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29.「BOSU ――マウントブック一家の護衛③――」
「まずはボスに会ってくれや」
そう言って通された先にいたのはとてつもない大男だった。
年のわりには背が高いミズハでも見上げなければ顔が確認できない。
横幅に至っては、彼が履いているズボンにミズハが三人収まるくらいの恰幅のよさである。
じろりとにらんでくる目を見ながら自己紹介をする。
「どうも。ハンターのミズハです」
ペコリと頭を下げる。
下げた頭を上げて、正面を向き直しても相手の目はまだミズハを捉えていた。
その目を外さぬまま、マウントブックのボスが口を開いた。
「まだ子供じゃねーか」
「さっきも言われたよ」
ミズハもすかさず口を開く。
慣れているとはいえ、何回も続けて言われるとムッとくる言葉なのだ。
「ベルツリーが随分と気に入ってたからどんな奴が来るかと思えば、鼻息で吹っ飛びそうなモヤシッコじゃねーか」
「なんだと? いかにもな『かませ体型』な奴に言われたくねぇんだよ」
「ちょっと、やめてくれよ~」
互いに火花を飛ばし合いながらの罵倒。
ゴーガが間に立ってどうにか取り持とうとする。
ちなみにベルツリーは彼の苗字だ。




