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第22話

どこまでも広がる草原が見える。

別の方向を見ればとても大きな山と、その麓にある大きな森。

更に別の方向を見れば湖があり、その更に奥に見える荒野。

そして後ろを見れば少し古く感じる木造の家。


うん、作りすぎた。

いやね?言い訳をするならあれだよ。

草原とか湖とか山とか森とか全部安かったんだよ。

設置費用はそこそこ掛かったけどさ、拡張費用がかなり安かった。

だから資金の許す限り広げた。

その結果、クラン用の空間だけで1個の世界ができた。

空間内専用転移陣は設置してないから、端から端まで移動するのにかなり時間がかかる。

狐用に色々と弄ってある山から荒野に行こうとすれば・・・森の中の移動も含めて3時間くらいかな?

エルフ好き組が森を迷いの森にしたいって言い出して迷いやすい地形にしてたからな、距離だけなら1時間くらいなのに2時間近く必要になる。

こんな感じで皆が楽しくなって色々とやりすぎちゃったんだよ。

お金は皆で出し合って、足りなくなったら罠を利用した動物狩りをして。

その結果がこれなんだよ。


「つまりは作ってる間に楽しくなってきたと?」


「イエス、ボス」


「ボスはあなたでしょ?白狐さん」


「うっす」


「反省してる?」


「正直に言えばまったく。まだドワーフ組の炉が完成してないし鉱山っぽい山はあっても坑道がなかったりとやりたりない部分がいっぱい」


「はぁ・・・先が思いやられる」


はい、今俺は正座させられ、怒られています。

クランマスターは俺です、が、サブマスターは何人かいます。

その一人であり、このクランの資金面での運営を担当してくれるお方、ククロさん。

生粋のもふリストであり、リアルではペットトリマーをしているらしい。


で、なんで怒っているのかと言えば初期投資金額が凄いことになっているからだ。

最初は皆でお金を出して、合計300万円くらいで小さいスタートをしようって話になっていた。

実際は一部の幹部組が暴走し、合計600万円以上使ってスタートした。

そりゃ資金面の担当を任された人からすれば何があったと怒るのは当然だ。

正座してるのは俺とサブマス2人とエルフ好き2人の計5人。

誰一人反省していない。


「反省してる人挙手」


ククロさんの言葉に誰一人手を挙げない。

知ってた。


「説教が終わったらまた改築しようとしてる人挙手」


全員が手を挙げる。

お互いに顔を見合わせて、ですよねーって顔をする。


「白狐さん、お金周りの権限を私のみ許可に変更してくれ」


「嫌です。そうすると俺の所に全部来るのが目に見えます」


「・・・・・・白狐さんの許可は?」


「クランマスターは許可を消せないです」


「・・・・・・・・・」


「もう充分目立ってるので諦めてあと1週間は自由にすべきです」


「そうだそうだー」「まだ迷いの森が完成してないんだぞー」「世界樹とか作ってないんだぞー」「坑道作りが・・・」「エゴムメさんキャラキャラ」「あっ、やべっ・・・まだ鉱山作りが終わってないんじゃが・・・」「キャラブレすぎだろ・・・」「憧れだけの見切り発車だったのかよ・・・」「うるさいわい!そっちこそエルフっぽさがないじゃろ」「私はエルフ好きであってエルフじゃないので」「屁理屈・・・」


「うるさーいっ!1週間、今日を入れて1週間だけ待ちます。それ以降は全てこちらで管理します」


「よっしゃ許可出た!やるぞー!」


「「「おー!」」」


「はぁ・・・一回ログアウトしてもふもふしよ・・・」


勝ったな。

ククロさんがログアウトし、それぞれが計画を話し合っていく。

俺はある程度完成してるからなー・・・どうしようか。


「白狐さーん」


「はいはーい。どうしましたー?」


「世界樹作りたいんですけどどうすればいいと思います?」


「でっかい樹を植える・・・?いやでも、そんな大きな樹はなかった気がする」


「どこからでも見えるようなのしたいんですよ」


「世界樹を1本で作るんじゃなくて、複数の木をこう・・・ぐねらせて?行けないですかね?」


針がねをぐねぐねして太い1本にするような動作をする。

謎の動きに近いけど多分伝わるだろう、多分、きっと。


「あー・・・意味は伝わります。1回運営に要望出して、ダメならこの案で行きます」


「おー、結構雑な案だと思ったけど大丈夫ですか?」


「とりあえずの試作品なんで、ダメだったらその時に考えます」


「雑だなー。頑張ってください」


「はーい。では、また」


「お疲れさまでーす」


さてさて、他に何かしらの相談してくる人は・・・いないな。

頼られてるって思うと少し嬉しいけど、結構大変なんだよね。

実際はククロさんに怒られる時に対する保険で俺に声を掛けてるっぽいけど。

逆らえないけど俺の方が立場的に上だからな、巻き込んだ方が幾分か負担が減る。


「あ、黒やんだ」


「うーすっ、白やん。怒られてたね。何したん?」


「初期投資300万の予定を600万ぶっこんだ」


「アホだろ。え?てか、よくそんな金あったね」


「掲示板に罠猟について書かれてたろ?発見者俺」


「はー・・・え?どんだけ稼いだの?」


「ここに入れる200万、アホ共のクラン用に100万、工房用に300万の計600万」


「いや・・・稼ぎすぎだろ」


「いやーあれだね。ここ最近ずっと狩りしてたからさ、稼ぎがやばいわ」


「えー・・・あー・・・いつ発見したの?今日木曜日だよね?」


月曜日に発見して、罠猟を始めた。

で、今日が木曜日だから・・・4日間で600万?

