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第14話

VR系の小説を読んでてよく思うのが、なんで簡単に敵を倒せるの?です。

そこら辺の忌避感は出てこないのかな・・・って思います。


因みに、私がVR系をプレイするなら街から出ません。

だって、敵怖いし痛いの嫌だし長時間歩くの辛いしお布団以外じゃ寝れないし。

街中でシコシコ道具作ってニヤニヤする派ですね。

「今思ったんだけどさ」


「なに?今クッキー食べるのに忙しい」


「白やん聞いて?大事な話だからさ」


「・・・ちっ、もうすぐ狐の形に成形できたのに」


「食べてないじゃん!・・・いやさ、俺ら戦闘してなくね?」


「訓練場でした」


「実戦」


「俺は天才だからな、必要ない」


「副音声が聞こえなかったからもう一回」


「俺は引きこもりの天才だと思ってるからな、多分必要ない」


「ダメじゃん」


「いやー・・・あれじゃん?あれだよ」


「どれ?」


「ぶっちゃけ生き物殺すとかきつくね?なんでVRとは言え、ほいほい敵倒せるのって思ってる」


「あー・・・まぁ・・・うん。その気持ちはわかる。VRとは言え、切った感触あるからな」


「だろ?正直に言うと戦闘が思ってた以上に辛い」


「お前はまだいいじゃん。俺近接だよ?目の前に敵来るんだよ?」


「それを言うならこっちは紙装甲だぞ?目の前に来たら死ぬぞ?」


「・・・・・・」


「・・・・・・」


「・・・認識が甘かったな」


「・・・それな。こういう時はアホ共を羨ましいって思うよ」


正直に言おう。

街中探索は予定通りだけど予定通りじゃない。

現実では生き物を殺すのとかほとんどやったことないんだよ?

そりゃぁ・・・虫とかは殺したことあるけどさ、手のひらに収まる小さいのだけだし。

リアルに、現実と同じように感触が残る以上、怖いと思う。

いや、思ってしまったが正しいのか。

だから、探索や訓練を理由にして街に籠ってる。

こういった忌避感を抱く人は結構多いらしく、引退理由の上位に入っているらしい。


「でもまぁ・・・乗り越えなきゃ求めてたものは手に入らないんだよな」


「戦闘と尻尾・・・尻尾・・・尻尾・・・俺やれそうな気がしてきたわ」


「お前もアホだったの忘れてたわ」


「いや・・・うん。類は友を呼ぶって言うじゃん?俺、やれやれ系じゃないからさ」


「知ってる。そして俺も同類だってのも知ってる。うん、それだな。ここにしかないものを考えるとやらなきゃいけないって気持ちになるわ」


「じゃあ・・・新たに決意を固めたところで、クッキー食べてていい?早く完成させたい」


「・・・・・・俺暇になるんだけど」


「クランと工房について調べればいいじゃん」


「・・・・・・・・・キレそうだけどそうするわ」


調べ事を黒猫に押し付け、クッキーを狐の形に成形作業に集中する。

これは何も趣味でやっているわけではない。

VRは生れて初めてだ。

どこまで現実と同じようにできるのか、どこからは現実と違うのかの検証が必要なのだ。

興味ないから詳しくはないけど、医療だったりリハビリだったりに応用されているこの技術。

どこまで現実と同じなのかは誰だって興味があるはずだ。

だから俺は悪くない。

たまたま目の前にクッキーがあるから、現実でよくやることと同じように成形するのは悪くない。

例え黒猫に睨まれていても俺は悪くない。

絶対に謝らないぞ。

ちなみにクッキーは黒猫に砕かれました。


「調査ならびに妨害完了です」


「・・・死ねばいいのに」


「クッキー砕いただけで死ぬのはちょっと・・・」


「猫の形をしたクッキーを砕く」


「死ねばいいのに」


「俺の気持ちがわかったか」


「わかっててやったから大丈夫」


「キレそー」


どうでもいいことだけど、黒猫もクッキーを猫の形に成形することが多い。

そして、嫌がらせで俺が砕き、軽い喧嘩になる。

簡単に言えばいつものじゃれあいだな。


「ならまだセーフだな」


「その発言はアウトです」


「まだセウトだな。で、調査結果聞く?」


「当然」


「んじゃ、説明するけど━━━」


黒猫の話は長いので要点を以下にまとめ省略する。


・クランも工房もお金のみで作成可能

・初期費用10万で空間を購入し、設備を追加購入しながらカスタマイズする

・設備は追加費用を出すことにより個人用にカスタマイズが可能

・クランも工房も許可された人以外は侵入不可(運営を除く)

