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第31話

お昼ご飯を食べ終え、再度ログインする。

時間を確認すると13時36分・・・うん、予想通りの時間だな。

軽く黒猫を探すと、何かしらの飲み物を飲みながらこちらに手を振っていた。


「うっす黒やん、早いね。何飲んでるの?」


「うっす白やん、飯落ちが早かったからね。飲み物はあれだよ、あれ。スポンサー様の商品」


「ああ、あれか。そう言えばそんなのもあったね」


このゲームは本体が10万円もするお高いゲームだ。

ただし、ゲーム自体は無料で遊べる。

飲食系の企業がスポンサーになっているから基本無料で遊べるのだ。

なぜスポンサーがいるのかと言えば、VRゲームでは味覚や嗅覚が再現されている。

そのため、飲食系の企業がスポンサーになることが多い。

例えばお茶を買えばスポンサー企業が販売しているお茶の味になり、調味料を買えば現実と同じパッケージに入っていたり、調理用器具が現実と同じになっていたりだ。

ゲームの中で実際に試してもらい、現実での購買意欲を高める・・・らしい。

俺は実際に買ったりしないけど、スポンサーになった企業の売上が無視できないレベルで上がったりしてるらしいから結構な効果が出てるとのこと。

まぁ、無料で遊べる以上、スポンサー企業の商品を選ぶ理由の一つにはなるな。


そして今黒猫が飲んでいるのがスポンサー様の商品である紅茶だ。

運営も適度にスポンサーに媚を売る為、クランホームに初期配備されている飲み物を商品に固定している。

しかも取得経験値1%上昇という地味に役に立つバフが貰える。

効果が1時間で上昇率が1%と微妙だけど好評だ。

序盤で経験値が多く貰えるのは誰だって嬉しいからな。

なお、俺は紅茶が飲めない為効果の恩恵を受けていない。


「紅茶以外が実装されたら飲むわ」


「ストレートにミルク、レモンに期間限定系・・・より取り見取りですな。あの会社って別の飲み物出してたっけ?」


「知らないし出してたとしてもここに無いなら意味がない」


「それな。んで?午前中はどうだったの?」


「ジャマーとしての考え方や立ち回りとかを聞いた。考えることが多くて頭痛い」


「例えばどんなの?」


「相手が何をしようとしているのかを考え、一番されたくないことをし続ける。複数いる敵の動き全てを読んで、同邪魔するかを一瞬で考えて行動に移す」


「無理じゃね?」


「普通に考えれば無理だね。ただ、核となっている部分を潰すことが重要らしい。例えば俺と黒やんが戦う場合、近付かれたら負けだろ?けど、近付かれなければ俺が圧倒的に有利に戦える。だから、邪魔をするのは俺への接近と遠距離攻撃の二つのみになる訳だ」


「俺は近接職だから近付こうとするわな」


「この時に相手の進行ルートを制限すれば行動がほぼ確実に読めるようになる。目の前に壁があれば迂回するか飛び越える。こっちが遠距離職だから飛び越えることない。じゃあ右か左かを読むだけでいい・・・とかね。タイマンなら勝ちが薄いけどPT戦ならこれだけで一時的にだけど一人戦線離脱になる」


