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異世界を戦車として進む  作者: 赤崎巧
1章 旅立ち
21/313

21.蜥蜴種でも怖いものは怖い

 警戒しながら空中にいる多数のワイバーンに機銃を撃っても全然当たらず、無数のワイバーンに群がられ、思わず絶叫を上げてしまう。

 

 「ぎゃぁぁぁ!」

 

 爪と牙によって装甲が少しだけ歪み、引き千切ろうとする力で砲塔と車体の間が軋み音を上げている。

 ドラゴンのときよりも車体は全然平気だけど、どの方向を見ても大口を開け、噛みつくワイバーンが居て怖くて仕方がない。

 砲塔の上部にあった12.7mm重機銃は、噛み付いたワイバーンに引き千切られ、砲身横についている同軸の7.62mm機銃2門を連射。

 ある程度は倒れていくのだけど、車体の後ろに回られたり、上に乗られたワイバーンには効果がない。

 

 「ちょっ、さすがにこれは!」

 

 砲塔を回転させたり、前進や後進しながら振り落とそうとするけど、ほとんど効果がない。

 

 「いだだだだだ!」

 

 2体のワイバーンは砲身に噛み付き、へし折ろうとしているのか、変な砲口に曲げられそうになり痛みが走る。

 

 「このっ!」

 

 砲塔を旋回させながら岩に叩き付けると、何体かのワイバーンが振り落とされた。

  

 「痛ったぁぁぁぁぁ!!」

 

 まるで足の小指を角にぶつけたような痛み、それが砲塔から全身に響く。振り落とされなかったワイバーンが砲身に噛み付き、変な方向にゆがみ始めている。

 2体のワイバーンが群がったまま全速力で前進し、後方を向きながら機銃を連射、襲いかかろうと群がるワイバーンを倒していく。

 一匹のワイバーンが道を塞ぐように進行方向に立ちふさがるが、構わず車体をぶつけその身に乗り上げ押しつぶす。

 

 「このぉ!」

 

 ワイバーンに激突し乗り上げた衝撃で、振り落とされたワイバーンに向け機銃を連射、絶叫を上げて動かなくなる。

 もし息が出来るなら、肩で息をするように呼吸が乱れているはずだけど、代わりにエンジン音が不安定になっている気がする。

 

 「随分無茶をしたな」

 

 カイの声に視線を向けると、余裕の表情で剣に着いた汚れを拭っていた。

 相変わらず服はまったく汚れておらず、それどころか汗一つかいている様子もないし、ワイバーン相手でも全く問題なかったみたい。

 美しく最強、欠点を思い出せないカイがいるのはとても助かる。

 正直自分自身の事で結構一杯一杯、もし戦車じゃなくて、人の姿のままチートが得られても精神的にダメだったかもしれない。

 

 「もうワイバーンにもう襲われることはないだろう。 あれを見てみろ」

 

 カイに言われ指差された方向を見ると、生き残ったワイバーン達は逃げるように飛び去っており、もうこちらに襲い掛かってくることはなさそうだ。

 

 「はぁ・・・・・・、酷い目にあった。 もうこういうのは勘弁して欲しいよ」

 

 車体は傷だらけ、ぶつけた砲身も少し歪んでいた。

 

 「それでもSPは随分貯まったろう?」

 

 カイに言われて意識を傾ける。1245+8000で9245、かなりポイントが貯まってる。

 

 「74式も74式改も選べるほど貯まってる。 これで山道は大丈夫そう」

 

 精神的にも肉体ならぬ車体的にも随分疲れてしまったけれど、とりあえず頑丈な戦車に生まれ変わった事を感謝しようと思う。

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