40.救助活動
半日近くダンジョンの暗い通路内を進んでいるけど、ミノタウロスが吹き飛ばされた事で警戒しているのか、魔物と全く出会わない。時折物音が聞こえるんだけど、すぐ遠ざかって行ってしまい、避けられている気がする。もしかして、怖いモンスターだと自分思われちゃったのかな。
いくつも通路の角を曲っていると、通路の先に、倒れている一人を護る様に三人の女性が居た。ライトに照らされまぶしそうに手を向けてる。
「どうした。 なにかあったのか」
実際罠とかでどうにか出来るカイじゃないけど、自分の心配をよそに、ライトの光を背に受けて四人の近くに歩いていった。
警戒はしているようだけど、非常時なのか武器を取り出して、カイを止めようとするそぶりもみえない。
近くで何か話した後、しゃがんで倒れている人の様子をみてる。カイはそのまま何か神に祈り始め、静かに呟いているのか光が溢れ出すと、倒れている人を覆っていく。
中性的美形だから、なんていうかダンジョンの薄暗さもあって、ものすごく神秘的。
光が消え去り、倒れていた人を抱えながら立ち上がると、こちらに向って歩いてくる。
「リョウ リヤカーを出せ。 こいつを乗せる」
とりあえず言われたとおりにリヤカーを出し、毛皮を敷くとカイは抱えていた冒険者をその上に寝かせた。載せられた人の顔色はあんまり良くないけど、それでもとりあえずは大丈夫そう。
それにしても、カイが高位の神官と言うのもあるとは思うけど、本当に万能だと思う。正直、何が出来ないんだったかいまいち思い出せない。
「ありがとうございます。 助かりました♪」
三人の代表と思う女性冒険者が、黄色い声の混ざったお礼を述べている。
あぁ、うん。分かるよ。カイは中性的美形で、女性に対しては柔和だし言葉遣いもいいから、とっても狙い眼の物件に思えるよ。ぶりっ子だろうとお色気だろうと、そつなく対応するし、気分を害さないように回避も上手い。本当にカイが女性でなければねぇ。
「それで階段は向こうにあるんですね?」
「はぁい♪ そちらにいけばぁ、この大きなゴーレムでもいけると思いますぅ♪」
他の女性冒険者も猫なで声、自分宛じゃないと分かるとあれですね。なんていうかうん。
第三者視点で見る女性の行動って、獲物を見る目がミノタウロスより血走っているように見えるし、お互い牽制し合っているのも分かるんだけど、仲間が仲間じゃない気迫が、非常に怖いです。
前世じゃイケメンに対して、くやしてくうらやましい気持ちになったことあるけど、これを見ている限り少し同情してしまう。イケメンの男は モテ るんじゃなくて女性にとって 捕食対象 なのだと。
少々居辛い環境のまま、リヤカーを引っ張っていく。
「リョウ、気をつけろ。 階段近くに大きな魔物の気配がある」
速度を落とし、ゆっくりと階段の近くまで行くと、最初に見たミノタウロスよりさらに大きく、体長3メートルはある巨体のミノタウロスが居た。




