↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界を戦車として進む  作者: 赤崎巧
2章 歪み
255/313

255.お金目当て

 町を出て2日、夜に襲われないようにゆっくりと揺れに注意しながら、深夜も泊まることなく進む。

 慣れているイルレさん達はともかく、新しく加わった3人はあまり眠れず、昼も疲れた表情で荷車の中でいる。

 結局15人ほどガラの悪そうな人達から、7人ほどまで減ったけれど無理をしてまで付いてくるような、どうしようもない人達だけだと思う。



 遠目に見えていると言っても、街道沿いには林などもあるので時折姿が見えなくなる。

 それでもやっぱり広い道になると、遠目にこちらを追っている姿を確認できた。


「面倒な奴らだ。 だがいまあの3人には刺激が強すぎる」


 カイはもちろん気付いていたけれど、加わったばかりの3人の近くでは余り無茶な事は出来ない。それに今はカイが近くに居るから安心しているから、あまり離れるのも良くない。


「夜、1人でどうにかしてくるよ」





 その日の夜、久しぶりに馬車を止め、自分だけで金銭目当ての野盗の迎撃に向かう。カイとイルレさん、そして狼のステアーが荷車を守っているので心配はない。

 1人減って6人が街道を松明も持たずに歩いているのが見えてきた。残りの1人は諦めたのかもしれない。

 丸太と三つ又の槍を念動力で掴み上げ、振り回しながら近付く。


「あれは、牽いていたゴーレムだ!」

「くそ! 気付いていたのか!!」


 6人は慌てて剣や斧を手に取る。


「大金は目の前だぞ! あきらめんな!!」


 どうやらリーダー格の人がいるみたいで、腰が引けている5人と違ってやる気もあるし、手に持っているのも唯一立派な槍でどことなく手慣れている感じがする。

 5人各々が武器を握って向かってくるところを、丸太で叩き伏せ気絶させていくけれど、槍を持ったリーダー格っぽい人は遠巻きに見ながら煽っているだけでくる様子はない。

 全員が倒れた倒した所で踵を返す。


「役立たずどもが!!」


 そう言うと走って逃げ始めた。

 あのリーダー格の男はきっとこれまでもこれからも、多くの人を煽って悪い事をする、だから叩き伏せただけの5人と違って、絶対逃がす事は出来ない。

 三つ又の槍を持ち上げ、投擲すると逃げ出していた男の体を貫き、数メートル転がった後地面に倒れた。

 その姿を見ても何も感じず、アルスト教団で起きたことの影響か、あまり殺人をするという判断に抵抗がない。何か非常に不味い事態な気がする。これはカイに相談したほうが良いかもしれない。


 気絶している5人は少し離れた場所にある木の枝に吊り下げ、寝相と目の覚め方によっては落ちるけれど、とりあえず意識がない間に野生生物に襲われないようにしておく。

 自分の変化をどうカイに伝えるべきか考えながら戻ると、途中でステアーが一人の人間の近くで口元を真っ赤にして座っていた。

 1人が大きく迂回して荷車の方に行っていたみたいで、ステアーが気付いて襲撃し、少し離れた場所で喉を噛み千切って倒したみたい。


「ステアー、口元が汚れているよ」


 車内に積んであった水壺を取り出し、木の器に水を移して置くと飲み始める。

 正確には飲みつつも、少しずつt前足で口元をぬぐうような仕草をしているので、少しは気にしているのかもしれない。

 何度か水を入れ替え、すっきりした後は車体の上に飛び乗りステアーは横になった。


「ステアー、何かの命を奪うのって、余り慣れたいことじゃないね。 これどうしたらいいのだろう」


 答える事のないステアーに問いかけ、静かにみんなが待つ荷車へと戻る。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。