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王宮騎士(笑)

俺は教室に入って絶句した。何故かって?そりゃあなんか、異様に皆から避けられてるヤツがクラスに居るんだぜ?明らかに権力ありますみたいな顔してるヤツががさ。

俺が顔をヒクつかせていると、サリナが寄ってくる。


「ねぇねぇアルフ~、あの人誰?転入生かな?...それにしても身長とか高すぎるような気がするんだけど...」

「いや、あのな。アイツどっから見てもウチのクラス(Eクラス)にいるような顔つきじゃないだろ。明らかに()()()()の顔だろ...顔的にAクラスの新任教師かなんかだろうな。」

「私がAクラスはここの教室ではないと伝えてきましょうか?」

「そうだな。よろしくローゼン。」


そういうと、ローゼンはスタスタと例のヤツに近寄っていき、ここはEクラスでAクラスではないよ~Aクラスはこの1つ上の階の真ん中だと、伝えているようだ。

俺は取り敢えず安心して席に着く。テキトーに参考書を取り出して読みふけることにした。が、


「アルフ様、あの...あの方Eクラスの特別剣術講師の騎士団長様だそうです...その...アルフ様を探してるっぽいんですが...」

「よし、今日から俺はアルフィーだ。いいな?アルフなんて人物は居なかった...いいな?」


俺は面倒ごとを避けるために一旦自分の名前を忘れることにした。面倒ごとは御免だと手をテキトーにぺいっと振って伝える。


「では、アルフ...ィー様。本日は取り敢えずこの呼び方でいこうと思います。」

「呼びづらそうだなっ...つくく。やっぱさっきのナシ!!フツーにアルフって呼んでくれや。」


俺は笑いを抑えながらローゼンへレスポンスする。手で覆って隠していたが、俺の笑いを抑えるような表情がバレてしまったため、笑われた本人はプクーっと頬を膨らませている。

そんなことをしていると、チャイムが鳴った。ローゼンは自分の席に急いで戻った。


「はい、皆さんおはようございます!!今日は何とこのクラスに特別講師として、騎士団長ジョージ様に来ていただいています!!」


そんな元気に言うシー先生だが、生徒の反応はもちろん


「ぃぇ~」「ぇ~....」「ゃったぁ......だっる...」「....ぅぃ~.......これがアルフの言う評価中毒ってやつか~」


完全に歓迎する気が無いようだ。おまけに俺がよく言う『評価中毒』というワードまでクラスメイトの中から出てきた。俺も正直だるかったので「ぃぇ~....」と返して、参考書に蛍光ペンでマーキング作業を再開した。あぁ、これ今年出た魔術の最軽量返還公式じゃん、覚えとこ。

そんな俺の極めだって歓迎する気のない態度が目立ってしまっていたようで、


「アルフ君!!この国の『頂天者』ジョージ様がいらしてるんですからせめて参考書はしまってくださ~い!!先生色々な意味で泣きますよ!?」

「へ~い.......ハァ...だる...評価中毒の眷属から教わることなんて何もねぇっつの...参考書の方が見てて楽しいっつの...」


俺は仕方が無いので参考書を鞄にしま....


スパッ


「え?」


俺の疑問詞と同時に俺の参考書(親友)を切られた。俺の参考書は重力に従って教室の床へと垂直落下を始める。

俺が目の前を向くと、例の騎士団長サマ(笑)が立っていた。睥睨するような眼で。お?俺の挑発に乗ってくれたのかな?うわ、その剣向けないでよ。怖いなぁ。


「お前がアルフか。」

「あぁ、そうだけど何か?あぁそうだ、この参考書意外と高かったから後でしっかり新しいの買ってきてくれよな。」


俺がそう言ってやると、騎士団長サマ(笑)の表情が憎しみへと変化する。俺はその表情の変化を見逃すことはなく、いつものが始まる。


「おっと?騎士団長サマ(笑)とあろうものが、一般的な平民に剣、しかも聖剣を向けちゃって良いんですかね~?これはかなりのニュースになりますね~っくく。」

「ぐぅっ!!...アルフよ、僕の権力ともあれば、()()()()()()()情報規制でどうにでも出来てしまうのだよっ...!!」


はい、来ました☆お疲れさん。俺は黒い眼差しで、口角を上げる。そしてポケットから携帯を取り出し一言言い放つ。


「はい、録りました~!!お疲れ様です。あぁ、あと...」

「もういい、死ね!!」


俺の発言を制するように騎士団長サマ(笑)は俺の喉元に向けた剣を刺した。...が


「がっ....ぁ...コヒュ...ぁ...」

「ほ~ら、言わんこっちゃない。しっかり人の話を最後まで聞けって。フィジカルリフレクションかかってるよ~って言おうとしたのに。」


そう、剣を喉元に刺して倒れたのは俺ではなく騎士団長サマ(笑)の方だった。俺はヤクザ座りで上から見下ろす。


「あのさ、騎士団長サマ(笑)ってひょっとして他の『頂天者』からポンコツって言われてるでしょ。フツーこんなミスしないと思うんだけどね。...あぁ、『頂天者』って全員ポンコツ?まぁ、最初っから()()()にケンカ吹っ掛けてくる時点でお察しの通りって感じだよね~。」


