第一章一幕
「じゃあさ、じゃあさ、留華は好きな人とかいないの?」
唐突な問に留華はドギマギしながら答えた。
「い、いるわけないんじゃん!突然何言い出すかな、美恋ちゃんは・・・」
「まあ、確かにそうだよね。うち女子高だしねー 女の子が女の子好きなんて変なん話だよねー」
美恋と呼ばれた白髪をポニーテールにした小柄な女の子はつまらなさそうに語り始めた。
「女の子が女の子のこと好きってそんなに変かな・・・」
「ん、留華なんか言った?」
「ううん、なんでもないよ。それより早くご飯食べちゃお、昼休み終わっちゃうよ。」
留華は午後からの授業はまったく頭に入ってこなかった。というのも、昼休みの終わりに母親から意味深なメールが届いたのだ。
「留華留華、すごいよ、すごいよ、一大ニュースだよ! 家族が増えるよー!」
とだけ書かれれていのだが、これでは留華には到底理解できなかったのでメールを返信した。
「家族が増える? どういうこと、お母さん子供でもできたの? それとも再婚でもするの?」
しかし、すぐに返答はこず、こうして悶々としながら授業を受けているのだ。
ぼーっとグラウンドで行われている体育を窓越しに眺めていると後ろの席の美恋が喋りかけてきた。
「どしたの留華。なんかボーッとしちゃってるけど、だいじょぶ?」
「あ、うん。大丈夫だよ。それより、よくボーッとしてるってわかったね。」
すると美恋は自慢げに鼻を鳴らし
「ふふん。私は留華のことならなんでもお見通しだよ。ま、なんか悩みがあるならなんでも話してね?」
「うん、ありがとね美恋ちゃん。とりあえずは自分でなんとかしてみるよ。」
「おう! イマイチなにがあったか分からずじまいだけど留華がそれでいいなら大丈夫だね。」
留華は友人の気配りに心が暖まったものの、母親からの不可解なメールの内容は未だに気になっていた。
その日の晩に留華は、あの少女と再開するとは微塵も想像していなかった。




