81.「リトライいざないの森 ――獣人探索+①――」
"誘い"を「いざない」と読ませるのが自分でも難しいと判断した為、今後はひらがな表記でいきます。
表記は変わりますが、第二章と同じ場所ですよー…
「大変だ!」
珍しくミズハが大きな声を上げる。
原因はファルが持つ例の辞典に書き足されたあの大雨――通称1012豪雨――による被害状況についてだった。
「死者21名ならだいぶ少ないほうよ。君たちが頑張ってくれたおかげだね」
ギルドのカウンターで鏡を磨きながらソラが言う。
確かに過去五十年の統計で連続降雨量を更新したにしては被害が小さいと言えるが、彼が衝撃を受けたのはその後に書かれた情報の方だった。
「その十万倍の数の動物が死んだって。いざないの森だけでだぞ」
あの時から彼の頭にはずっと一人の少女が存在し続けている。
森で立ち往生した業者を助けに向かったあの日出会った獣の少女のことだ。
何がそんなに気になるのかいまだに分からない。
会話は一言二言。
対面していたのは約二分ほどのカップラーメンもやわらかくならない微々たる時間だった。
それでもミズハはずっと彼女との再会を待ち望んでいた。
例の辞典を苦労して手に入れたのだって、獣の少女のことをもっとたくさん知りたかったからなのだ。
その命が奪われてしまったかもしれない今回の被害に彼はいてもたってもいられなくなった。
ガタッとイスから立ち上がり決意する。
「俺は行くぞ。もう一度、いざないの森へ!」
よく三分間=カップヌ○ドルが出来上がるまでの時間に例えられるけど、実際は三分間じゃラーメン食べられないよね。ケトル使ってお湯が沸くかどうかの辺りだよね。




