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第24話

「レべ上げ金稼ぎクラン作る、以上」


「もうちょっと細かく考えろよ」


「リーダーは方針を決めるだけだろ?後は任せた」


「キレそう。レベル上げは現段階で15まで上げる。これは次の街に行くための条件を満たすため、問題ないな?」


4人の顔を見ると、全員が頷く。


「レベルの上げ方については、各自自由に上げること。理由としてはまだVRでの戦闘に慣れていないこと、今後の方向性をきちんと決めるためだ」


「連携は?」


「個人で戦えないのにPT連携が出来るとでも?後ろから攻撃されてもいいなら連携練習してもいいぞ?」


「俺、ミッチーに後ろから撃たれたわ」


「ちょ、それは連携不足じゃないの?」


「移動しながら移動してる敵に当てることが難しいって言ってる人と連携練習?」


「それ確かに嫌だわ。個人練習でレベル上げに賛成」


「んー・・・後ろから撃たれるのは怖いからなぁ・・・個人練習賛成」


よっしーとカイ君が賛成する。

この二人は前衛だからな、常に後ろから撃たれる可能性がある以上嫌だろ。


「で、方向性って言うのはあれだ。カイ君が今疑似タンクの練習してるじゃん?このままタンクになるのかアタッカーになるのかとか、今のうちにある程度の方向性を決めようって話」


「あー・・・VRでタンクって思ってた以上に大変でさ、メイン盾は多分無理だ。全てが足りない」


「マジか。俺タンクなんかやったことないから無理だぞ」


「よっしーもか・・・どうする?」


「俺にいい考えがある」


俺の発言に全員がこっちを見る。

これは俺達らしく、それでいてタンクがいない問題も解決できるはずだ。


「短期決戦型PTを提案する。メインアタッカーをよっしーとろー君、サブアタッカー兼時間稼ぎ用盾でカイ君、ジャマー兼サブアタッカーにミッチー、ジャマー兼バッファーに俺」


「辛くない?てか、ヒーラーは?」


「いらんだろ。どうせろー君のMP切れの方が早い」


「わかる」


「いや、ろー君が分かっちゃダメだろ。でも、わかる」


「基本的によっしーが突っ込んで、カイ君がフォロー。ミッチーと俺で調整しつつろー君がパなす」


「ミッチーに調整とかできる?」


「遠距離攻撃する敵に攻撃したり、弓の範囲攻撃で削ったりだぞ?それくらい出来なきゃいらん」


「あー・・・魔法の詠唱阻止役ってこと?」


「正解。俺だと点での攻撃しかできないからさ、詠唱妨害は厳しいんだよね」


「把握したわ。俺はこの布陣に賛成」


「俺ジャマーしかやっちゃダメなん?」


「詠唱妨害を優先するだけで余裕があるなら攻撃していいぞ」


「なら問題ないな。賛成」


「フィニッシャーだろ?任せろ、ド派手に決めてやるよ」


カイ君は無言で、少し不安そうな顔をしつつも頷く。

これでPTとしての方向性はある程度決まったかな?

あとは、この形に出来るように個人個人で練習あるのみだ。


「じゃあ後は個人で練習だな。役割をある程度こなせるなら方法は問わないって感じでオナシャス」


「うい。練習してれば金は溜まるだろうし、クランは全員が15レべ超えたらでいいか」


「んで、クラン作ったら連携練習して、次の街に行く試練を受ける・・・これでしばらくの目標は問題ないかな?」


「問題なーし」


「なーし」


ミッチーとろー君のアホみたいな返事を聞きつつ、カイ君が頷く。

カイ君がしゃべらないと思ったらクッキー食ってるし。

俺の分は?


