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第16話

月曜日、何のイベントもなく起きて、いつも通り学校へ向かう。

学校は家から近いという理由だけで選んだ。

徒歩5分、こんな素晴らしい立地にある学校以外へ通うなんて論外だろ。


教室に入ると半分くらいのクラスメイトがいる。

HRまであと10分だと考えるならこれくらいの人数だろう。

俺の席がいつも通り埋まっている。

まぁ・・・うん、仲の良い友達としゃべるために俺の席に座るのはいいけどさ?

椅子が暖かいのはマジで辞めてほしい。

ちょっと萎える。


「おはよー」


「んー?おー、おはよー。お前は寝むそうじゃないな」


「規則正しい生活を心掛けていますから当然のことですよ?」


「若いうちに無茶しなきゃダメだろ」


「その結果中年になってボロボロになるんだろ?俺は嫌だわ」


「本音は?」


「病気になったら狐を愛でれない」


「お前ほんっとにブレないな」


「ふっ、当然だろ?それよりも、今日の数学小テストあるから気を付けろよ」


その瞬間、教室が静まり返り、全員が俺の事を見た。

ちょっと怖いと思ったのは内緒だ。


「ソースは?」


「オイスター」


「お前もアホ側だったな・・・。情報源は?」


「俺が提案した」


「死ね。理由は?」


「アホ共隔離大作戦。偶にはのんびり遊びたい」


「理解できなくはないけどさ・・・テストとかめんどい!なんとかしろ」


「安心しろ。補習ラインは30で、範囲は先週やった部分だ」


「なんで知ってんの?」


「俺が提案した。ちな、VR買ったり宿題忘れたらラインが60に上がる。両方の場合は99に上がって100点取らなきゃ補習確定だ」


「うっわ・・・お前本気じゃん。まぁ30なら勉強いらないな」


「普通に考えたら余裕だからな?つーか俺の席空けろ、邪魔」


「へいへい・・・一応教科書ちょっと確認しとくか・・・」


そう言いつつようやく席が空く。

ちょっと暖かい椅子に文句を言いつつも、授業の準備をする。

遊ぶ時は遊び、勉強するときは勉強しないとね。


いつも通りのHRが始まり、授業が行われていく。

途中の数学で一部のアホ共が阿鼻叫喚だったのは面白かった。

裏切り者や薄情者など、かなり言われたけど宿題を忘れるアホ共が悪い。

60点ならきちんと授業を受けてれば余裕だろうに・・・。


そして、昼休み。

補習が確定したアホ共を含む、いつものメンバーで昼飯を食べる。

数学の授業が終わってからずっと文句を言っているアホ共、特にミッチーがうるさい。


「流石にさ、ひどくない?小テストあるって知ってたらさ宿題を真面目にやったし」


「いや、普通に宿題やれよ。・・・俺は悪くねぇ!」


「その急に思いついたからって言うなよ。お前元ネタ知らないだろ」


「知らない。あれって結構昔のゲームなんだろ?ハードがないわ」


「今更リメイクしても・・・って感じあるしな。てかさ、このクラスでALやってる人って結構いるんだな。話題がなかったから俺達だけかと思ってた」


「あー・・・確かにね。安くなったとは言えまだ10万するからな、持ってるってばれるとなんか言われるかもとか思ったんじゃない?」


「別に持ってるからと言って偉くなれる訳じゃないんだしどうでもよくない?」


「アホには分からないことだから黙ってご飯食べてろ」


「はぁ?俺だって少しは分かるぞ・・・多分」


「そこで言いきれないからアホなんだよ。つーかそんなことはどうでもいい、ゲームの話だ。各自簡単な報告をよろしく。リーダー予定のよっしー」


「ん?あー・・・レベルは9で、スキルはそこそこ?ようやく剣の扱いに慣れてきたってところ」


「猫は何匹殺した?」


カイ君が唐突に質問をした。

一応、昨日の夜と今日の朝に猫を殺してても黙ってろよとは伝えた。

まぁ、大丈夫だと思うけど・・・。


「直接は0、間接は3?4?・・・そんくらい」


「間接?」


「あー・・・ほら、あれだよ。他のPTが代わりに倒してーとか他のモンスターの攻撃でーとか」


「故意ではないと?」


「流石にお前らの好きなのを殺して経験値にすることはないな。無罪です」


「・・・・・・いいだろう」


無罪判決だ。

カイ君は優しいね、俺なら有罪だよ。


「あー・・・カイ君、先に謝っていい?」


ミッチー?君はなぜそこで謝罪しようとしているのかな?

黙ってればばれないんだよ?

