表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蒼焔の魔女 ~ 幼女強い 【感謝! 8000万PV・書籍版第3巻発売&コミカライズ、もうすぐです!】  作者: 一 二三


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1195/1208

精霊種 ㉙

「・・・意識していないから気付いていなかったのかも知れないけど、みんな術式を使うときに自分の魔力を変質させているんだよ。質の違いを“硬さ”と捉えても良いし、“温度”と捉えても良いし、“色”と捉えても良い。感触から連想しやすいものに当て嵌めて魔力の質感を似せてみて」


 初めて魔力の存在を知った頃の私にだって出来たのだから、誰にだって出来る。

 魔石の魔力をどう感じたかは個々の感性だから、“その感性は間違っていない”と伝えるために、“硬さ”、“温度”、“色”と捉え方の例えを挙げてみた。


「ふむ・・・」

「質感を似せる・・・」

 職人気質とオタク気質で拘りが強そうなロブウッドさんとレイクスさんが躊躇っていた間にも、女性陣は試行錯誤を始めている。

 ほらほら。女の子たちに先を越されるよ?


「・・・質感を変えながら感触を確かめていると触感が変わってくるからね。だんだん抵抗がなくなって、そのうちスルッと魔石の中に入るよ」

「あ。入りました」

 ほどなくして声を上げたのは意外なことにリットちゃんだった。


 誰が最初に成功するのかと見守っていたんだけど、競馬で言えば本命と対抗の勝ち馬予想を覆しての大金星って感じだろうか。

 いや。競馬なんてやったことないから知らんけど。

 いつも大穴を空けている穴馬は私?

 わざとじゃないから!


 みんなが真剣な表情で魔石に意識を集中している中、リットちゃんの集中力は瞬き1つしないぐらいの突出したもので、技術に対するひたむきな姿勢を感じさせられた。

 「意外」と言っちゃったら申し訳ないんだけど、この場にはエルフ族が2人も居るのだからレイクスさんかケイナちゃんが最初だろうと予想していたんだよね。

 続いてケイナちゃんも声を上げる。


「私もです。これをどうすれば良いのでしょう?」

「・・・魔石の魔力を“掌握”するんだよ」

 他の人たちが成功し終わるのを待たせても効率が悪いから、ケイナちゃんとリットちゃんに先を教える。

 2人が揃って首を傾げた。


「掌握ですか」

「・・・そっくりに似せることが出来たら、どこまでが自分の魔力で、どこからが魔石の魔力か判別できる?」

 それは、製造メーカーが違う同じ色の絵の具を混ぜるようなものだ。

 ケイナちゃんとリットちゃんが答える前に、私が投げ掛けた問いに答えたのはロブウッドさんだ。


「魔素の境界が分からなく―――、違うな。“境界がなくなる”んだな?」

「・・・そういうこと。それはもう、魔石の魔力じゃなく自分の魔力だよ。自分の魔力なら意志は通せるでしょ。その状態を私は“掌握”と呼んでる」

 ロブウッドさんの気付きに肯定を返せば、他のみんなも理解したようで感心した表情になる。

 そこで現代日本の知識から1歩先まで理解したのがテツさんだ。


「ははぁ。外付けバッテリーみたいなもんか」

 んん!! またー!!

 そうだよ! その通りなんだけど、何でそういう答えにくいことを言っちゃうかな!

 私に確認したわけではなく、自分の中で理解して零した独り言だったみたいだけど、ピンポイントというかクリティカルなんだよ!


「ああ、悪い悪い」

 ジロッとテツさんを睨むと失言に気付いたみたいで、バツの悪そうな顔で大きな体を小さく丸める。

 テツさんは訓練を受けた間諜じゃないし、悪意が有っての失言じゃないだろうから、もう良いけどね。


 気になる情報が有っても黙って胸の中に留めて置いてくれる、ミセラさんたちの有り難さを実感したよ。

 ロブウッドさんたちにあんまり気にした様子はないけど、インパクトの有る情報をぶつけたら、おかしな空気を忘れてくれるかな?

 コホンと小さく咳払いして核心部分へと話を進める。


「・・・えーっと。そうやって魔石の魔力を掌握するとどうなるか。事実上、使える魔力が底無しになります」

「「「「「―――、!!」」」」」

 交換可能な外付けバッテリーだと看破したテツさんと、元々、魔石使用法がどういうものかを理解していたミセラさんたち以外の全員が、ゴクリと息を呑んだ。


 底無しの魔力が有れば何が出来るか。

 大きな魔力消費を伴う魔法が使えて、延々と魔法で攻撃し続けられる。

 実戦ではあんまり役に立たない魔法―――、例えば“火弾”なんかの小さな魔法でも、横並びに隊列を組んで間断なく延々と撃ち込み続けられれば、辺り一面が火の海になって簡単には近付けなくなるはずだ。


 もっと強力で魔力消費の大きな魔法を延々と撃ち込まれ続けるとどうなるか。

 内戦で西部国境地域の叛乱領地は籠城した領都を半壊させられて、たった1日で無条件降伏した。

 お母様たち9人の圧倒的火力で1つの城塞を陥落させたんだよ。

 その戦果はとんでもない衝撃と恐怖を撒き散らして、簡単には攻め込めない抑止力を西部国境地域に生み出した。


 全員が“白焔”と“紅蓮”を使うお母様たちほどの火力は出せなくても、絶え間なく魔法が飛んで来たとしたら、そんな中へ進軍して来ることが出来る?

 弾幕だよ。弾幕。

 何せ、今のウォーレス領には魔法道具作りの本家本元、エルフ族が居るからね。

 1つのプランを提示してみる。



精霊種㉙です。


穴馬!

次回、新兵器!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