「こっち見んな。お前らの分はないぞ」


「キレそう」


「手作り?」


「コンビニ」


「ならいいや。女子の手作りなら殺してでも奪い取る」


「俺が貰えるとでも?」


「それ悲しくない?」


不毛な争いだな。

俺は結構貰ったりしてる。

いやまぁ、うん。

完全な打算で渡されるんだけどね・・・。


「アッキーはいいよな。女子とデートしたり女子からプレゼント貰ったりしてさ」


「代わる?」


「センスないから無理」


「俺も無理だわ。そのセンスくれ」


「勉強しろ」


一言で言えば、俺はファッションセンスがある。

母親がファッション関係の仕事をしていたため、その手の知識を小さいころから叩きこまれたからな。

自分で作るセンスはないけど、その人に合う服やアクセサリーを選ぶことはかなり得意だ。

だから、クラスの女子や妹の友達に服選びで拉致・・・連れまわされることが多い。

これを女子とのデートと、他の男共は言うけどさ、俺は接待だと考えている。

好きでもない女子の買い物に何時間も付き合わされ、休日が潰れる。

どっちが似合う?って聞かれて、正直に答えると不機嫌になる。

どこがデートだよ、ふざんけんなよ。


「・・・俺、アッキーのデート見たことあるけどさ・・・俺はあんなデートは嫌だな」


「・・・え?いつ、誰との接待を見たの?」


「そこそこ前に知らない女子とで・・・確かやや茶髪で肩より下くらいの長さだった気がする」


「茶髪で肩よりやや下くらいの長さ・・・あー・・・ミッチーが見たのはあれか。わかった」


「どんなん?」


「あれを見て彼女作るのちょっと悩むレベルだった」


「・・・アッキー詳細」


「あー・・・うん、了解。えーっと・・・」


妹が友達に頼まれ、断ることに失敗した結果、俺が買い物に付き合うことになった。

夏物の服を買いたいとのことで、どんな服がいいのか聞くと・・・


大人の女性っぽい色気を出したい・・・けど、足やお腹は出したくない、なんとかしろ。

落ち着いた色の服を渡すと可愛くないと言われ、肌の露出が多い服を選ぶと日焼けしたくない。

鎖骨や胸元をアピールするのも嫌だ、髪型を変えるのも嫌だ。


と、かなりの我が儘を言う。

流石にね、妹の友達だからってこの我が儘はないだろ。

かなり我慢して3時間くらい買い物に付き合い、最終的には


「思ってたよりもセンスないね、これなら自分一人でこればよかった」


だ。

これは誰だって怒るレベルだ。


「・・・こんな感じかな?ミッチーが見たデート現場ってのは」


「ないわー・・・」


「お前それで大人しく帰って来たの?」


そっと顔を逸らし、無言で返す。


「・・・こわっ」


「何したん?めっちゃ気になる」


「そいつの家に乗り込んで親に「お宅のお子さん、頭大丈夫ですか?」って聞いたあとに、接待費用を請求した」


4人が爆笑する。

普通に考えたらこんな手を使わないからな、笑うのは分かる。


「え?接待費用請求?え?金貰ったの?」


「うん。だって俺、親のコネとは言え雑誌でコラム書いてたし、一応プロだから金を請求するのは当然だろ」


ちなみに、俺が書いたコラムの内容は初心者向けファッションアドバイスで、

『緩い感じ好きなのか、固い感じが好きなのか、好きな色は派手なのか地味なのか・・・などなど、色々な観点から自分が好きな系統・ジャンルに気付こう』

を、約8週間雑誌に掲載した。

おしゃれに気を使い始めたけど、どうすればいいのかわからないって初心者をターゲットに書いた結果、きちんと反響があり、売り上げにもそこそこ響いたらしい。

ネタがあればまた書いてくれって言われる程度には結果を残せたな。


「まぁ、あれだな。どれだけ理不尽なこと言われて、こっちはどれだけ頑張って対応したかをきちんと説明し、かなりイライラしてますってアピールして迷惑料を請求したんだよ。で、その子はお小遣い1年なしになってかなり俺に怒ってたね」


「大丈夫なの?復讐とか」


「妹の友達だから中学生だよ?学校で色々喚いてたらしいけどさ、妹が事実をバラしてそいつが悪いって満場一致になったらしい」


「あー・・・お前の妹強いもんな、物理的に」


合気道でなんか有段者?らしい。

段があるのかとか、大会がどうとか詳しくは知らないけどそこそこ有名とのこと。

俺が弱い訳じゃないからね?


「俺妹に喧嘩負けるからなー・・・なんであいつ合気道なんかやってんだろ?」


「俺らが知る訳ないじゃん。てか、羨ましいって思ってたけどさ、お前って結構苦労してんだな」


「まぁな・・・ってやべっ!次移動教室じゃん!」


「え?あっ!弁当片付けなきゃっ」


「急げ急げ!ここで遅刻すると補習が追加されるぞ!」


最後は少し脱線したけど、今後の方針は決まったから問題なしかな?

あ、でもあれだな。

このゲームでの最終目標を聞いてないな。

VRだと戦闘技術はそこまで磨けないし、やりこみもそこまでできないからな・・・。

そこそこだけどのめり込める目標を作らなきゃな。




主人公が話してる接待は友達の友達が実際にあったらしいです。

俺の友達がこんなことあったんだよーって話を思い出しながら書いてるので若干違うと思います。


余談ですが、上記の話をしてくれた友達がファッションに詳しい友達にファッションの相談をした際に、

店員と話すのが恥ずかしいと言ったらこう返されたそうです。


「コミュ障がオシャレ?最低限の服着て会話磨くのが先だろ」


別に私の心は抉れてないよ?

ホントダヨ?


次の更新予定日は 10/06 0:00です

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