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異世界を戦車として進む  作者: 赤崎巧
1章 旅立ち
40/313

40.救助活動

 半日近くダンジョンの暗い通路内を進んでいるけど、ミノタウロスが吹き飛ばされた事で警戒しているのか、魔物と全く出会わない。時折物音が聞こえるんだけど、すぐ遠ざかって行ってしまい、避けられている気がする。もしかして、怖いモンスターだと自分思われちゃったのかな。

 いくつも通路の角を曲っていると、通路の先に、倒れている一人を護る様に三人の女性が居た。ライトに照らされまぶしそうに手を向けてる。


「どうした。 なにかあったのか」


 実際罠とかでどうにか出来るカイじゃないけど、自分の心配をよそに、ライトの光を背に受けて四人の近くに歩いていった。

 警戒はしているようだけど、非常時なのか武器を取り出して、カイを止めようとするそぶりもみえない。

 近くで何か話した後、しゃがんで倒れている人の様子をみてる。カイはそのまま何か神に祈り始め、静かに呟いているのか光が溢れ出すと、倒れている人を覆っていく。

 中性的美形だから、なんていうかダンジョンの薄暗さもあって、ものすごく神秘的。

 光が消え去り、倒れていた人を抱えながら立ち上がると、こちらに向って歩いてくる。

 

「リョウ リヤカーを出せ。 こいつを乗せる」

 

 とりあえず言われたとおりにリヤカーを出し、毛皮を敷くとカイは抱えていた冒険者をその上に寝かせた。載せられた人の顔色はあんまり良くないけど、それでもとりあえずは大丈夫そう。

 それにしても、カイが高位の神官と言うのもあるとは思うけど、本当に万能だと思う。正直、何が出来ないんだったかいまいち思い出せない。


「ありがとうございます。 助かりました♪」


 三人の代表と思う女性冒険者が、黄色い声の混ざったお礼を述べている。

 あぁ、うん。分かるよ。カイは中性的美形で、女性に対しては柔和だし言葉遣いもいいから、とっても狙い眼の物件に思えるよ。ぶりっ子だろうとお色気だろうと、そつなく対応するし、気分を害さないように回避も上手い。本当にカイが女性でなければねぇ。


「それで階段は向こうにあるんですね?」


「はぁい♪ そちらにいけばぁ、この大きなゴーレムでもいけると思いますぅ♪」


 他の女性冒険者も猫なで声、自分宛じゃないと分かるとあれですね。なんていうかうん。

 第三者視点で見る女性の行動って、獲物を見る目がミノタウロスより血走っているように見えるし、お互い牽制し合っているのも分かるんだけど、仲間が仲間じゃない気迫が、非常に怖いです。

 前世じゃイケメンに対して、くやしてくうらやましい気持ちになったことあるけど、これを見ている限り少し同情してしまう。イケメンの男は モテ るんじゃなくて女性にとって 捕食対象 なのだと。

 少々居辛い環境のまま、リヤカーを引っ張っていく。


「リョウ、気をつけろ。 階段近くに大きな魔物の気配がある」


 速度を落とし、ゆっくりと階段の近くまで行くと、最初に見たミノタウロスよりさらに大きく、体長3メートルはある巨体のミノタウロスが居た。


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