そうな所にいる。

 これで元の世界だったら良い観光スポットなんだけどなぁ。


「異端者を滅ぼせ! 異端者を倒せ!!」


 どこかで聞いた覚えがあるような声。

 

「何事?」

 

 静かに声がする方向を見ていると、白い服を着た集団、ずっと前に見かけた人間を神様として崇める危ない集団。長い事見かけなかったけれど、この周辺に支部でもあるのかな。


「我らが神、アルスト様こそ唯一なり!」


 集団が歩く中には荷馬車もあり、その上に乗せられた牢屋の中には、10人の人々が押し込められていた。大人から子供まで無差別に捕らえられてる。


「カイ、起きて。 またあのカルト教団だよ」


「……リョウが対応してくれ。 私はまだ一日は動けそうにない」


 毛布に包まったままカイはそれだけ言うと再び眠りに付いた。

 やっぱり一人だと精神的に負担が多いのかな。


「わかったよ。 とりあえず何とかしてみる」


 まずは機銃弾を非致死性ゴム弾に変えてから照準を白服の集団に合わせ、そして覚悟を決めて撃ちつづける。鈍い音と悲鳴を挙げながら白服の集団は次々と地面に倒れていく。

 死んでなければ良いけれど、そうなったら仕方ない。

 白服の集団10人全員を撃ち倒し、最後に檻の鍵を狙って壊す。

 檻の中に居る人達は何が起きたのか分からないみたいだけど、恐る恐る檻から出るとそのまま蜘蛛の子を散らすように逃げていった。

 とりあえず勝手に逃げてくれれば良いかな。自分が何かを話すわけには行かないし。

 全員が遠くまで逃げていったのを確認した後、木々の間から出て行く。

 とりあえず倒した白服の人達は空っぽになった檻に押し込み、鍵の変わりに鉄を念動力で捻じ曲げて閉じ込めて、後はカイの眼が覚めるまでは待っておこう。

 それにしても、どこでも迷惑しか掛けないんだなぁ。こういう集団ってトップを捕まえても、幹部が生きていると独自活動しちゃうから、出来る限り一つ一つ潰すしかないんだけど、何か効率よくする方法を考えないと、100年経っても終わりそうに無い気がする。

 一つ潰している間にいくつか増えてそうだし、一度カルト集団を討伐する集団を組織するかしたほうがいい気がする。

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