第29話: 仲裁者なしで
2-Bの雰囲気は2-Aとは違った。
指で簡単に指摘できるものじゃない。同じ机、同じ窓、それぞれの椅子に同じ進天学園の制服。でも両方の教室に続けて入ったら、その違いは胸と胃の間のどこかで感じ取れる。
2-Aには騒ぎがあった。居心地のいい人たちが出す種類の騒ぎが。
2-Bにはグループがあった。
定義され、区切られた、みんなが知っていて誰も書いたことのない独自のルールを持つグループが。窓側には人気者の女子たちが、自分が部屋でどれだけの空間を占めているかを正確に把握している者のエネルギーで。中央にはいつも一緒に作業する人たちが、効率的で予測可能な形で。端の方には、自分たちの決断で距離を保つ衛星のように、一人でいることを好む人たちが散らばっていた。そして、どのグループにも属していない人たちが、そこにいるはずの誰かがいない空間を眺めていた。選んだからではなく、どのグループにも選ばれなかったから。
そして、示し合わせたわけでもないのに教室の両端に、猫子 団蔵と狐乃香 善狐がいた。
誰がいなくても完璧にやっていける二人。
ただし、全く異なる理由で。
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猫子は授業に注意を払っていなかった。
まあ、技術的には払っていた。ノートにはメモがあり、姿勢は正しく、上田先生が見れば見たいものが見えるはずだった。猫子は長年、誰かが見ているとき、その状況が求めるものにぴったりなっていた。
でも本当の注意は、三列前の左二席にあった。
水嶋 葵。
二年生、十月に音楽部を辞めてから活動中の部活なし。声がいい、去年の春の文化祭で気づいた。自分でも気づいていないくらいのステージングの本能がある。そして一番大事なのは、「あなたには特別なものがある」と言われたら反応するタイプの人間だということ。
(グループ作業……これはちょうどいいかもしれない)
猫子はほとんど意識せずに考えた。
(二週間一緒に作業すれば信頼してくれる。部のことを自然に話せるくらいには)
この手の考えは、ハルカのことや公演のことや誠のことで頭がいっぱいだった数ヶ月間、すっかり遠ざかっていた。でも今それが全部終わって、オーディトリアムがまた自分のもので、部が息を吹き返したいま、猫子の中のずっと欲しいものを手に入れることを知っていた部分が、またゆっくり目を覚ましていた。
それで悪い人というわけじゃない。ただ、また自分自身に戻ってきただけ……
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善狐は授業に注意を払っていた。
日本の封建時代に特に興味があったからではなく、注意を払わないことは時間を無駄にすることで、時間を無駄にすることは善狐にとって小さな個人的な大惨事として処理されるからだった。
先生が説明している間に、善狐はすでにグループ作業における2-Bの評価を出していた:ゼロ。このクラスの誰も、共同プロジェクトで本当の意味で貢献できる分析力を持っていない。このクラスの誰かと作業するということは、全ての決断を説明して、全てのステップを交渉して、おそらく結局一人で九十パーセントやることになるということだ。
明らかな結論:個人作業。
傲慢じゃない。数学だ。
(ただ)
と善狐は、欲しくなくても機能するあの本能で考えた。
(上田先生の顔が、物事が思い通りにいかないとすでに決めた人の表情をしてる……早く行ってほしいな)
でもそれをファイルした。データは状況が必要とする前に来ることがある。
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上田先生が2-Bに入ってきたのは、すでに朝が長く、午後がそれ以上悪くなることを許すつもりのない人のエネルギーだった。
プロジェクトをいつもの効率で説明した。封建時代日本のジオラマ、一週間。
そして言った:グループを作りなさい。
続いたのは、技術的に言えば静かな大惨事だった。
確立されたグループは、自動ロックのドアの速さで閉じた。人気者の女子たちは顔も見合わせずにグループになった、まるで振り付けられたかのように。いつも一緒に作業する人たちは先生が話し終わる前にすでに整っていた。一人でいることを好む人たちは動かなかった。