「んでその間にこっちが攻める・・・か。行けそう?」


「邪魔に専念し過ぎて棒立ちしてます」


「ア ホ す ぎ る」


黒猫が大爆笑してるけど、これはしかたないと思ってる。

敵の動きを予想して、味方の動きを予想して、味方の邪魔にならないように敵だけを妨害する。

ここに自己防衛を入れろって言われてもそんな余裕はない。

無意識下で行動を選択できるように身体で覚えるまでは糞雑魚の汚名を我慢するしかないのは理解してる。

火力のない固定砲台で、味方の邪魔をするとか存在価値がないからな。


「あー笑った。けど、それを出来るようになればトッププレイヤーじゃん」


「出来ないから一般以下なんだけどねー・・・まぁ、この先もVR系のゲームやるつもりだし、ここで基礎になるPSを鍛えるのもいいかなってさ」


「それはありだろうね。さて、移動しますか」


「お前の紅茶飲み終わり待ちだったんだけどね」


「さーせん。のんびり飲みたかった」


「謝る気無さ過ぎだろ」


飲んでいた紅茶を片付ける黒猫に文句を言いつつも、零さんに集合場所に向かうことを連絡する。

片付けが終わったのとほぼ同時に返事が返ってくる。

特に問題も無いとのことで、集合場所に移動する。


「やぁ」


「どもども」


「白やんのついでとは言え、俺も教えていただきありがとうございます」


「いやー堅苦しいからそう言うのは抜きでお願いね?半分仕事とは言え、ゲームだからさ、ね?」


「一応教えてもらう立場なので最初と最後だけは礼儀正しく行こうかなーってだけなので後は普段通り行きますよ」


「そっか、ならいいや。じゃあ、少し早いけど移動するよ?」


「了解です」


午後は連携練習をする・・・ための練習だ。

零さんに一から十まで全て教えてもらってたら寄生になるからな。

何を意識するのか、どう動くべきなのかなどなど、基礎基本を教えてもらう。

後は、自分達で試行錯誤していくことになる。

・・・昨日の戦闘を思い出す限りは難しいと思うけどな。


「あ、白やん。ちょっと聞きたいことがあるんだけどさ」


と、他事を考えながら移動していると黒猫から質問が飛んできた。


「ん?なに?3サイズなら四捨五入して上から100 100 100だよ」


「四捨五入する位置がおかしい定期。今レベルはどんな感じ?メインだけじゃなくてサブとかも」


レベルか・・・。

いつもはメイン・・・メイン戦闘職のレベルのみを答えている。

因みに、サブ職業はメイン職業の半分までしか育たない。


「メインの銃使いが10でサブの魔法使いが4、生産系は鍛冶師が1、錬金術師が3で料理人が5」


「鍛冶師はしょうがないとして・・・生産系がなんか微妙に育ってるね」


「錬金術でちょっとしたオリジナルレシピを作ってさ、それが原因で一気に上がった。なお品質が低くて効果が微妙。料理はあれ、バフ狙いと調理器具の練習で何回か作ってるから」


「オリジナルか・・・効果が微妙ってことは一応成功?」


「あれは間違いなく成功だね。あれの完成品が作られたなら欲しいくらいだし」


零さんも欲しい魔力弾。

俺は使いこなせないし使いこなせる気もしないからレシピをあげちゃってもいいかな?


「マジか・・・零さんが欲しがるって結構凄いんじゃないの?」


「んー・・・効果が微妙って言っても使い方次第でかなり強力になるんだよ。ただ、使いこなせる人がいないんじゃね?ってレベルで難しい」


「少し練習してみたけど、あれは難しいね。戦闘時にどれくらい残ってるのかも確認しなきゃいけないけど、そもそも魔樹弾が高いのがね・・・練習にしては痛い出費だ」


「練習は通常弾で・・・あー・・・弾によって違う可能性があるのか・・・これも検証が必要・・・めんどくせぇなぁ・・・」


「魔樹弾って木が生えてくるやつだっけ?てか、俺が聞いても大丈夫なの?」


「説明するわ」


3人の中で午前中別行動していた黒猫に魔力弾について説明する。

その際にきちんと運用の難しさも説明する。

これはきちんと説明しないと変な期待を背負うことになるからな。


「なるほどね・・・戦闘中に設置罠を仕掛けるか。どこに仕掛けたとか覚えれる気がしないし当てれる気もしない」


「俺は100パー無理だな。零さんにレシピ売って諦めようかなって考えてるレベル」


「お?売ってくれるのかい?俺は錬金術師持ってないけどアルケーが持ってるからね。買うよ?」


「あ、いいんですか?まだまだ品質向上の為の改良してないんで取っ掛かりレベルのレシピですよ?」


「ああ、問題ないよ。彼女はアルケミストから名前を取るくらい錬金術が好きだからね。逆に燃えるだろう」


やっぱりアルケーの由来はアルケミスト・・・錬金術関連か。

自分の好きなものから名前を取る人はその道を極めようとしてる変人か変態のどちらかだろうからね。

逆に燃えるって言っている以上、変人に分類される人なんだろう。

言わなくても分かると思うけど、俺と黒猫は間違いなく変態に分類されます。

ちょっと傷付く・・・。


「弾の売却値が確か300円だったので・・・えー・・・レシピを売る場合は10倍以上にするのが原則でー・・・えー・・・あー・・・オリジナルだから更に高くならなきゃいけなくて・・・えー・・・でも改良の余地があり過ぎるから値段を下げて・・・いくらにするのが正解なんだ?」


