校舎裏で
俺とサリナは生徒会の奴らが倒れこんできたのを真顔で眺めていた。こちらがまじまじと見ていることに気が付いたアリアーヌは顔を赤くしてこちらを見つめてくる。そして俺は極めつけに一言、
「何やってんのおまえら。」
校舎の陰にいた生徒会組がわらわらと出てくる。俺とサリナはさらに深いため息をついた。
「い、いや~その~、ね。あのアルフ様に訓練をつけてもらおうかと...」
「は?お前らAクラスだろ?Aクラスの人間は別に訓練なんざ必要ねぇだろ?元々デキるんだからよ。」
「アルフ様に一つ言っておきたいことが...私たちもうAクラスじゃないですよ?」
「は?....あぁ、そうかBクラスに落ちたんだ。ご愁傷様。全く、Aクラスの阿呆どもは何を考えてんだか。お前らみたいなやつBクラスに落としちゃったらただの抜け殻じゃねぇかよ。...はぁ~」
俺は目の前の奴らに同情のため息を漏らし、うんうんと頷いた。少し目を開けて前を見ていると、何やらオロオロしている様子が見られた。あら?奴らなんか戸惑ってない?俺なんかヘンなコト言ったか?
「...アルフ様...今日の朝に申した通り、この方たちが他に落ちてきた方ですよ...?」
「えぇッ?」
今度は隣にいたサリナが目を見開き、仰天の表情を露わにする。俺はまたため息をつき、言い放つ。
「あのなぁ~...お前ら自分の立場分かってる?お前らみたいな貴族、特に王族はなぁくっだらねぇ評価依存人間なんだからおとなしくAクラスにいりゃあ良かったのに...正直言って評価中毒な両親が泣くぞ?まぁ、俺は平民だからいいがな。」
「僕が思うにそれを言うなら、サリナさんだって貴族ではないのかい?」
「あはは~、一応そうなってるけど私のとこはそこまで裕福な貴族じゃないからね~...まぁ、いわゆる底辺貴族ってやつ?まぁでもそのおかげかあってか平民と同じ目線になるんだよね~。実質ちょっとだけお金持ちの平民?って感覚かな。」
「私はアルフ様に尽くすと女王に宣言しているから大丈夫だ。何故か知らんが直ぐに了承してくれたが。」
「おいその発言国民が聞いたら国一個破滅すんじゃねぇのか?第2王女サマが平民なんかに尽くす発言って。」
「....ッ!!アルフ様に尽くすのは3年の会長ではなくて同学年の私がふさわしいはずではないか?私は朝のお出迎えから...夜のおやすみまですべてをこなせる!!」
俺の表情は引きつっていた。なんだこの脳筋女、この前あたりからどんどん発言内容がエグくなってきてるじゃないか。サリナは顔赤くしてるし。
「あのなぁ、流石の俺でも国の顔に尽くすって言われても、単純に寒気しかしなないし、朝から俺の部屋に居たらそれはそれでビビるしだな...まず、面倒くさいし。そんと...どーせ、そこら辺にでも居るんだろ?」
そう言って俺は問答無用とでも言うように拳銃を屋上めがけて、
「第3階梯ウィンドウプル、LOCK ON」
パパパァン!!
3発の銃弾を撃ち込んだ。すると、上に向かって撃ちはなった弾は空中をカーブして全てターゲットの脳天を貫通させた。屋上からは悲鳴と倒れる音が聞こえてくる。いずれも男性と女性が入り混じっている様子だろう。
「そんじゃ、死体を呼び出すか...『call.npc_mobsB3211,mobsB3216,mobsB3214』...」
『呼出文を検出...対象を特定。...処理完了』
俺がそう呟くと同時に、目の前に3人の死体が呼び出された。第2王女の顔色が悪くなっていっている。俺はそんなことは気にもかけずに拳銃をリロードさせ死体に向け、一言
「...第14階梯All resurrected...」
死体だったものを一瞬で全て蘇生させ、銃口を向ける。すると、3人は徐に武器を取り出そうとする。その中の1人がアリアーヌの姿が目に入ったのか、
「アリアーヌ様!!今すぐここからお逃げください!!ここは我ら王宮騎士団が引き負います!!さぁ、早く!!」
「は?お前何言ってんの?というか俺がお前から逃げたいレベルなんだけど。」
「何を言う国家反逆者!!アリアーヌ様に手を出したお前は今すぐここで痛い目をみてもら...」
「...やめ...!!」
パァン!!
俺はそいつの脚の関節部分を打ち抜き、片足をオモチャに変えた。そいつの右足からは大量の血が噴き出る。どうやら立っていられなくなったようでその場に倒れこんだ。
「うぐぁぁあああぁぁ!!!!」
「うっせぇんだよ。何が王宮だ。こいつも評価中毒かよ、つまんねぇの。『progr....」
「アルフ様、お願いです、その無礼者を見逃してやってはくれませんか...?後で厳しく言っておきますので。」
俺はアリアーヌに抑制されて、『ユニークスキル』の使用を途中で止めた。
「しゃーねぇな、ここまでにしといてやんよ。おいそこの...カス騎士団だっけ?の3人組、よかったな命だけ残って。あとでそこの無能王女に泣いて感謝しとけよな、ほら分かったらさっさとこっから出ててけっつの。....あぁ、あと俺とサリナに危害を加えようもんならこの国丸々消し去ってやるからな。」
俺が黒い眼差しを向けてそういうと、王宮騎士団の3人組はそそくさと逃げて行った。俺はそいつらが行ったのを確認して近くのベンチによっこらせとでも言うように腰かけた。ふと顔を上げると顔を赤くしているサリナと、表情筋の凍っている生徒会組がそこに立っていた。
「...サリナさんだけ....」
「サリナさんは最終ボス...」
約2名ほど何かぶつぶつと呟いているが気にしないでおこう。これは関わったら終わりなヤツだ。
「おいそこの...え~と、ハーマン先輩...?取り敢えず、今日はこのあとヤバそうだからそこの3人連れて帰ってくれない?身のためにも...さ。」
「あ、あぁ分かった、気を付けたまえよ、アルフ君。会長、ローゼンとシャロンも帰りますよっ。」
そう言ってハーマンは生徒会組を引っ張って校舎裏から出て行った。
「はぁ~ほんとにめんどくさくなってきたな。サリナも気をつけろよ....というかサリナは大丈夫か。」
「う、うん!!もうお昼休み終わるし、次国学だったよね!!」
「あぁ、そうだな。そんじゃ教室に戻るか。」
サリナは教室に帰るときも顔を赤くしていたが、何でこんな風になったのだろうと俺は歩きながらずっと考えていた。




