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蒼焔の魔女 ~ 幼女強い 【感謝! 8000万PV・書籍版第3巻発売&コミカライズ、もうすぐです!】  作者: 一 二三


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精霊種 ㉟

「ばくだん、って?」

「ん? ああ。爆発する“(たま)”で爆弾と呼ぶんだ。弾ってのは弓なんかの武器で弾き出す(つぶて)って意味だ」

 レイクスさんの確認にテツさんが分かりやすく説明している。


 テツさんって、レイクスさんに対してもケイナちゃんに対してもマメに日本語解説をしてるよね。

 何となく合ってるって感じの説明だけど、日本語を教えようとしているわけじゃないのなら言葉選びに気を付ければ良いのに。

 まあ、それで上手くコミュニケーションが取れているみたいだから、外野がどうのこうの言う必要も無いしツッコまないけどね。


「爆発かぁ。要は破裂だよね? どのぐらいの力で破裂させる必要が有るんだろう?」

 言葉の意味を理解したレイクスさんが必要な性能を確認してくる。

 どのぐらい、かぁ。

 漏れると拙いのは刻印術式だよね。


 問題は、どの程度の技術を向こうが持っているかだ。

 神教会勢力圏で製造されている魔法道具の技術水準を知らないから、どこまで壊せば良いのか分からないというのが正確なところなんだけど、回路の製作方法に関する鍛冶技術を神教会側が持っていると想定すれば、守るべき情報は回路そのものになるのかな。


「・・・破片を組み合わせて回路を復元できないほど粉々にならないと、刻印術式を盗まれるでしょうね」

「ははぁ。そんな感じかぁ」

 私の答えにレイクスさんが苦笑する。


 つまりは“木っ端微塵に”ってことだからね。

 そりゃあ苦笑もするだろう。

 言ってる私も、結構な無茶を言っている自覚が有るもの。

 真剣に考えてくれていたらしいロブウッドさんがレイクスさんに視線を向ける。


「あの図面のクルマってヤツは、何の素材で作るつもりなんだ?」

「強度を考えると金属の鉄になるだろうね」

 おや。もう図面が有るの?

 レイクスさんの答えにロブウッドさんが難しい表情になる。


「鉄を粉砕するほどの爆発となると相当な威力が必要じゃねえか?」

「だよね」

 肯定したレイクスさんに私も同意する。

 そして、ロブウッドさんの懸念も尤もだ。


 日本での常識にどうしても引き摺られてしまって、自動車と聞けば主要な素材は鉄を用いたもの以外に想像ができない。

 でも、自動車ってミサイルの直撃を食らっても木っ端微塵にはならないんだよ。

 記憶に有る戦争のニュース映像を思い返しても、木っ端微塵になった映像は1度も見た記憶がない。


 ちょっと無茶な要求だったかな・・・。

 かと言って、始める前から引っ込めるのも可能性の芽を潰してしまうようで、いかがなものかと考えてしまう。

 どうしたものかと悩んでいたら、テツさんが棚上げを提示してくれる。


「まあ、具体的な方法は、ちょっと考えるわ」

「・・・私も良い案を思い付いたら相談するよ」

「分かった」

 テツさんと私の棚上げ合意にレイクスさんからもロブウッドさんからも反論は出ず、この場での結論は持ち越された。


 刻印術式の情報保全はエルフ族の生命線なのだから、真剣に考えてくれるだろう。

 魔石使用法に関しては説明を終えているし、個人レベルでの試行錯誤タイムだ。

 武器の話をしている間にミセラさんたちは掌握に成功していたようで、残るはレイクスさんとロブウッドさんの2人だけとなっている。


 ふむ・・・。

 この職人気質な2人に出来ないとは思わないし、煮詰まるまでは様子見かな。

 ケイナちゃんたちと雑談しつつ個々の頑張りに任せていると、予想通り、ほどなく2人とも掌握を成功させた。


 次は魔力の手だけど、ミセラさんたちはルナリアとジアンさんに教えたときも私の傍で話を聞いていたから、すでに論理は理解しているだろうね。

 防御術式を使えるのなら認識を上書きするだけだから、レイクスさんたち4人の防御術式の習得状況を確認して―――、なんてことを考えていると、私たちの名前を呼ぶ声が耳に届いた。


「フィオレ! ルナリア!」

「・・・あ。お母様。お婆様たち」

 エゼリアさんたちを引き連れたお母様は坑道から出てきたところのようで、こちらに向いて歩いてくる。

 ルナリアにもお母様が呼ぶ声はちゃんと聞こえていたようで、練習中のフィティオスさんたちに休憩を告げてパタパタと戻ってくる。


「セリーナ。お茶にしましょうか」

「ええ。狭苦しい坑道は肩が凝っていけないわ」

 お母様たちと一緒に坑道へ入っていたお婆様たちは、自分の肩をトントンと叩きながら食堂の方へと歩いて行ってしまった。


 天井が低いと圧迫感があるものだから、肩が凝るのも仕方ないね。

 お婆様たちまで一緒に坑道へ入っていたのだから、どれだけ重視している用件だったのかが窺い知れる。

 ルナリアと2人で私たちの傍へ到着したお母様を見上げる。


「・・・長かったね」

「何か有ったの?」

「ああ。新しい鉱脈を見つけたかも知れんと報告が有ってな。試掘に立ち会っていた」

 へぇ。新鉱脈か。


 悪い話じゃなくて良かったよ。

 他領との取引にも影響する岩塩については、“採掘状況は好調”としか私たちは聞いていないし、休憩時間も搬出時間もお肉の出荷とずらしているらしくて、目にすることも耳にすることもないんだよね。

 逆に、お肉については私の判断にある程度任せてくれている。



精霊種㉟です。


お肉担当!

次回、安定財源!?

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― 新着の感想 ―
刻印の原形をなくすのが目的なら、爆発ではなく高温による融解か土魔法による微粒子化が先に思い浮かぶと思うのだけど、武器の延長上で考えてしまったので変な方向に行ったのか。
誤字報告? ですが。 「ん? ああ。爆発する“弾たま”で爆弾と呼ぶんだ。弾ってのは弓なんかの武器で弾き出す礫つぶてって意味だ」 たま と つぶて がルビになってないですね。
爆発がメインじゃなくて、知られたくない情報を隠蔽するほうが目的ってのは忘れないといいけど。 どっちが難しいかは別として、原型が残らないくらいに燃えてもいいし、酸で回路部分を溶かしたって良いし、可能なら…
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