なぜ態々怒らせようとしているんだい?


「ほぅ・・・故意で殺したと?」


「や・・・故意・・・じゃないんだけどさ・・・」


「詳しく話せ」


「最初は黙っていようかなって思ったけどさ、アッキーも同じことやる可能性があるから言っておこうと思ってね?簡単に言えば誤射しました。移動しながら移動してる敵に当てるのが難しくて・・・だから怒らないでくださいお願いしますちょっと睨むのやめてよ怖い怖い怖いちょっとまj・・・あー!!それ俺の肉!!おい!!返せ!!肉に罪はなああああああ待って待って待ってそれ以上はダメダメダメほんっとダメだって謝る!謝るからああああああああああ」


一気に騒がしくなる。

どうやら有罪判定になったらしい。

練習しないで戦闘を行って誤射しましたは普通に怒られても擁護できないからね。

あと、ろー君のお弁当を食べる速度が上がったのが気になる。

こいつも誤射したな?

多分だけど有罪判定出るだろうからよっしーから情報収集するか。


「よっしー」


「ん?俺は無罪だろ?」


「そこはどうでもいい。初戦闘の感想を聞きたい。ほら、剣で何かを斬ったの初めてだろ?」


「あー・・・ちょっと怖かった。多分だけど、死体が残って解体してーってシステムなら無理だった」


「マジかー・・・手とか震えた?」


「戦闘前は大丈夫だったけどさ、実際に斬って敵が光になって消えるだろ?その時の感触が残っててさ、手が震えて剣落としちゃったよ。なんつーか・・・思ってた以上にリアルでやばいって思った」


「そっか・・・いや、実はさ、俺とカイ君まだ戦闘してないんだよ」


「マジ?何してたの?」


流石に戦闘してないのは予想外だったのか驚いた顔をしている。

丸2日間街中に引き籠ってたなんて普通は思わないな。


「探索や生産職の練習に情報収集。ほら、クランの設立とかNPCのお店とか色々調べてたんだよ」


「あー・・・クランってどうやって作るの?レベル?」


「金でクラン用の空間を買ってクラン設立。その後建物代やら設備代を追加して便利にしてくって感じ」


「ほーん・・・いくら?一応俺は5万くらいある」


「空間は10万、一人2万計算。あと、生産職用設備は別途請求するから」


「俺ら使わないのに?」


「金を出してくれた割合に応じて対応を変えるから」


「出資0なら?」


「鍛冶設備に出資0なら鍛冶で作れるもの全般融通しないし依頼を受けない」


「・・・めんどくせぇ。まぁ1割くらいなら出すわ」


「あ、料理はバフあるから手厚くね?くっそまずい飯で微妙なバフとか最悪だろ?」


そう、料理にはバフがある。

材料と調理時間、そして実際の料理の腕で効果が決まる。

肉なら筋力、野菜なら魔力が上がる・・・らしい。

ここはまだ始まったばかりで情報が不確かで検証中だ。


「あー・・・それ重要だな。てか、空腹度システムとかあったっけ?」


「ないよ。けど、実装するかどうかは協議中だって書いてあった」


「生産系は一切見てないからわからん。まぁいいや、そっちは大目に出すから」


「わーい。水なんだけどさ、カルキ臭い水道水と普通の水道水と天然水とか色々分かれてるんだよ」


「カルキ臭いのはちょっと・・・。うん、料理に関してはバフの効果次第で定期的に金落とすわ」


「ありー。いつもなら文句言うのにどうしたん?」


「いや、一応クランリーダーじゃん?こう・・・頼れるリーダーになろうかな?ってさ。あと、補習から逃げる口実を考えてほしい」


「慣れないことをするな気持ち悪い。あと、宿題忘れてゲームやってたお前が悪い。俺はちゃんと連絡したし朝早く来てれば写す時間もあった」


「5時くらいまでゲームしてたからさ・・・」


「自業自得だアホ。とりあえずは金稼ぎ優先でオナシャース!」


「はぁ・・・ゲームやりたい・・・」


「頑張れ。こっちは帰ったら戦闘したり金稼ぎについての情報収集したりするわ」


「あー・・・めんどくせぇ・・・けど頑張らないと長引くー」


よっしーの落ち込みを見ながら予鈴が鳴る。

お昼休みが終わり、午後の授業の準備を・・・あいつらいつまでじゃれてんの?

もうお昼終わるよ?





カイ君は頭がよくて頼れるキャラ?御冗談を。

メリットが存在しなくてデメリットのみだと言うのに猫耳と尻尾を生やした時点でアホ側です。



次の更新予定日は 09/12 0:00です

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