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アイスマン  作者: 烏賊鯣
3/3

これから






女子の家を見るとあばら家を具現化させたような家だった。

家と言うか、枝を編み、土で壁を作った建物だ。

「ようこそ」

そう言って丸太の椅子を指さした。

「ああ、ありがとう」

そう言って座る。

暫く座っていると言うか、後ろで火を焚き鍋で水を温めていた。

「もう少し待て、湯ができる」

「あ、ああ」

なんか見ていて悲しくなってきた、ポケットに入っているエナジードリンクこれを彼女にあげよう。

「できた、アイスマン凍っていた飲む、温まる」

そう言って俺の目の前にあまり綺麗そうでない木のコップに湯を注ぐ。

「ならこれは俺からのプレゼントだ」

そう言って少し体温で温まったドリンクを取り出す。

「これ? 何?」

「飲み物だ...プルタブも知らなさそうだな...」

そう思いプルタブを外し、彼女に渡す。

「飲み物だ」

そう言いながら俺は白湯を飲む。

うーん、白湯だ、美味くも無く不味くも無く...綺麗で有ってほしい。

「美味しい! これもう無いのか?」

「それで最後だ」

そう言いつつ、机に拳銃を置き彼女の方に滑らせる。

「これで安心するだろ、おまえずっと震えてるしな」

そう言うと彼女は目を逸らした。

「お前悪い奴、それは変わらない、でも貰っておく」

そう言って俺に向けて拳銃を構えた。

正直すんごい怖い、指にトリガーが掛かってるし。

机に銃底を当てつつこちらを狙う。

「で、さっきの続き、あの監獄は昔、ずっと昔戦争が有った時に作られたって聞いた」

「ふむ...戦争...なら俺はA級戦犯...は違うな、どちらかと言えばBC級...」

そんな大幹部になれる訳ないもんな、ラリッて非武装市民撃ち殺しまくったか、何かしたんだろう。

「そう、でも母、あの監獄からアイスマン出るとき、危ないって聞いた」

「でも俺が出てきたって訳だ...ん? お前の母親は誰からこの話を聞いたんだ?」

「母は夫から聞いた」

「口伝って奴か...で、お前の姉は?」

「多分死んでる、姉の魔力消えた」

「魔力? 魔力ってなんだ?」

「魔力は魔力、私魔族、魔力匂う、そして読む」

「へぇ...魔力ね...」

正直眉唾ものだが、彼女の尻尾の打撃を思い出すと魔力も有るだろうと感じる。

「で、お前....お前の名は?」

「先にお前が名乗れ」

「名乗れと言ってもだな...」

「お前名前無い?」

「と言うか、記憶が無い」

「記憶...そう、ならお前入れ墨男だ」

「ちょっとそれは...え?おれもしかして顔にも入れ墨有るのか?」

「有るいっぱい有る」

前の俺は相当病んでたな...

「えぇ...」

そう言いながら眉や耳を触ると固いシコリや、穴が開いてあっただろう感触を感じる。

「まじか...目立つな糞...」

「入れ墨は、たぶん目立たない、さっき男達殺した時と機械獣殺した時出てた」

ってことは体温が上がった時に出るのか? それでも嫌だなおい。


「ちなみにどんなのだ?」

「髑髏、怖い でも湯を飲んでも出てない 色は白と黒」

恐らくナノマシン系の奴だろう...あれ? ナノマシンってなんだ?

「そうか...ありがとう...」

「次は私の番、お前悪い奴、でも助けてくれる、お前強い」

「強いって言っても人間と獣殺しただけだろ?」

「4対1普通負ける、獣当てるの難しい慣れてる」

自分でも考える。

格闘なら....システマ? 呼吸? そういえば...

思わず身震いする。


「私北に行きたい母生まれた所話きいた」

「遠いのか?」

「もの凄く遠い母攫われて奴隷だった」

「...そうか」

「母でも夫ここで見つけた、そして生まれた私と姉」

「へぇ...で連れて行ってくれと」

「そう、私連れてけ」

拳銃を持ってる手が震えている。

「断ったらどうなる?」

そう言うと拳銃を持つ手がピタリと止みその拳銃を自分のこめかみに当てた。

「私結局姉みたいに死ぬ、犯されて死ぬ」

指トリガーで見ていて怖い、思わず手を伸ばし拳銃を叩き飛ばした。

ズダンと音が鳴り天井に向けて彼女が撃った。

「弾入っていた...私本当に死ぬ所だった...」

「あっぶねえ! へんな所でブラフはるなボケ!」

拳銃を彼女は落としへなへなと項垂れた。

「私、お前撃つと思ったか?」

「まぁ俺は撃たれたら正直仕方ないと思っている、もと囚人だ、あんだけ厳重にされてたって事は死刑すら生ぬるい奴だったんだろうな」

「で、断るのか?」

「いや、まぁすることも無ぇしな...」

もしかしたら一発やらしてくれるかもしれないしな。


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