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32.「GO! ――マウントブック一家の護衛⑥――」
「あの。だから、何事にも予想だにしないアクシデントというものが…」
「俺らはそんなヤワな鍛え方してねーわい! 若造が偉そうにほざくんじゃねえ!」
再び説得の言葉を妨害されながらのお叱りの言葉。
これには流石のミズハも腹を立てずにはいられない。
「なにあのおっさん。無事に送り届けるどころか、力の限り妨害してやりたいんだけど?」
あくまで波風を立てないように、ゴーガにそっと愚痴をこぼす。
ゴーガは頭を下げながら頼み込む。
「頼む。こらえてくれ」
二人が小さくかたまって話しているとマウントブック一家のボスが大きな声を出しながら近づいてきた。
「そういえばお前だろ。『出来ない事でもやってやるのが一流のハンターだ』とか言ってたそうじゃねぇか」
言った。
ゴーガと初めて出会い、ハンターの仕事を説明する際に確かに言った。
「そこまで言うんだったら証明してみろよ。俺達のキャラバンを予想外のアクシデントとやらから守る仕事をな」
そこまで言われてしまうとミズハも引き下がれない。
彼にもハンターとしてのプライドがある。
男としてのプライドもだ。
「…わかりました。その護衛の依頼を引き受けましょう」
こうして渋々ながら、湖を突っ切ってフィッツシャーを目指す弾丸トラベルが決定した。