そしてどのグループにも合わない人たちは、そこにいるはずの誰かがいない空間を眺めていた。
猫子は自然に立ち上がり、初めて誰かに近づくときに使う笑顔で、水嶋 葵の方へ歩いた。
「水嶋さん。もうグループ決まった?」
葵は話しかけられると思っていなかった人の表情で見た。
「あ……まだです」
「あら、それは大変ね」
演じた柔らかさで言って、すぐに隣の空いた椅子に座った。まるで全てが最初から計画されていたかのような自然さで。
「私も決まってないの……ねえ、一緒にやらない?」
(よし、もう決まったも同然。私の演技に抵抗できる人なんていない……誠くんを除いて、でも彼には特例が適用される)
葵が驚きと感謝の混ざった様子でうなずくのを見ながら猫子は考えた。
(こういうタイプの子は、最初に声をかけてくれた人にはいつもイエスと言う。部でいい補佐になりそう)
悪意で考えたんじゃない。ただの観察として。
善狐は一方、席から動いていなかった。ノートを開いて、プロジェクトの予備スキームを作り始めていた。一人で、決断を下して誰かに確認してもらう必要のない人間の効率で。
上田先生が教室を見渡した。
閉じたグループを見た。
床を見ている一人になった人たちを見た。
そして顔が、十分に積み重なったときにすることをした。
「ちょっと待って、全員止まりなさい」
声はあまり上がらなかった。必要なかった。2-Bが静まった。
「私が頼んだものはこれじゃない」
誰も答えなかった。
「グループはいつものじゃダメ。これは惨事ね、これで三年に上がれると思ってるの? 話にならない……私が再編成します、文句は聞きません」
続いた沈黙は、教室全体が不満を飲み込んでいる特有の質を持っていた。
上田先生は割り当て始めた。素早く、相談なしで、民主的なプロセスへの忍耐がもうない人の決断で。一度も一緒に作業したことのない名前が組み合わされた。誰かの口から出かかった抗議は声になる前に死んだ。
猫子は葵が別のグループに割り当てられたことを目に見えない笑顔で処理した。
(くそ……まあいい、人生は長い。また機会はある)
「団蔵」
猫子が顔を上げた。
「善狐」
善狐が顔を上げた。
「二人で一緒にやりなさい」
その瞬間、二人とも何か冷たいものを感じた。
二人は目が合った。
一瞬のことだった。あまりにも多くの層があって説明しにくいけど、二人は完全に理解した。
「わかりました、先生」
善狐がノートに戻りながら言った。
「もちろんです」
猫子が誰も文句を言えない笑顔で言った。
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でも内側では……それは大惨事だった。
【彼女】
善狐は先生が教室の残りを再編成し続けるのを見ながら考えた。
【統計的に可能な組み合わせ全部の中で……よりによって彼女?今日は本当に運が悪い】
猫子が嫌いというわけではなかった。もっと具体的だった。猫子は善狐が根本的に疑問を感じる道具を使って動いていた。カリスマに偽装した操作。自然さに包んだ計算。人に気づかれずに人を利用すること。
善狐も同じことをいくつかやっていた、自覚はある。でも少なくとも自分はやっていないふりをしなかった。
【しかも】
思考が続いた。
【部のことの後も。誠を駒として使ったこと……あの馬鹿げた戦争——】
止まった……
もう終わったことだ、ファイルして、思い出す価値のないこと。
【……ただのグループ作業。一週間。結果:ジオラマ。変数は多すぎるくらい予測不可能だけど……できる】
三列離れた猫子にも、独自のモノローグがあった。
(狐乃香 善狐)
自分が選ばなかった作品のタイトルのように物事を名付けるあのやり方で考えた。
(全ての会話を自分だけが採点できる試験に変える女)
別のコンテキストなら、猫子はハルカの件で善狐が助けてくれたことを認めていただろう。事実として認めてはいた、借りを記録している場所で。でも借りを認めることは、その人が好きだということにはならない。
(それに最初の頃の怨みはまだある)
心の中で認めた。
