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非幸福者同盟  作者: 相羽裕司
第十一話「君の名前は」(後編)
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244/277

244/Parody

 ジョーが「紫の館」の最上階に踏み入ると、そこでは「再会」が待っていた。


 ドーム状の「観測所」の中央に、古びた望遠鏡が設置されていた。ジョーは幼い頃に、スヴャトと一緒にこの望遠鏡を覗いて、「宇宙の果て」に想いを馳せていたのだ。


 スヴャトという存在と、望遠鏡との「再会」は、「過去」との接続を意味すると同時に、「未来」の選択が迫ってきていることを意味していた。この時間、この場所が「境界」なのだ。


 大人になりかけの年齢に達した今、ジョーは今一度この望遠鏡で「観る」という行為を行わなくてはならない。


 何を?


 全てを、である。


 弓村の「映(キャッチ・)認(ザ・ワールド)」を超える事象。中谷理華いわく、「現在、過去、未来。そして全ての可能世界」をである。


 その時、右手首に巻きつけていた姉から受け取ったチェーンが淡い光を発し始めた。


 光の先。無彩限のストラップの先の鍵を改めて見やると、短く、小さな文字列が刻み込まれていることに気づく。



――Life…



 誰が記した文字列なのかは分からない。


 ジョーがその言葉を詠み上げ始めると、鍵と望遠鏡が共鳴を始めた。



――is not…



 これが、一九九九年の七月に一度だけ世界に出現したという、人類史上七つだけ観測されている『奇跡』の一つ。



――like a…



 夢守(ゆめもり)永遠(とわ)の「永(セーブ・)認(ザ・ワールド)」である。



――Parody!



 言葉が、光を放った。


 現れた眩い光の色は、グラデーションを形成しながら変容を続けていく類のものだ。


 一方で、分節されたバラバラの色が、同時に一つの全体でもある色。永久(とわ)色であった。



――かくして、宮澤ジョーという存在は永遠の光に包まれながら、「縁起の楼閣(ろうかく)」の中へ。

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