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58.ファール
屋内から屋外へ飛び出すシーンがありますが、この世界では室内での靴履きがデフォなので。
縁に足を掛け、窓からおもいっきりのジャンプ。
滞空中に体をひねってマンションを観たときに思わずたまげた。
どうやらこの辞書化現象はミズハの部屋に留まらず建物全体に被害が及んでいたようだ。
二階からのダイレクト着地に野次馬から歓声と拍手が。
しかしそんなものはお構いなしだ。
ミズハの目に映るのは紙の束と化したマンションが風に揺られてぐにょぐにょと波打っている不思議な光景だった。
「なんだこりゃ」と驚嘆の声を漏らさずにはいられない。
「ミズハ!」
懐かしい声が呼ぶ方へ振り向くと、そこにはギルドの娘ソラが駆けつけて来ていた。
彼女はミズハの顔と変わり果てたマンションを交互に見てから言った。
「なにこれ?」
「大丈夫。俺がなんとかするから」
その言葉だけを残してミズハはワイヤーを飛ばす。
材質が脆くなったせいで鉤爪が引っ掛かってくれるか不安だったがどうやら行けそうだ。
そして壁を駆け上がりながら、問題の辞典が今どこにあるかの目星は付いていた。
最初に部屋の壁に書き足されていったあの情報が本当に彼女のものであったならば、きっとあそこだ。
サブタイトル(笑)




