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27.「視線 ――マウントブック一家の護衛①――」
「よぉミズハ。ひさしぶりだな」
ギルドのドアを開いたミズハを出迎えたのは看板娘のソラではない、見知った男だった。
「ゴーガ。元気にしてたか」
「おぅよ」
海竜に襲われた時の船に同乗していた配送業の男、ゴーガとの一週間ぶりの再会。
互いに握りこぶしを作って挨拶を交わすと、彼の後ろにいるたくさんの野郎どもの視線が一気に突き刺さる。
奇異な物を見る、この視線の正体をミズハは知っている。
若いうちからハンターなんて仕事を続けていると嫌になるくらい浴びせられるタイプの視線である。
「大丈夫かよ」
「まだ子供じゃないか」
やがてひそひそとそんな話し声が聞こえるようになってきた。
ゴーガがすかさずフォローに回る。
「安心してくれ。見た目は若いが腕は確かだ。俺が保証する」
そう言うと野郎どもの反応が変わった。
この集団内での彼の発言力の強さが伺える。
ゴーガはミズハにもフォローを入れる。
「わるいな。話せば分かる奴等だから許してやってくれ」
「いいよ。誤解されるのは慣れてる」
ミズハは続けてこうも言った。
「俺を過小評価した奴等の鼻を明かしてやるのも仕事の一部だよ」と。




