第13話
あ、あらすじをそこそこ真面目なのに変更しました。
クランは20話超えたあたりに作ります。
え?リア友達とのクラン?そのうち作りますよ、そのうち。
結論から言おう。
料理の訓練所には来る意味がほとんどなかった。
いや、意味はあったんだけど・・・うん、来なくても問題なかったって意味だ。
何があったかと言うと、遡ること数分前の出来事である。
今まで説明していなかったけど、実は受付が2つある。
1つ目は総合受付。
どの訓練を受けたいか、どこに行けば受けれるのかなどを案内する場所だ。
2つ目は個別受付。
対応した職業の訓練を申し込む場所だ。
この2つ目の受付で問題が発生した。
「はい、料理人の訓練をご希望ですね。確認致しますが、スキルをお持ちですよね?」
「クラフトですよね?はい、ここに来る前に鍛冶師と錬金術師の訓練を受けたので持っています」
「ありがとうございます。では、続いてですが・・・現実で料理はどれくらいなさるのでしょうか?」
「え?現実?・・・あー・・・えー・・・週の食事21食の内、10食前後は自分で作ってますね」
「なるほど・・・。でしたら、ここで受けれる訓練はありません。それでも受けますか?」
受けれる訓練がない?
さっきの質問から考察すると、かなり基本の部分しか教えないのか?
これは確認する必要があるな。
「訓練内容を教えていただいてもいいですか?」
「はい、大丈夫です。まずは、スキルについてですね。ですが、白狐様はもう取得しております。このまま訓練に参加してもこの説明は省略されてしまします」
さっきの錬金術の時も省略されたからな、そこはわかる。
「続いて、実際に料理を作る訓練に移ります。この訓練は、包丁の握り方、大匙小匙や計量カップの見方、食材の基本的な切り方など、料理をする基本中の基本のみをお教えします。台所に立ったことがない方向けの訓練内容になっていると言えばわかりやすいでしょうか」
予想的中。
というか、普通に考えればわかることだった。
鍛冶師も錬金術師も初めてやる人向けの説明しかしていない。
料理も同じだと、もう少し早く気付きたかったよ・・・。
「ありがとうございます。今から包丁の握り方などを聞く意味はないので申し込みはなかったことにしてください」
「畏まりました。またのご利用お待ちしております」
いや、利用することないだろ。
心の中で小さく突っ込みを入れつつ、どうするか悩む。
黒猫とは総合受付で別れちゃったし、しばらく暇になるな。
「そういえば売店があったな。あいつにはメール出して暇つぶしに店を見るか」
フレンド一覧から黒猫にメールを出す。
まぁ、今すぐ見れなくても問題ないだろ。
簡単に状況を説明し、終わったらメールを出すように書いた。
これで問題ないはず。
「さて・・・と。売店を見ますかね」
「いらっしゃいませ」
ん?なんだ今の違和感?
この女性店員はNPCだよな?
なんで俺の尻尾を見たんだ?
今も軽く尻尾を振ると目線が動く。
この人はNPCじゃなくてプレイヤーか何かか?
「すみません、お聞きしたいことがあるのですが」
「はい、なんでしょうか?」
「プレイヤーですか?」
「・・・・・・はぁ。なんでばれたのかしら?私はプレイヤーではなく、運営よ」
「運営の人でしたか。話しかけたのはまずかったですか?」
「いえ、大丈夫よ。それで?なんでわかったの?場合によっては対策が必要だから教えてほしいの」
「あぁ、簡単ですよ。NPCは絶対に俺の尻尾を見ないですから」
「はぁ・・・無意識に尻尾を見てたのが原因か・・・。なるほど、確かにNPCはプレイヤーの顔を見て話すように設計されてるから尻尾は見ないわね。まだまだ作りこみが甘いってことか・・・」
大きなため息を吐いて項垂れる。
公式インタビューでもかなり自信があるって話してたらしいからな、ショックも大きいんだろう。
「現実じゃこんな尻尾をした人いないですからね。プレイヤーかどうかなんて視線ですぐにわかります。今も視線がおかしいって違和感ありましたから」
「違和感・・・か。今後は目立つ装備を付ける人が増えるでしょうし早めに対策をしなきゃいけないわね。まぁ、早めにわかっただけよかったと思いましょう」
「対策する必要あるんですか?別にそこまで気にしなくてもいい気がするんですけど・・・」
「普通ならしないわね。でも、私たちはする。なぜなら、このゲームはただのゲームじゃない、もう1つの現実世界と呼ばれるようにって目標を掲げて作ったゲームだから。そのためにもこういった僅かな違和感でもなくそうって努力してるのよ」
強い拘りを感じる。