・複数のクラン参加可能。ただし、クランマスターになれるのは1つのみ

・クラン作成は冒険者ギルドにて書類申請

・工房は作りたい工房のギルドにて書類申請


他にもクラン専用の掲示板とか販売所とか色々あるらしいけど、作成時に関わる部分はこれくらい。

なんでここでも書類申請なのか凄い疑問なんだけど・・・。


「書類申請以外は理解した」


「それ俺に言われても困るんだけど・・・」


「なんでゲームの中でも書類なん?そこ現実に近付ける必要ないよね?」


「でも逆にリアルになるとか会議にあったんじゃない?俺ら学生だし書類とかよくわからんけどさ」


「学校の無駄に多いプリントだけでイライラするわ」


「あー・・・わかる。それ態々印刷して渡す必要あるの?っての多いよな」


「なー。あれマジでムカつく。読み直す気ないから処理するこっちの身にもなれよな」


「紙やインクの無駄使いだな」


「それ。まぁ、いいや。クランはあいつらと決める必要があるだろ?工房はどうする?」


「んー・・・お前は必須だろ?」


「うん。壁が邪魔だからな」


「尻尾が邪魔なんだろ?」


「壁が邪魔」


「被告人、それは嘘ですよね?」


「いいえ、裁判長。壁が邪魔なのです」


「・・・・・・」


「・・・・・・」


「そっすか・・・」


勝ったな。

まぁ、何も得るものはないし負けても失うものもない、しょうもない戦いだったな。


「そっすよ。で、鍛冶は専用の部屋いらないだろ?」


「スキルでやるなら机と椅子だけか・・・いらないな」


「俺やる気ないけどな。錬金術と料理か?」


「俺もちょっとやる気落ちてるわ。錬金術は二人で使うから・・・あ、共同で作るでおk?」


「おk。一人で黙々・・・シコシコ作るのとかなんかあれだわ」


「言いなおす必要あったか?まぁ、いいか。半々?」


「あいつらに出させる」


「・・・出すと思う?」


「出してくれたパーセントに応じて今後の対応を決める」


「・・・えっぐ」


「卵かな?」


「レンジでチンしろ」


「それやったら掃除が大変」


あれは兵器だ。

知らずにやればかなりの驚きと後悔、そして殺意が湧く。

調べて面白半分でやろうとしないでほしい。

まぁ、ただレンジでチンするのではなく、ちょっと準備が必要だけどね。


「どうでもいいや。出さなかったらどうするの?」


「出資率0%なので援助率も0%になります」


「100%なら?」


「は?100%にさせるわけないだろ」


「ですよねー。んじゃ、明日あたりに交渉するか」


「交渉カッコ物理は任せろ」


「カッコまで発言するなよ、副音声にしろよ」


「肉体言語で黙らせる」


「悪化してんじゃん・・・」


「まぁ、大丈夫でしょ。それよりも戦闘だよ戦闘。ついでだからこのまま相談しよう」


「・・・・・・だな。流石にこのまま無策で突っ込むのは無理だ」


「慣れてるならいいけど、流石に今の状況じゃね・・・。じゃあ、あれだ。飲み物とクッキーの追加だ」


「お前まだ食べるのかよ・・・。俺も食べるか」


まだログアウトするのには早い。

あと・・・1時間くらいなら明日の授業に影響でないかな?

ゲームは好きだし徹夜したい気持ちもある。

けど、ゲームのやりすぎで怒られたりゲームの時間を減らされるのは嫌だ。

だから、規則正しい生活をし、普通に学校で授業を受ける。

廃人プレイをしたくても性格的には無理なのだよ。




次の更新予定日は 09/06 0:00です

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