第40話
「チーズ牛丼特盛り、サイドでトン汁とポテトサラダにねぎキムチ」
「待て」
「待たない」
「サイドは聞いてない」
「言ってないからな」
「そんな金無い」
「頑張れ」
「ぐぬぬ」
「口でぐぬぬなんて言ってもダメ。払え」
「牛丼は聞いてたけどさ・・・」
「もうすぐテスト期間」
「払いまーす」
「よろしい」
牛丼とサイドメニュー含めて1200円とちょっと。
毎回テスト前に助けてあげてるからな、これくらいは払ってもらわなければ。
あと、夏休みの宿題は別料金だからな?
一緒にやるならともかく、俺のを写すだけとか許さないからな?
「鬼がいるな」
「ここから更に夏休みの宿題で取られるんだろ?可哀そう」
「夏休みの宿題は自分でやるものだろ。写させてやってるだけ優しいな」
「えー・・・あっ、嘘です嘘。大変助かっています」
他の奴ら、より正確に言えばよっしーとろー君からお小言が来た。
軽く睨んで黙らせる。
お前らも俺の宿題写す側だろ?
「全部写そうとするから金を取られるんだよ。俺みたいに分業でやれば金は取られないぞ?」
「休みなのになんで真面目に勉強しなきゃいけないんだよって思う」
「そもそも夏休みってさ、夏が暑くて勉強に集中出来ないからって理由で出来たんじゃなかったっけ?全部屋にクーラー付ければ夏休み消えるぞ?」
「マジ?クーラー欲しいって思ってたけど夏休み消えるくらいならいらねぇな」
「学校は貧乏だからな、未だに冷暖房器具無い学校が多すぎる。子供の集中力の維持の為にも勉強時の環境をもっと向上させるべきだよ」
「本音は?」
「夏は暑いし冬は寒い。もっと快適にしろ」
「それ俺ら以上に先生が思ってそうだよな。職員室はクーラー効いてるし」
「おらよ。なんで俺がお前ら全員分運ばなきゃいけないんだよ」
俺達が学校や勉強に対する不満を口にしている間、ずっと俺達の飯を運んでいたミッチー。
うむ、御苦労。褒めて遣わそうぞ。
「この程度で許してあげる俺優しい」
「一人だけ死んだよっしーが何か言ってるんだけどどうすればいい?」
「ミッチーが相手してあげれば?俺未だにノ―ダメだし」
「そう言えばそうじゃん!殺せっ!」
「ここ店の中だから大人しくしろ」
気付いたらいつも通りのテンションに戻っていたよっしーを弄りつつ、しれっとノ―ダメ宣言してみた。
案の定こいつは俺を殺そうとしてくる。
どうにかして先手を打ちたいな・・・。
あ、カイ君睨まないで?
店の中は大人しく食事するから睨まないで?
「そんなんどうでもいいからさ、あと、食べながらでいいから能力について話そうよ」
「まぁ、うん。ろー君からすればそっちが重要だからね」
「そそ、アッキーの奥の手とやらで何とかなるの?」
「奥の手?」
カイ君が食事の手を止め、疑問の声を出す。
いや、君知ってるでしょ?