(誠がもう少しで二人の間でぼろぼろになりかけてた。そして彼女は誠を実験室の変数みたいに扱った……)
気づかないうちに机の下で手を握りしめていた。
(私もまったく同じことをしたんだけど)
心の中の甘い声で付け加えた。猫子は自分でもそういう思考ができるくらいには正直だったから。
(でも少なくとも私はスタイルがあった)
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上田先生が全部の再編成を終えると、授業は残り四分になっていた。先生はそれをプロジェクトの最終説明に使った。
その四分の間に猫子が特に何かをしているわけでもないという自然さで善狐の席に近づいた。
「整理しないとね」
と言いながら、許可を求めずに隣の椅子に座った。
「そうね」
善狐はノートから目を上げなかった。
「予備スキームがある。時間を考えてどの時代がいいか確認できる」
「もうスキームを作ったの?」
「はい」
「どうやって?グループが決まったばかりなのに、もしかして予言者の類?」
「予言者……?」
善狐が、彼女にしては珍しく鼻を鳴らした。
「そういうのは作り話だから……」
猫子は少しムッとしたけど流した。
スキームを見た。よくできていた、認めないわけにはいかない。整理されていて、明確な基準があって、実現可能性順に並べられていた。善狐みたいな女の子にしか作れないもの。
「私は関ヶ原の戦いがいいと思ってたの」
猫子が言った。
「視覚的に面白いでしょ?二つの陣営、緊張感、全てを変えた結果」
「一週間で使える材料では複雑すぎる」
善狐がスキームの一行を指した。
「大阪の陣の方が範囲が狭くて、時代をより代表している」
「範囲が狭い、つまり視覚的なインパクトが少ない」
「視覚的なインパクトは評価基準じゃない」
「そうじゃないとも明記されていない」
善狐が初めて座ってから彼女を見た。
「……仮定で議論してる」
「あなたは美学を無関係なデータみたいに切り捨ててる」
猫子が笑った。それは楽しみすぎている人の笑顔だった。
「物事の処理の仕方が全部そこに出てるわね……」
「学校のジオラマのテーマを緊張感があるかどうかで選ぶことの方が、物事を語る」
「緊張感があれば全てのインパクトが増す。学校のプロジェクトも含めて」
「それは客観的な分析の真逆よ」
「そして発表のない客観的な分析はどこにも辿り着かない。面白いことに、誠はそれを完璧に理解してる。あなたが気づくのに何ヶ月もかかったけど」
その名前が二人の間に落ちた。誰かが声に出すつもりだったわけじゃないけど、二人とも、いつか出てくるとわかっていた。
善狐が鉛筆をノートの上に置いた。
ゆっくりと。
自分の変数の中に、猫子が誠の名前を使うことは含まれていなかった……でも彼女は理解した。猫子が汚く戦いたいなら、自分も同じゲームができる。
「誠を持ち出すのが面白いわね」
完全にフラットな声で言った。
「ハルカのことがあった後で、あなたが人の意見を、自分のシナリオに合わない時に切り捨てるんじゃなく、聞けるようになったと思っていた」
猫子はすぐには答えなかった。急所を突かれた。
一秒。たった一秒。
それだけで善狐は、狙ったところに当てたとわかった。
でも猫子は猫子だ。傷を受けたまま黙っていられない。
「そして私は、誠があなたのためにしてくれたことの後で、あなたが人を人として扱えるようになったと思っていた」
笑顔は顔に残っていたけど、目は笑っていなかった。
「変数として分析して、役に立たなくなったらファイルするんじゃなく。でもそれは彼がいるときだけに適用されるみたい……てか、あなたにとって誠は変数じゃないのよね、不思議」
善狐は机の下で手を閉じ始めた。
「しかも……あなたみたいな態度で、誠があなたの友達になれたのが信じられない。まあ誠はそういう人だから、私たちみたいな人間には従順で扱いやすいのよね」
善狐が口を開けて……
リーーーン。
授業終わりのチャイムが空気を切った。誰も頼んでいなかったけど、その瞬間の二人には必要だった。
2-Bが動き始めた。
善狐がノートを閉じた。猫子がバッグを持った。二人は同時に立ち上がり、目を合わせなかった。