こういった凄いゲームを作る人って本当に凄いんだな。
俺もいつかこんな強い拘りを持って仕事に取り組みたい。
・・・まぁ、どんな仕事がしたいかなんて一切決めてないけどな。
「そこまで強い拘りを持って仕事するって凄いですね・・・」
「まぁね?でも、君もその尻尾と耳に拘りを持ってるんでしょ?会議に名前上がってたし有名人だよ?」
「は?え?会議?」
「うん、初日の稼働を終えてすぐ会議があったの。プレイヤーの反応を見たり、変なことをする人がいないかって調査してたりしてたからね、その報告会みたいなのよ」
「へ、へー・・・・・・・・・やっぱり見た目ですか?」
「それもあるけど、訓練所で運営に会ったでしょ?便利な場所を早めに知って欲しいってことで色々な場所に運営が配置されてるのよ。ゲームの寿命を考えつつ、健全なバランスを保つためにもある程度の誘導は必要なのよ」
だからあんなにも早いタイミングで運営の人がいたのか。
確かに、後から便利な場所があったなんて知られたら荒れる原因になるからな。
「運営って結構大変なんですね」
「開発に比べたらまだ楽なんだけどね・・・。1か月家に帰れないとかよくある話だから」
「うっわー・・・その分貰うもの貰わないと無理ですね」
「んーでも、あれよ?自分が作ったゲームを楽しいって言ってもらえるとすっごい力になるから、それだけでまた頑張ろうって思えるのよ」
「作る側に立ったことないのでわかんない感覚ですね・・・」
「ふふ、気になるならどんな分野でもいいから挑戦してみるといいわ。例えば・・・ゲーム実況とか?そこら辺許してるし感想貰えると凄く嬉しいわよ」
うーん・・・何かを作る側か・・・。
応援メッセージがあるから頑張れるって話はよく聞くけど、そこまでしなきゃ頑張れない状況になりたくない。
根本的に作る側になれない思考だな、うん。
「まぁ、いつか、気が向いたらやろうかなと思います」
「そうね・・・じゃあ、まずは料理からだね。屋台とかお店とか作って色々な人に食べてもらう。そうすれば感謝や応援されることの喜びや嬉しさを知れるはずよ?」
「あー・・・確かに、それも作る側でしたね。ほぼ毎日料理作ってるとそういうのってなくなるから忘れてました」
「日常になると忘れちゃうからしかたないわよ。そこら辺もこのゲームで色々と体験してくれれば作った私たちも嬉しく思うわね」
「じゃあ、あれですね。今は楽しむことに集中していきますね」
「ふふっ、それで大丈夫よ。さて、売り物の説明でもしようかしらね」
「お願いします」
その後は売店で売っている物の説明を受けた。
基本的な調理道具にも下級中級などの階級が存在するらしい。
その差を聞いたら笑ってしまった。
例えば、蛇口。
下級だとカルキ臭く、中級だといい水道水、上級だと天然水が出るとか。
いい水道水ってなんですかって質問したら少しおいしい水道水と答えが返ってきた。
意味はわかるけど意味がわからん。
他にもフライパンは油をひかなくてもいいとか、包丁は切れ味が違うとからしい。
それ階級分けする意味あるの?
そんな感じで色々と教えてもらっていると、黒猫から連絡がくる。
思っていたよりも早く終わったらしい。
運営の人にお礼を言い、訓練所を出た。
総合受付の所で黒猫と合流する。
簡単な報告会の開始だ。
「お疲れ。そっちはどうだったの?」
「んー・・・特になかった。取引するときにどうやってやるのかってのと、価値に合わない値段を付けると警告が出る。それを無視して何度も取引すると運営の調査が入って最悪垢停止だって説明を受けただけ」
「商人を持ってる人が不正をしたら運営が介入するよってことか。結構監視するんだな」
「まぁ、揉め事の原因になりやすいからね。そっちは?」
「現実で料理してるならここでやることはありません。ここは包丁の握り方から教える場所です」
「ぷっ、くっくくく・・・え?マジ?」
「マジ。行く意味なかった。その代わり運営の人に会ったわ」
「は?なんで?なんかやったの?」
「や、ゲームバランスを健全に保つために色々な場所に配置されてるらしい。ほら、戦闘訓練所でもいたろ?」
「あー・・・そういうことか」
「そういうこと。んじゃ、いつもの喫茶店で今後どうするか話し合いますか」
「え?なに?お前あの喫茶店気にいったの?」
「俺が持ってる椅子冷たくて硬くて痛いからさ・・・改良するまではあそこに通うことになるな」
「せっかく作ったのに意味がないな。まぁ適当に飯食えるし別にいいか」
「うるっせ。行くぞ」
「へいへい」
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