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異世界を戦車として進む  作者: 赤崎巧
1章 旅立ち
41/313

41.9階層

 こちらに気付いたミノタウロスに、12.7mmスポットライフルを連射、とりあえず訳も分からず撃たれた事で、身を守りながら立ち止まってはいるけど、12.7mm弾が効いている様子がほとんど無い。それに一秒に一発しか撃てないので、これは武器としてどうなんだろう。やっぱり説明にあった弾道を見る為以外には使えないのかな。

 それに弾が貫通せずにミノタウロスの皮膚に弾かれ、床に落ちている。衝撃と痛みくらいはあるみたいで、うめき声を上げてはいるけど、これ撃つのを止めた瞬間飛び掛ってきそう。


「もういいぞ リョウ。 大体分かった」


 銃撃をとめると同時に、カイはミノタウロスの眼前に跳躍、無造作に剣をミノタウロス目掛け振り下ろした。

 12.7mmの弾さえ弾く丈夫な体を持つのに、まるで空気を切り裂くように、あっさり真っ二つに切り裂く。床に着地すると剣を軽く振るって血を飛ばすと、二つに分かれたミノタウロスの体が地響きを立て中柄転がった。

 自分の存在価値ってなんなんだろう。戦力的にもカイの方が遥かに上なんじゃないかな。正直10式になってもあんまり勝てる気がしない。


「「「きゃーかっこいい!!!」」」


 あ~もう、この裏のある女冒険者達の黄色い声援も慣れたくないなぁ。確かに美形だけども。

 カイは血が着いた剣を丁寧に拭うと、そのまま階段の先を覗き込んでいる。

 

「リョウ 登れそうか?」


 進んでみると履帯が階段にはさまり、滑らずになんとか登れる。ゆっくりのぼると、2分くらいで9階層に着いた。


「ここも同じ作りのようだな」


 また薄暗い通路が広がっている。でも、今度は生き物が警戒していなくて、山羊みたいな動物が歩いてた。でもやっぱり遠めに見ても角や顔が凶悪で、魔物って言われたらとても納得できる。

 丁寧にスポットライフルの狙いを定め、一発撃つと声も無く体を撃ち抜かれその場に倒れた。


「どうやら大丈夫そうだ。 リョウも気をつけろ」


 それにしても、落ち着いて狙っても照準があわせにくい。やっぱり戦車の照準能力がそのまま、自分の照準の付け易さに繋がっているのかも。

 ゆっくり通路を進んでいると、時折山羊の様な魔物が現れる。

 それをカイがナイフを投げ、一撃で仕留めてしまう。それにしてもいつの間に投げナイフとか、ナイフのような鉈とかを買ったんだろう。

 倒したあと、ナイフを引き抜くと丁寧に拭い、腰のナイフ入れっぽい物にしまい直してる。


「手間と時間が掛かりすぎるな。 リョウもう少し大きい姿になって押し潰して進めないか?」


 M24軽戦車

全長 5.56m

全幅 3m

重量 18.4t


 体を切り替えると、ほとんど通路一杯に広がる事になるけど、これなら機銃も撃てるし60式自走無反動砲より安心。それに体というか車体も動かしやすくなった。

 それにしても。

 

「それでですね~♪」


「ね♪ 体に合わせた防具はちょっと高いですけどぉ♪」


「そうね~。あなたの図太い腹回りが良く分かるわ~」


 姿を変えたというのにまったく気にしている様子がない。いや、視線が全てカイに向けられていて、気付いてないんだと思う。

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