戦闘
しばらく走ると、男達が扉に向けて喚いていた。
「出てこい! お前には黙秘権がある! 手荒な真似をさせるな!」
「お前にはまず裁判を受けてもらいそこに弁護人を立てる事も出来る! 今なら罪は浅いぞ!」
よし、引き返して帰ろう俺の用は無かった。
すると、女性の叫ぶような声が響いた。
「嘘だ! 私の姉さんを何故攫った!」
「お前の姉もお前みたいに逃げたからだろ!」
一人の男がそれに反発するかのように言う。
「違う! 姉さん悪い事してない! 私たち森で暮らしてただけだ!」
「隊長もういいんじゃないですか? ここで簡易裁判したことにして銃殺刑で」
「そう言ってもだな...あいつの姉の値段見ただろ? 50万Cだっただろ?...埒あかねえか、おいドアノッカー使うぞ」
「マジっすか? 怪我されたら下がっちまいますよ」
「正直これ以上遅れると上の奴らにどやされる、死んだら死んだで仕方ねえ」
「おーい! いまから扉破壊して乗り込むから扉からできるだけ離れてな! 死ななかったら儲けもんだ!」
そう言って男達はペタペタと粘土を張り付けていく。
これはあれだな、男たちは一応の正義を守り、彼女も姉と暮らしていただけという悪い事もしていない状態だ。
しかし、人道的悪は男達に軍配が上がるも、彼女もその裁判を受けなかったと言う国家的悪も有る。
まぁどうでも良いか。
若干思考を巡らせつつ靴を脱ぐ、そうしてバラのショットシェルを一発ポケットから取り出した。
男達の上を通るように散弾の弾を放り投げる。
上手い事弾が男達を超え暗闇に消えた。
そしてカランと音が鳴り男達が銃をそちらに向ける。
その隙に俺はペタペタと男達に向かって走った。
距離は10mほど、散弾銃を脇に挟み突っ込む。
まず一人嫌でも弾が当たる位置まで近づきスラッグを打ち込む。
その衝撃で扉の近くに居た一人が吹っ飛び前に居た男を巻き込み転がる。
次に二人目、ショットガンで思い切り頭をフルスイングする。
その時に一緒にショットガンを離し拳銃を抜く。
三人目転げた男に目が行きこちらを見ていない。
拳銃を抜きつつメクラ撃ちを6発撃ち込む。
恐らく被弾、痛がる素振りが見えその勢いでうつ伏せで倒れている男に2発打ち込む。
そして、頭を思い切り叩いた男の頭をスタンピングする。
これで昏倒、1~2分気絶するだろう。
「う、ううう」
メクラ撃ちを行った男が呻き落としたライフルを拾おうとゆっくり動く。
倒れている男の背中を踏みつけ頭に銃口を当てて撃ち込む。
そして、ダブルタップをした男の頭にもついでに撃ち込んでおく。
昏倒している男のズボンをひざ下まで下げたあと、両手を此奴らが持っていた手錠を掛けさるぐつわを噛ませる。
そして、急いで靴を取りに行き履いて戻る。
「何! 何が有ったの! まさか機械獣!?」
「おーい、もう大丈夫だお嬢さん」
「誰!? 怖い!」
そうだろうな俺も自分が怖いわ。
体が動く動くしかし汗も出るわ出るわ。
「えーっとだな、この悪い奴らは全員倒した、さっき起きたと言うかそんな所でまぁ助けたんだ」
そう言うとガチャリと鍵が開く音が聞こえ女性が出てきた。
年は大人に成りかけの蕾くらいだ。
正直もう少し熟れてきて少し疲れたOL位が好きだが、貴賤は無い。
みんな違ってみんな良い。
じゃなくてだ。
手には物騒な大ぶりの山刀震える手でこちらを睨みつける。
「お前悪い奴だ! 人を殺した!」
「いやいや、話聞いてたけどってあぶねえ!」
彼女が体当たりするように突っ込んで来たので走って離れる。
