第23話
「はぁ・・・ようやくゲームがやれる・・・」
学校、昼飯を集まって食べ始めるとよっしーが唐突に言い出す。
昨日の時点で補習が終わったらしく、今日から復帰らしい。
ごめんね?俺がのんびりやりたいことやりたかったから補習確定コースに追い込んで。
「その発言何回目だよ」
「何回でも言うわ!お前が変なこと言うせいでゲームやれなかったんだぞ!」
「宿題やらずにゲームやってた奴に言われたくないな。自業自得だろ」
「そうだけどさ・・・いや、そうだけどさ・・・」
「俺は悪くねぇ!」
「その発言何回目?」
「覚えてない。けど、気にいってる」
「ふぉおいべばさ」
「汚い。食べ終わってからしゃべれ」
やっぱりアホはアホだな。
人に迷惑をかけるアホはダメだよ。
「ん・・・ふぅ。まとめとかしか見てないんだけどさ、今どんな状況?」
「一部攻略組が次の街に行った。俺がクラン作った。実はまだレベルが5」
「は?説明しろ」
「あー・・・次の街に行く条件が判明、条件を満たしてる人達が移動開始。条件はレベル15でギルドで戦闘試験を受けるだけ」
「個人?PT?」
「どちらでも可」
「なら俺ら5人で受けようぜ」
よっしー・・・。
お前って奴は意外にリーダーっぽい発言できるんだな・・・。
ちょっと驚いたよ。
「俺らが今10レベだから・・・明日くらいにはいけるだろ」
「俺5レベルって言ったよね?聞いてた?」
やっぱりこいつもダメだったわ。
一瞬でも期待した俺がバカだったよ。
「頑張れよ」
「不健康な生活リズムはNGなんで」
「真面目だな」
「家庭環境があれだからな、どっちかが倒れるとかなり大変」
「あー・・・妹と二人だっけ?忘れてたわ」
「せやで。来週は俺が当番だからプレイ時間が約半分になる予定」
「マジかー。結局あんまり一緒にやれない感じか?」
「どうだろう?途中で落ちるけどすぐ復帰する感じになると思う」
「出張だっけ?家事とかめんどいだけじゃん」
「めんどくさいのは否定しないけどさぁ・・・あれだよ?何時間ゲームやってても文句言われないんだぜ?最高じゃん。それに勉強しろとかテストの点はーとか何にもないからな」
「あーそれは確かにいいかも。てか、そんなことはどうでもいい。クランって何?」
ちっ。
話を上手く逸らせたと思ったのに・・・失敗だったか。
いや、そもそもの失敗が今話したことか?
何時かはばれるから先に言った方がいいと判断したけど・・・まぁいいか。
「俺の尻尾あるだろ?あれ関係で作った。一応俺がマスターだけどほぼお飾り。クランの活動内容は愛を語る」
「なんかあれだな。クラン名は?」
「獣亜人愛好同好会」
「愛好会なのか同好会なのかどっちかにしろよ」
「色々な意見が出たから全部足して割ったらこうなった。俺が決めた訳じゃない」
「ふーん・・・まぁ、いいか。俺らのクラン作る分の金はあるの?」
「手持ちは400万ちょっと」
「意味がわからん。なんでそんな持ってるの?盗み?」
「殺すぞ。まとめに罠猟あったろ?あれの発見者俺で荒稼ぎしてから公開した」
「マジかよ・・・え?どうするん?クラン作っちゃう?」
「お前ら金あんの?」
「俺は13万」
よっしーは一応覚えてたのかそこそこ溜まってるな。
「俺?5万。だけど武器買いたいから消える予定。武器代かクラン代どっちか貸してくれるか狩りの手伝いをしてくれるなら問題ないぞ」
まぁ、ろー君は火力特化のロマン型だからな、しかたない。
こいつはロマンに走ること以外はまともだから信用していいだろう。
「・・・・・・」
「こっち見ろよアホ」
「昨日使ったのでないです・・・武器・・・安かったんですよ・・・」
「さっきも少し思ったんだけどお前ら補習受けてたんだよね?なんでゲームやる時間あんの?」
「睡眠時間を削ってる。けど、遅刻すると補習が増えるから1時間ちょっとしかやってない」
・・・やっぱりアホ共はアホだったな。
ゲーム内とは言え、金を貸すのはあんまりよろしくないから・・・どうしよう。
「あー・・・あれだ。アッキー、零さんに色々教わる予定だろ?こいつらも連れて行けばいいだろ」
「迷惑だろ。誰がなんと言おうが、迷惑だろ。特にそこのアホ」
「誰がアホ・・・いや、そんな睨まないでよ・・・反省してます・・・」
アホの戯言を睨んで阻止する。
クラン作るから最低でも2万は手元に残せよって言われてたのに残さなかったのはアホだろ。
「てかさ、今日の夜と明日の午前中に狩りして稼げばぎり足りるだろ。最悪日曜に作ればいいし」