教室は既に冷たい雰囲気になっていた。クラスの皆がこの剣聖サマ(笑)に冷笑する。シー先生は完全に心ここにあらずって感じだが。俺はこの状況で、クラスを盛り上げるために1つ提案をする。


「なぁ、皆。俺この前言った通りステータスとかいろんなモノいじれるんだけど、この騎士団長サマ(笑)(無能)どうする?」

「「「「「「全ステータス消す!!」」」」」」」

「おぉ...がっつり行くなぁ...まぁいいや、先にコイツに動かれると面倒だから、第24階梯(ジオクアドラ)Nerve destruction...っと」


俺はそう言って神経を無反応化させ、喉元の剣を抜こうとするも、


バチィッ!!


「痛っ...あぁそうか、騎士団の剣の使用権限持ってなかったな。『program』...全権限の取得。実行権限Admin.」

『権限の取得処理中....完了しました』


俺は権限を取得し、剣をするっと抜いてその場に捨てる。俺のその行動にギリギリ意識を保てているジョージは目を見開く。

俺は怯えるジョージを前に黒い眼差しでさらに口角を上げる。


「じゃあ、皆さんの期待に応えていこうかな。...『program』...このクソカス(無能)のステータスを書き換えろ(カイザンしろ)


int speed set = 0

int mp set = 0

int hp set = 1

int SchwertATK = 0

int SchwertMAG = 0

int SchwertDEF = 0

int SchwertMDF = 0


「はい、終わり。お疲れ騎士団長サマ(笑)....はい、次コイツにやって欲しいこと!!」

俺は一旦目の前の画面を消して、クラスの人達の方へ向き直る。シー先生はさっき画面に並んだ「0」の数に驚いて、へ垂れ込んでいる。そこへ一人の生徒が、手を上げて発言する。


「じゃ、じゃあ!!『ユニークスキル』とスキルを全部消してくれないか!?」

「おーけー、じゃあ、もっとゴミに変えていこうか!!『program』...このジョージ(無能)のスキルとユニークスキルを消し去れ(カイザンしろ)!!」

『ユニークスキルの該当項目667行目から998行目を削除完了。スキルの該当項目62行目から651行目までを完全消去完了(deleted)


「はい、これで完全文鎮化したけど...で?アンタはまだやんのか?騎士団長?」


俺はニコッと笑って、目の前のジョージを見下ろす。よくよく考えてみると今自分がやっていることは完全悪党と同じなのかもしれない。でも、悪党はどちらかと言えば評価中毒の方だろうな。

俺は取り敢えず立ち上がる。ジョージは「ひィッ!!」と悲鳴を上げる。


「よし、Extraの皆!!こいつを取り敢えず縛って校門前に晒しといてくれ、その時に近くに立札を立てて『私はEクラスの無抵抗な生徒を殺そうとしました』って書いておけよな!!」

「「「「「ラジャー!!」」」」」


そう言って声を上げて、クラスの人たちは徐にジョージを担いで走って行ってしまった。俺は教室に残ってその場でへ垂れ込んでいるシー先生に駆け寄る。


「大丈夫か、シー先生。」

「ア、アルフ君...さっきのは一体...?」

「まぁまぁ落ち着けって。この前言った通りのことだ。俺の『program』っていう『ユニークスキル』はこの世の生成、破壊、変換、要は原理自体関することに干渉できるモノだ。」

「では、先ほどのは...」

「ただ単に相手の情報を()()()()()だけだ。」


俺がニカッと笑っていうとシー先生は一つ深呼吸をして俺としっかり向き合い、言い放った。


「...アルフ君、あなたは一体何者なんですか?」

「....ん~、何者かと言われれば、ただの平民の子だし、魔力の制御がこの前まで出来なかった奴だし...なんなんだろうな?」

「そうじゃありません、あなたは前まで必死に何かを押さえつけているように見えました。...違いますか?」

「...っ!!....んなわけ無いよ。それは単にシー先生の見間違いだよ。考えすぎじゃないか?」


俺は話をそらすようにして、シー先生を起こし早々に席に着こうとした。が、シー先生は俺の服の袖をつかむ。


「...!!なんだよ、まだ何かあったか?」

「...なんだよ、じゃありません!!....どうしてそこまで自分を追い詰めるのですかっ!?」

「おい、泣くなってあんた先生だろ?別に俺の事なんて心配しなくてもいいのに。」


俺は若干引きながらシー先生の腕をそっと振り払う。俺は先ほどの参考書に復元魔術掛けて、また静かに参考書に読みふけるのだった。



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