クレープ屋で
その日の帰り道、俺は久しぶりにサリナと一緒に道を歩いていた。他愛のない会話を途中でテキトーにクレープ屋に立ち寄って一緒に頬張っている時だった。
「おお、美味いなこのカルバの実。この組あわせは知らなかったな。サリナのそれはリンゴか?」
「うんっ!!えへへ~、私的にはやっぱりコレが一番生クリームに合うんだ!!」
「そうだ、今度家で自作パフェ作ってみないか?わりかし面白そうだし。」
「ふぇっ!?いいの...?アルフのお家行っても...?」
「良いよ、だって昔からの付き合いだし。どうだ、今週の土曜日あたりとか。」
「勿論行くよ!!....えへへ~アルフのお家~」
俺がにやけているサリナを見て和やかな気分で表情を崩していると、不意に後ろから声を掛けられた。あ~あめんどくせぇなぁ~。
「貴様がアルフか?すまないが、今からお前を宮殿に連れて行かせてもらう。」
「あの、多分人違いです~。俺はただのリア充ですので、多分アルフ君はここには居ませんよ~?」
俺がへらへら~っと軽くふざけた陽キャリア充を装って言ってみると、目の前の男は腰に帯剣していた王宮騎士団の象徴でもある白銀に輝く剣を突き付けてきた。
「とぼけるな。お前ごときに惑わされる王宮騎士団ではない。」
「あ~あ、めんどくせぇ...『program』....コイツの剣を無に還せ!!」
『該当項目kingers brade_23を削除完了』
俺がそう呟くと目の前に突きつけられた剣は消え去り、俺は相手の顔をポカンとする相手の顔を見ながら黒い眼差しで、不敵に笑みを浮かべる。
「なぁ、王宮騎士さんよぉ...俺がこの要領で国ごと消せるって言ったらどうする?」
そう言ってやると、王宮騎士の男は後ろに逃げるようにへ垂れ込んでこちらへ恐怖、畏怖の目線を向けてくる。ったく、根性ねぇのかよ。このおっさん。最後くらい悪党っぽくやってみるか。
俺は口角を更に吊り上げ、目の前の王宮騎士の男に向かって、言い放った。
「で?自殺願望者はどこのどいつだよ?今すぐ痛み無しで無の世界へ送り届けてやるけど?」
「ひぃぃぃぃ!!バケモノォォォォ!!」
大声を上げて何処かへ走って行ってしまった。あらら、これじゃあ俺へのヘイトが溜まっちゃうじゃないか。どうしてくれんだよ。
「おいおい、バケモノ扱いは酷すぎないか...?流石の俺でも泣くぞ?」
「私は...別にアルフがバケモノでもいいけどね~。アルフはアルフだし。ほら、元気出して帰ろ?」
「うぅ...地味にサリナの言葉が痛い...まぁでもサリナがそう言うならそれでもいっか!!」
「そうそう!!それと今思い出したんだけどさ、何か先生が言ってたんだけどね、明日剣術の授業に剣聖が来てくれるらしいんだよね。それも何故かEクラスに。」
「それは初耳だ。まぁ剣聖もまた見る目がないな~。大人しく評価依存症の眷属はAクラスでも見にいっとけってんだ。」
俺がクレープを食べ終わると同時にそう言ってやると、サリナはこちらをじ~っと見てくる。
「まったく...こうなったの多分アルフのせいだと思うんだけどねっ!!」
「えぇ、俺のせい?まぁたまた~。俺はそこまで目立つことやってねぇぞ?Aクラスの奴らは何か校外学習でダンジョンとか行ってるっぽいけど、俺たちはそんなとこいってもいなければ功績もないぞ?」
「もぅ、ついこないだかなり大きいことやったじゃんっ!!ほら、あの『俺たちはただのEクラスじゃない!!『Extra』のEなんだ!!』って。」
「あぁ~。確かにそんなこと言ってた気がするわ。...そう考えると、何かすげぇ嫌な予感がしてくるんだが...」
「まぁまぁ、アルフなんだからこんなことどうにでも出来ちゃうと思うよ?」
「ま、そうだよな!!よっしゃ、今日は明日に備えて早く家へ帰ろうかな。じゃあなサリナ!!また明日!!」
「わわっちょっと!!...まぁいっか。じゃあね~!!、また明日!!」
俺はそう言って、家への帰路を急いだ。
そして、翌日。俺は目にクマを作って、死にそうな表情をしながら学校へと登校していた。理由はと言うと...
「へへへ...ふへへッ!!...今日は、昨日徹夜して作った。新武器のテスト日だ...!!もし機会があったら剣聖サマ(笑)で試してみよう....!腐腐腐腐...!!」
そう、俺は昨日徹夜して新しい武器を作っていたからだ。無論、強力な性能を有しているがデメリットが大きいアーティファクトよりさらにえげつない破滅的な性能を有している。おまけにデメリットなんて何一つとしてない。この世界にはない表現で言う、HACK武器ということになる。
おっと、俺が一人で笑っているうちにどうやら校門まで来てしまったようだ。さて、今日も注意は
「どうしたのです?アルフ様?どうやら寝不足のように見えますが...」
「あっあぁ。まぁな。今日はサリナによると剣聖サマ(笑)が来るらしいからな。何か嫌な予感がして。」
「そうですか、体調には気を使ってくださいね?本日の午前は剣術の授業があるので、お気をつけて。それでは行きましょうか!!」
「お、おう、そうだな。」
俺は今日もいつも通りに校舎の中へと入っていった。




