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64.「寝過ごした ――暴走ハンターを取り押さえよ④――」
「あれからずっと先輩のことが気になってたんすよ。それで知り合いのハンターから色々と情報を聞き出してるうちにドンドンドンドン気になりだしちゃってー」
ドナが語り始めた。
話を聞く限り、この子は自分に似ているとミズハは思った。
獣の少女のことを調べていると時間を忘れてしまうあの感じ。
好意なのか好奇心なのかは分からないけど、それと同じ感情を自分に対して持ってくれたというわけだ。
ミズハが考え事をしていた最中も続いていたドナの語りは、フィッツシャー出発の辺りに差し掛かる。
「そしたらもう帰っちゃったっていうから、こっちも慌てて追いかける準備してさ。そしたら信じられないようなミラクルが起きたんすよ! 何があったと思います?」
ドナのなぞなぞにミズハは答えた。
「俺が同じバスに乗ってたって事?」
夢中で辞典を読んでいた車中、自分に視線を送る人物がいたことはすっかりお見通しだった。
これにはドナもびっくり。
驚かすつもりが逆に驚かされる結果になった。
「気付いてたんすか? じゃなんで起こしてくれなかったんすか! おかげで寝過ごしちゃったじゃないっすかー」
ミズハは呆れ顔で言った。
「知らねーよ」と。




