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76.「隠すやつ ――暴走ハンターを取り押さえよ⑯――」
「二人で食べていいよ」
机に置かれたイチゴとチョコの二つのケーキを横目にミズハは言った。
「いいんすか?」
ドナがキーを上げて聞いてくるが、その手はすでにチョコケーキ側面のフィルムを外しにかかっていた。
「ああ。つーかファルちゃんに選ばせろコラ」
「優しいお兄ちゃんがいていいっすね」
口をモグモグさせながら本日の主役に話しかけるドナ。
口元にホイップクリームを付けた本日の主役は満面の笑みを浮かべている。
並んで食べる姿がまるで本当の姉妹のようだ。
二人の気持ちのいい食べ方を正面で眺めながらミズハはポツリとつぶやいた。
「二人とも、男の前でも堂々と食べるね」
「お兄ちゃんの前で上品ぶったりしないよー」とファルが言う。
「まったく意識したことないっすね。なんならあてがって食べましょうか?」とドナが言う。
ミズハは言う。
「やめろ」と。
そしてこう付け足す。
「口を隠しながら食べる女はキライだ。多分世界中の男が共通して思っていることだろうな。本人は上品な食べ方だと思っているんだろうが、マナーの意味を履き違えてて見苦しいだけだぜ」
ちょっと私情が入ってしまいました(・ω・)ヾ