「よっしー・・・。そ、そうじゃん!今すぐ作る必要ないじゃん!なんで俺が怒られなきゃいけないんだよ!」
よっしー、そこでアホが元気に反論できる理由を作るなよ。
うるさいじゃん。
「確かに今すぐ作る必要はないな。けど、作らない限り俺らがお前らと一緒に行動する理由がほぼないって理解してる?」
「え?リア友だからってだけで充分だろ」
「リア友よりも尻尾を笑わない人の方がいいなー」
「・・・笑ったの謝ります」
「それにさー、俺のクラン、設備が結構凄いんだよね。初期投資600万だぜ?600万」
「カイ君ウソでしょ?」
「んー・・・俺もそのクラン入ってるし実際に中見たけど、それくらいの出資額はあるだろうね。それに、似たような趣味の人しかいないし、結構居心地がいいんだよね」
わかる。
学校だと色々語ろうとした瞬間に逃げられるんだよね。
あのクランの人達なら語り合いができるし、コレクションの見せ合いもできるからな。
「やべー。今調べたけどそのクラン?なんか人数とホーム規模が一番らしい。公式に載ってる」
「知ってる」
「マジ?見せて・・・何この規模、やばくね?」
「いいだろ?てかさ、お前らログインしてたならなんで知らないの?」
「ログインしてすぐ狩りして即ログアウト生活だったから。情報収集はやってない」
「ほーん、で?今まで聞いてこなかった理由は?」
「やれないのにゲームの話聞くとか拷問かよ」
「めっちゃ話しかければよかった」
「死ね」
まぁ、でも、このくだらない会話は好きだな。
何の気兼ねもなく、バカなことを一緒に出来るのは大事だ。
「はっはっはっ・・・はぁ。で?クランはいつ作るの?一緒にやるんなら時間決めたりする必要あるだろ?」
「なんだかんだ言いつつもきちんと合わせてくれるアッキー優しい」
「このゲームってブラックリストあったっけ?」
「待って」
「待たない」
「唐揚げ1つ」
「わーい、許す。おいひぃ」
「俺の昼飯・・・。とりあえず今日の夜狩りして金稼ぐわ。でー足りなかったら明日も狩りする」
「頑張れ。カイ君、俺らどうする?」
「んー・・・連携の確認?俺、色々と魔法作ったからさ。戦い方もちょっと変えたし」
「マジ?何個作ったん?俺11個」
「多くね?6個」
「まだ2個しか作ってないんだけど」
魔法の話になった瞬間、ろー君が入ってきた。
てか、まだ2個しか作ってないのか。
「カイ君は予想通りだけど、ろー君は意外に少ないな」
「作る時間がなかったのもあるけど・・・、そこまで思い付かなかった」
「あー・・・あ、あれだ」
「どれ?」
「めっちゃ面白い魔法があるんだけどさ」
「ほう?火力ある?ロマンは?」
「ある。前提魔法って呼ばれてて、先に使った魔法を利用する魔法」
「・・・・・・?」
小首を傾ぎ、わからないと言う顔をする。
可愛い女の子がやってたら心に響くけどこいつ男だからな・・・。
「火の玉を作る魔法と火の玉を大きくする魔法と火の玉を打ち出す魔法の3つ用意するだろ?数は1つ目の魔法で調整、火力は2つ目で調整できるってこと。簡単に言えば魔法を分けることにより、低燃費で高火力が出せる」
「最強じゃん」
「だろ?俺の魔法を1つ教えよう。【親火】って魔法で、時間経過で火の玉が増えるんだよ。で、火の玉単体は低火力だけど爆発属性を持ってて、連鎖爆発する」
「・・・俺がそれを利用して超高火力魔法を作る!合体超魔法!ロマンじゃん!やべぇ!」
「だろ?掲示板でこの手の話は結構出てるからさ、俺も汎用性高そうなの作ったんだよ」
「なんで【親火】って名前なの?」
「狐が怪火を操るのは当然だろ?」
「つーことはあれか。お前火属性以外は無い感じ?」
「失礼な。回復とか火以外の奥の手はちゃんとあるぞ?」
ただ、11個ある魔法の内、6個火属性だけどな。
しかも直接の戦闘能力は低いって言うおまけ付きで。
「ん?やべ、昼休みもうすぐ終わるじゃん。とりあえず、今日明日明後日の予定決めようぜ」
怪火
原因不明の火が現れる怪異現象。
野火
土佐国(現・高知県)の長岡郡に伝わる。山中や人里を問わず出現する。
傘程度の大きさの火の玉が漂って来たかと思うと、突然弾けて数十個もの星のような光となって地上から高さ4,5尺ほどの空中に広がり、ときにはその範囲は数百間にも渡る。
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