いや、零さん達に貰った100万ちょっとがあるから500万か。


「んー・・・月曜日。で、情報提供分を除くと4日で500万」


「稼ぎすぎじゃね?これゲームバランス大丈夫なの?」


「そうか?零さんに聞いたんだけど、街同士を繋ぐ移動用の転移陣はかなり金がかかるらしいよ?それにスキルの書がかなり高額だし問題ないでしょ」


「あー・・・でも序盤でこのペースはやばいでしょ」


「そうでもない。動物のポップ速度がかなり遅いから人が増えれば稼げなくなる」


「どんくらいかわかる?」


「1日に数匹レベルらしい。これは狩りをしてるNPC情報」


「で?お前らは何匹狩ったの?」


「全部」


「バカだろ」


「最終的には5人で山狩りしてたって言っていいレベル。お前も虫さえ我慢できれば稼げたのに・・・」


「いや、無理だから。虫がいるのを知っていてなんで行かなきゃいけないの?」


そう、一応だけど黒猫も罠猟に誘っていた。

他のメンバーよりも先に誘ったけど、虫がいる森に待機とか死刑宣告か?の発言により、お断りされた。

虫と言っても小さな虫じゃない。

人間の頭と同じくらい大きな虫だ。

天道虫だったり蜻蛉だったり蟷螂だったり、色々な虫型モンスターがいた。

基本的にノンアクティブでこちらから攻撃しなければ襲ってこないから特に問題はない。

俺も最初は焦ったけど大人しくしてればこっちに近付かないから途中で慣れた。


「まぁ、いいか。掲示板にも情報は載せたし戦闘が苦手な人でも稼げる方法ができたってのはいいことだな」


「だな。なんか他にも色々NPCに聞いて戦闘無しでも稼げる方法を探してるらしいぞ?お使いクエストが発生したりとか果樹園を任されたりとか色々情報出てきたらしい」


「でも一番やばい情報は零さん達の二つ目の街到着報告だよな」


「あれはやばかったな。透明な壁をすり抜けた人がいるって掲示板で話題が出て、その後街到着って書込みされて・・・。すぐに情報解禁したけどちょっと荒れたな」


「荒れた原因は零さんの煽りだろ。20時過ぎに到着報告を掲示板に出して、行く方法を21時に公開しますからの街中SSを貼りまくり。攻略組として街中の情報出してますよ?は面白かったけどな」


そう、零さん達は俺の情報を貰ってからすぐに行動を開始し、次の街に到着していた。

試験の内容は大きな熊を倒すことらしい。

強力な個体を倒す術を持っているかどうかが最初の試練だとか。

零さん達は多少強い程度の熊に苦戦することなく討伐し、次の街へ行く権利を手に入れた。

そのまま移動し、街に到着したことを掲示板に書き込んだ。

書き込んだ内容は、


「二つ目の街に到着しました^^」

「透明な壁は街を守る結界で、特殊なアイテムが必要です」

「入手方法は21時に公開します」

「文句があるなら自分で探してください」

「こちらは運営の言葉通り「足」で探しました」

「善意で情報を公開しようと言っている人に文句を言うのはどうなんですか?^^」

「あ、攻略組なんで街中のSSはいっぱい貼ります」

「あ、スキルの書が売ってるので内容を書き込みますね^^」


だった。

うん、そりゃ荒れるわ。

自称攻略組がかなり荒らしたらしいけど、クレクレ厨かよとか、自分で探さないで文句だけ言うの?とかの書込みですぐに消えたらしい。


煽った理由は自称攻略組の1組に凄い嫌いな人がいるからとのこと。

零さんに聞いたけどかなり嫌味を言われたりしてて、かなりイラついてたらしい。

最終的に運営から少し怒られたらしいけど、充分やり返せたから素直に運営に謝罪したらしい。

他にも、嫌味の内容や煽った理由、運営から怒られたことをきちんと掲示板に書き込み、掲示板にも謝罪した。

大多数の人は煽った理由から許してたけど、例の自称攻略組は噛み付いていた。

その結果他の場所で晒されて要注意人物になったのは面白かったね。


「まぁ、見てるだけの俺らは楽しかったけどさ・・・。お前は大丈夫なの?情報提供者だろ?」


「ん?大丈夫だよ?何か言われたら即GMコールだからね。俺はきちんと自分の足で情報を探して、その情報を対価にお金を貰っただけの存在。完全に無関係の立場だよ」


「・・・・・・俺は文句言われる気がするなぁ。だって、掲示板見る限りじゃ色々と危なそうな性格だろ?」


「まぁ、文句言われたらその時に考えるよ。それよりも土日どうする?俺は零さんにレベアゲとスキラゲの手伝いをしてもらう予定だけど」


「俺も行く。最前線の人に色々と教わるとかいい機会だし。アホ共は?」


「知らん。明日一応聞けばいいか」


「だな。今日はもう遅いし・・・あーでも明日の授業寝ても怒られないからもう少しやろうかな・・・」


「不健康。それで体調崩してプレイできなくなっても知らんぞ?」


「あー・・・でもなぁ・・・いや・・・今すぐやらなきゃいけないことはないし・・・まぁ、いっか。ログアウトするわ」


「それがいい。んじゃ、俺は他の人に挨拶したらログアウトするわ」


「おう、俺はサブマスですらないからな。このまま落ちるわ。おつかれー」


「お疲れー」


さて、まだまだ熱い議論をしてる人達に挨拶してくるかね。

それに明日はアホ共が補習から解放される日。

色々と聞かれるだろうしめんどくさいなぁ・・・。




次の更新予定日は 09/30 0:00です

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