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45.レベル70の男
「あそこのボスは中々のやり手だったろう?」
フィッツシャーの街にあるギルドの責任者が笑いながらそう語る。
ギルドは主要な街には大抵あって、ミズハのような余所者のハンターに宿を提供したりもする。
「まんまと巻き込まれたよ。おかげで散々な目にあった」
「ヤマトには俺から連絡しておいてやるから早いとこ病院行きな」
大蛇に噛まれた首筋をあわわと眺めながらそう言ってくれた。
「自分の弱さに腹が立つぜ、まったく」
病院からの帰り道に不意に口からこぼれ出す。
ハンターとしてミズハは非常に優秀な男だ。
射撃の正確性。
チェーンワイヤーによる移動技術。
広い視野で現場を見れる冷静な判断力。
どれをとっても一級品だ。
それと同時に、ミズハは本当に弱い。
弱くなったと言ったほうが正確かもしれない。
二年前にロマンシア大陸で起きた一連の事件、通称『クリスタル事件』時の彼と比較すると確実に弱体化してしまっている。
不意にミズハは思い出していた。
万物の生命力を増大させる力を持つ、クリスタルの欠片を使用して戦っていたあの頃を。
いつもの時間にもう一回更新します。




