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55.ゴーホーム
「ただいま」
誰もいない部屋に帰り着くなり、ミズハはいつものように荷物を床に落としていく。
ドサドサと大きな音が鳴り響く中、例の辞典だけは彼の手にくっついて離れていかない。
ミズハを慕う近所の少女ファルは学校に行っているようだ。
ギルドの責任者ヤマトとその娘ソラも休みに入っているこの時間帯が、車中徹夜で読書に耽っていた彼の睡眠欲を刺激する。
湖で大蛇に襲われてからもろくに寝ていなかった体が休息を求めている。
「少し寝るか」
ベッドに歩み寄り、前のめりにダイブ。
目を閉じて任務達成後に見える夢の内容に想いを馳せる。
「今日はどんな夢かふぁ…」
そのまますぐにグーグーと寝息を立てはじめる。