「キリよく5000円・・・いや、使いこなせなくても話題性で色々出来そうだからね。更に10倍の5万円でどうだい?」


「や、消耗品の場合は100倍になるから」


「あれ?そうなの?なら5万スタートになるのか・・・あんまり出すと怒られちゃうからね。倍の10万円で」


「俺は使いこなせないんで5万でも大丈夫ですけど・・・いいんですか?」


「話題性ってのは結構必要なんだよ。だから問題ないよ」


「なら遠慮なく・・・ありがとうございます。これで工房がより使いやすくなる」


「尻尾が邪魔だからね、大きくしないと」


「壁が邪魔だからね、部屋は大きく作らないと」


「壁が邪魔・・・っくくく・・・面白い表現だね」


誰になんと言われようとも、尻尾が邪魔とは認めない。

暇潰しでの街中探索で裏道に入れなかったりしたけど、絶対に認めない。

道が狭いのが悪いのであって、俺は悪くない。

一緒にいたクランメンバーが大爆笑してたのはムカついたけどな!!


「それにしても・・・やっぱり新しい層が入ってきたのはいいね」


「新しい層?・・・・・・あーあれですか?安くなったから今まで買えなかった人が増えたってことですよね?」


「そうそう。今まで高かったからどのVRゲームでもよく見る人しかいなかったんだよ。だからね、作る物や戦い方がある程度固定化されちゃったんだ。VRだと仲間にも攻撃が当たるから弾を撃って回復させようって発想が消えちゃうんだ」


「あー・・・俺は完全に他のゲームの感覚で出来るだろ!って作ってましたね。仲間に撃った時に痛いって言われてそう言えばVRだとダメージ出るじゃんって思いだしたレベルですし」


「ああ、灰虎痛そうにしてたもんな。自業自得だけど」


「ふふっ、そう言うこと。昔からやってる人ほどVRの固定概念が出来てるからね。君たちみたいな新しい層が作る物には期待出来るんだよ。魔力弾みたいにね。だから、ボランティア半分、新しい発想に期待半分で練習に付き合ってるんだよ」


「ダメ元で頼んでおk貰ったのはそう言う理由だったんですね。なんか裏あるのかってちょっと勘繰りましたよ」


「実際は裏があったし、利益が出たから目論見通りって感じだね。今後ともよろしくって意味も合わせてちゃんと勝ちに見合った利益は渡すから安心してね」


「そこは信頼してるので大丈夫ですよ。寧ろこっちからすればプロで攻略組トップに教わる以上は何かしら払わないと後から何か言われるんじゃね?って思いますから」


黒猫は真面目だな。

流石、俺達の中で一番の常識人であり苦労人だ。


「あ、俺はあれです。思い付いたけど実現できないのは押し付けようかなって思い始めたんで、こっちからも今後ともよろしくですって感じです」


「ははっ、それくらいお安い御用さ。白狐さんの名前もきちんと売ってあげるよ」


「目立ちたくないんでそれはちょっと・・・」


「俺が言えたことじゃないけどさ、ちょっと鏡見て来い」


「ぷっ・・・くくく・・・その見た目で目立ちたくないは・・・くくくっ・・・ありえないね」


「見た目だけなら粘着系が出ないだろ?けど、攻略組トップが採用するようなものをいくつも出すとか絶対変なのに粘着されるじゃん」


「ああ、確かにそれはあるね。その目立つが嫌な訳か・・・うん、納得だ」


「逃げようにも見た目ですぐにばれるからな・・・そう考えると俺もちょっと危ないな」


「だろ?有名プレイヤーだけど、特に交流する必要がないってポジションから動くのはね・・・」


「粘着系はめんどくさいからね・・・そこら辺はきちんと配慮するよ。さて、ここら辺でいいかな?連携練習を始めようか」




個人的によく使うネタ


身長や体重を聞かれた時

 四捨五入して、身長は0mで体重は100kg、3サイズは上から100 100 100だよ


友達の誕生日

 お爺さん(お婆さん)、誕生日は去年祝ったでしょ?いやだわ、もうボケたのかしら


他にもあるけど、この2つは特に気に入ってます



次の更新予定日は 10/27 0:00です

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