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24.ケダモノ
あれから一睡もしていない。
家の中での調べ物ではすぐに限界が来てしまったので、開館時間ちょうどに街の図書館になだれ込んだ。
そして獣人に関するあらゆる本に片っ端から目を通していった。
獣人とはそもそも何か?
形態は?
生活習慣は?
人間との違いは?
発見例はどのくらいあるのか?
生息場所は?
ひょっとしたら誘いの森、もとい太古の森という限られた環境でしか生きられないのではないか?
あの時出会った獣の少女は何者なのだろうか?
あの場所で何をしていたのか?
獣人はみんな言葉を話すことができるのか?
獣人は皆、あの少女のように普通の耳をしているのか?
話せない獣人や獣の耳を持つ個体はどれくらいいるのか?
あの少女に家族や知り合いはいるのか?
友人や恋人はいるのか?
人間と獣人の境目はどこにあるのか?
あの少女は本当に獣人だったのか?
ひょっとしたらあの少女は人間だったのではないか?
爪を切り揃えて体毛を処理すれば、この街で暮らすこともできるのではないか?
いや。
それどころか。
もしかしたらすでに人間に成りすましてこの街で生活している獣人がいるんじゃないか?
あの子は今、なにをしているのだろうか?