とりあえずさっき隠れていたところまで離れた。
「待てって! とりあえず落ち着け! 怪我するぞ!」
「うるさい! こいつら悪やつ! でも殺す程悪い奴じゃない!」
いやいや、お前さっきまで死ぬか生きるか神頼み状態だったんだぞ。
「姉言った! 人を殺すと私たち魔族もっと殺される!」
「分かった! 分かったから! おい!後ろ!」
隊長がいつの間にか立ち上がり彼女に体当たりを行う。
ズボンは綺麗にいつの間にか脱いでいた。
「あぐっ!」
「殺す! お前ら全員殺す!」
「ジョン! ダラス! ニコ! 糞! 糞糞糞!」
そう言いながら彼女を蹴る。
「痛い! ヤメ!」
急いで男にタックルし、男を仰向けに倒す。
「おい! 大丈夫か?」
そう言うと女子が立ち上がり俺に殴るわ蹴るわを行う。
「痛だ! 痛いって! お前! この糞!」
男の頭を思い切り殴った後女子を拘束する。
「いい加減にしろ! 俺は味方! 此奴が敵だ! わかるか?」
頭に良いのを何発か貰ったせいでくらくらするも、ギュッと力を入れる。
柔らかさを楽しみつつ鼻一杯に掻き込んでいると股間に衝撃が走る。
いや、打撃だろう、思わず拘束を解き股間を抑え倒れる。
彼女を見るとしっぽが生えていた。
「死ね! お前らみんな死ね!」
そう言って彼女は走っていった。
俺?俺は...
「ふーっ! ふーっ!」
システマ式呼吸法を行っていた。
糞! あのアマ助けてやってこれは無いだろ!
玉をそっと触り弾に影響がないか確認する。
よしよし、しっかり付いてる...
だんだんと落ち着いて来て立ち上がり彼女を追いかけた。
来た道を戻っているようだ小走りで追いかける。
すると、だんだんと人が入った形跡も増えてきて、埃が減ってきた。
「どっちに向かった? 右か? 左か?」
迷っていると絹を裂く女子の悲鳴が聞こえた。
右だな! よし!
後先考えないダッシュを行い、声のする方に走ると、狼が彼女を追いかけまわしていた。
と言うかこっちに向かって彼女が走ってきている。
しかし、狼の見た目が宜しくない。
金属の見た目と、汚い配線ガシャガシャと言う音とを鳴らし走ってくる。
「伏せろ!」
俺はそう言いつつショットガンを構える。
彼女は滑り込むように伏せ狼が飛ぶ。
中心点に捉えた銃口からバックショットが放たれる。
跳弾が怖いが、鉛の弾丸は綺麗に狼の胸に飛び込んだ。
しかし、撃たれた狼は、先ほどの快調な動きとは言えないが、よろよろと走ってくる。
コッキングし、次弾を打ち込む。
次の弾はスラグだ。
ぼこぼこにへこんだ胸元にもう一度打ち込むと次は首が千切れ飛びやっと動かなくなった。
「た、助かった...でもお前悪い奴」
スラグ残り18バックショット19...ジリ貧だな...
「もう悪い奴でもなんでも良いから外に出よう、疲れた」
そう言うと女子が悩むそぶりを見せる。
「お前、家この近くか?」
「俺? 家と言うかさっき目が覚めたと言うか...」
そう言うと女子は少し驚く。
「アイスマン すごい、初めて見た」
アイスマン...まぁ凍らされてたからな間違いじゃないが。
「此処にもアイスマン居ると聞いたこと有る、それお前か?」
「多分そうだ、知ってるのか?」
「母聞いた、ここ昔の監獄、今まで入れなかった」
「って事は最近開いたのか?」
「そう、でも良い物ない、ハンター来ない」
話が長くなりそうだと思い、狼の死骸の上に座ろうとする。
すると女子が仕方がないようなそぶりを見せる。
「分かった、お前家に連れて行く」
そう言われ待ってましたと立ち上がった。