最初に話したのは善狐で、さっきの三分間とは全く違うトーンで:
「図書館。明日の昼……」
「わかった、お嬢さん」
猫子が答えた。甘くて危険な声で。
聞いていた人がいれば、二人のクラスメートが特に問題もなくプロジェクトの調整をしていると思っただろう。
誰も聞いていなかった。
二人は反対方向へ出た。
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善狐は廊下の端まで歩いてから、窓のそばで止まった。
外はまだ雨だった。
【誠がいるときだけ……何様のつもり】
と思った。思考には予期しなかった刃があった。
【まるで私が、誰が見ているかによって違う人間みたいに】
それは猫子が言ったことだった。明らかに偽りだ。善狐はいつも同じだ。自分のパラメーターはコンテキストによって変わらない。
でも彼女の言い方には、論理で完全に切り捨てられないものがあった。
【変わったと思っていた……】
善狐は分類できない場所にその思考をしまいながら結論を出した。
【でも変わったのはコンテキストだけだったみたい。コンテキストがまたこうなった今、彼女もまた元通りになった……傲慢な女優はどこにも行っていなかった。私が甘かっただけ】
つまり、ここ数ヶ月の猫子は、ある程度、演技だったということになる。
彼女の全てがそうであるように。
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猫子は自分のロッカーに着いて開けて、特に何も探さずに中を見つめていた。
(誠がいるときだけ)
思考が繰り返された。
(彼がいなければ我慢できないみたいに)
彼女は誰かがいなければ何者にもなれない人間じゃない。
でも善狐はあの精度で言った。知られる前から亀裂を見つけるあの精度で。猫子の中の正直な部分、あまり表に出てこないけど存在している部分が、完全には無視できなかった。
(変わったと思っていた)
どこかプライベートな隅で認めた。
(たぶん変わったのかも。でも彼女も変わった、そう思っていた。でも部の誰かが間にいなくなったとたん、何の状況も必要なくなったとたん、全く同じ元通りに戻った……数字のおかしな人は、どこにも行ってなかった。私が馬鹿だっただけ)
つまり、ここ数ヶ月の善狐は、ある程度、状況次第だったということになる。
彼女の全てがそうであるように。
廊下の両端から、二人は同じ結論に辿り着いた。
それを知らずに。
どちらもそんなに正しくもないまま。
第29話:完
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【作者より】
ちわーっす、調子はどうですか?元気だといいな。
さて、本作の第29話です。そしてついに第30話がやってきます。いやー、僕ってマジで亀ペースですよね。
他の作品と比べると、僕は週に1話、下手すると2週間に1話しか更新してないのに、毎日更新してる人たちを見ると、
「どうやってんの?!」
って思っちゃいます。
まあ、僕には分からないし、これからも分からないでしょうね。というのも、言わずもがな僕はまだ学生で、高校のこととか、さらに言えば大学のことで頭がいっぱいで、書く時間があんまりないんですよ。あーしんどい、うわあああん!
でも気にしないでください!いつも言ってるように、この物語の更新が止まるのは僕がこの世を去る時だけです。それまでは書き続けます。
そしてですね、ちょっとした目標を立てました。今週は毎日1話投稿します!そうです、今週だけは自分にノルマを課しました。
なんでかっていうと、お気づきかもしれませんが、今月はたった2話しか投稿してないんですよね。だから、ここで物語にブーストをかけようと思います。
うまくいけば、年末には物語を完結させられるかもしれません。最大でも全100話の予定ですからね。それ以上はやりません。100話以上は欲張りすぎです(本当に最高なアイデアが浮かばない限りは)。
でも、まだ29話なのに100話のことなんて考えてられませんね。というわけで、皆さん覚悟しておいてください。今週は毎日投稿です!それでは、明日の第30話でお会いしましょう。
零時卿 より