「零さんにも見せた俺の必殺技のこと」
「あぁ・・・あれか。てか、何するつもりなの?」
「魔法使い用の能力あるじゃん?今現在見つかってるのは詠唱速度と燃費を下げる2種類だけ。ろー君が欲しい火力上昇系が見つかってないから俺らで探そうぜって話」
「そんな簡単に見つか・・・あー・・・まぁ、うん。なんとなく条件は分かる気がする」
「効果=条件みたいな所あるからね」
「現状はアッキーの奥の手?を使って試そうって話してる。奥の手を詳しく知らないから出来るのかは分からん」
「簡単に言えばHPとMPの無限回復手段を持ってるからそれを使うってだけ」
「アッキーのMP回復しても意味なくない?」
「ん?あぁ、お前補助系の魔法見てないだろ?MPやHPの譲渡系は結構掲示板に載ってるぞ?」
「ふーん・・・あっ!そういうことか。アッキーがMPを無限に回復して俺がそれを貰って魔法を使う」
「せやで・・・あっつ!トン汁美味いけど熱いな・・・夏に食うのはやっぱりミスか?」
「なら頼むなよ・・・俺の財布のことも考えてくれよ・・・」
後半はばれないように呟いたのにミッチーにばれた。
席は隣じゃないから大丈夫だと思ったんだけどな・・・甘かったか。
「好きだから夏でも食べる。冬のアイスと同じ理論だよ」
「分からなくもないからムカつく」
「ミッチーの財布はどうでもいいよ。アッキー帰ったらよろしくね」
「おうよ。あ、それでさ。ここに来るまでにちょっと思ったことがあってさ」
「ん?ふぁに?」
「口に物を入れてしゃべるな。適正レベル以上の存在を全MP消費してワンパンするってどうよ?」
「ごほっごほっ・・・それいいな」
「米飛ばすな!汚い・・・最悪」
カイ君、ごめん。
いや、うん、これは謝るしかないな。
「ごめん。ここまで驚くとは思わなかった」
「ごめん。ちょっと興奮した」
「ちっ・・・まぁ、丼にちょっと付いたくらいだから許すけど・・・次は無いぞ?」
「「うっす」」
よかった。
そこまで怒って無かった。
これで何かしら奢れとか言われたら完全なとばっちりだったからな。
「んで?俺らの格上ってどこにいるの?」
「次の街に行けばすぐ出てくる。結界超えた先は全部15レべ以上しかいない」
「マジか。一気に上がってる・・・森の奥のことを考えればそこまで急上昇してないな」
「プレンウルフしか戦ったことないカイ君からすればめっちゃ上がってるけどね」
「プレンウルフ?あの狼の名前?」
「そう言えば魔法持ってないから鑑定出来ないのか。プレンウルフにプレンラビット、そしてウィザードキャットの3種類が最初の平原にいるんだよ」
「プレンって何だっけ?脳みそ?」
「それブレンな。お前ゲーム関連の用語なのに分からないとかやばいぞ?」
「ちょっと待って。今思い出す」
ミッチーがアホなことを言い出し、真剣な顔して悩んでいる。
どうせ無理って言うと思うから無視してご飯食べるか。
「分からん。教えて」
「直訳すると簡素って意味。ゲームとかだと何もない、つまりは特殊な効果を持ってないって意味になるな」
「へー・・・ってことはあの狼とウサギは特に変な能力持ってないのか」
「お前は今まで倒した狼の能力くらい把握しろよ」
「お?よっしーは把握してるのかな?」
「え?あー・・・えー・・・噛みつきとタックルとひっかくくらい?」
「うん・・・まぁ、いいんじゃない?そこに連携攻撃が入ってれば文句なしだったね」
「あーそう言えばそんなこともしてきたね。忘れてた」
「一番やっかいなのを忘れるなよ・・・。猫の方はあれだね、簡単だし説明はいいか。これから先、敵の名前?正確に言えば種族名が結構な情報を持ってるから鑑定使える魔法使いは結構重要なんだよ」
「相手の能力の有無とか種類が分かるのは重要だな。ろー君は絶対に使わないとしてアッキーとカイ君は持ってるの?」
「持ってなければどうやって名前を知ったんだよって話だけどな」
「掲示板見たとか?俺もアッキーも持ってるから安心しろ」
よっしーも若干変な質問してくるな。
そもそも、俺らがお前らが絶対にやらないけど必要な要素を取り逃してると思ってるのか?
このメンバーでPS以外じゃ詰まないように色々と考えて動いてるからな?
「あ、掲示板で思い出した」
「なに?」
「ストーリー?グランドクエスト?名称はよくわからんけどそれって存在しないの?全然話聞かないんだけど」
「そう言えばそうだね。俺も見たことない」
「そもそも俺は情報収集してないからな、知ってるはずない」
ミッチーの一言によっしーとろー君が同意する。
これちょっとやばいな。
カイ君を見るとマジかよって顔してる。
知ってるのは俺とカイ君だけだな。
「公式サイトに全部書いてあるしそもそも俺らまだチュートリアルだからね?」
「「「は?」」」
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