表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お飾りではなかった王妃の実力  作者: 鏑木うりこ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
36/64

第36話 初デートは突然に

「色々考えましたが、もしこのままわたくしがマルグ国へ留まる事をお許しいただけるのなら……」

「すぐに婚約発表をしましょう!」

「それがいいわ!」

「めでたい」

「……わたくしのお話を少し聞いていただいてもよろしいでしょうか……」


 シュマイゼル様と前王であるシュマイゼル様のお父様とお母様はとても仲が良く、そっくりな方々だとしみじみ感じます。


「あ、すまない。話してください」

「この様子では間違いなく明日もナザールの建国祭を終えた方々がこの国へ訪れます。わたくしのような者にでも分かりやすいようにこの国の方針や特産、力を入れている産業など教えて頂ければ……」

「ア、アイリーン……そんなに働かなくていいのよ? ナザールではあなたが国王の仕事も全て行っていたらしいからとても忙しかったでしょうが、これからは半分で良いの。おしゃれや茶会など王妃らしいことをのんびりとしてくれるだけでいいのよ?」


 皇后様が労るようにやんわり言ってくださいますが、それではわたくしの気が収まりません。


「いいえ、路頭に迷うしかなかったわたくしとレンブラント。そして我がハイランド家、使用人の全てをこちらで良くして頂いている恩を返さねば……」

「恩など感じなくてよろしいのですよ。私が貴女を逃さないため、気を引きたい為に私が望んで来ていただいている事なんですから」


 何でもないとおっしゃいますが、あれだけの人数を増やすというのはとても大変な事だと、人を使う立場であったわたくしも知っている事です。わたくしが一歩も引かぬつもりで身構えますと……。


「分かりました、では今からデートに参りましょう」

「はっ?! デ、デート?!」


 待ってください、デートとは、あの男女で出歩くお話のアレのことですか?!


「ええ、お忍びで行きましょう!さ、すぐに着替えて。父上、母上、ちょっと出かけて来ます」

「あら、良いわね。ディア・アプリコットが新作ケーキ出してたわよ。食べてらっしゃい」

「美味かったぞ! レンはプリンが気に入ったようだったぞ、それも食べた方がいいだろう」

 

 待ってください、わたくし小さな頃からエルファード様と婚約をしていましたので、デートという物は話でしか知らないのです!


「えっ、あの、こ、困ります。突然言われても……っ」

「大丈夫ですよ、侍女達に任せておけば完璧な変装を施してくれますから! さあ、支度をしましょう」

「えっ!あのっ!」


 わたくしはあれよあれよと言う間に少し丈が短く歩き易い街娘がよく着るワンピースに控えめの化粧を施した姿になって街角に立っていました。


「そのスカートも可愛いですよ! 私の事はゼルと、あなたの事はアイリとお呼びしてもよろしいですか?」

「え? ええ……それでお願いします」


 隣にはシュマイゼル様が立っていていつものように笑っていらっしゃいます。


「手を……手を繋ぎましょう。逸れるといけないので」

「あ……はい……」


 男性と街を歩くなんて、初めての経験です。図らずも少女の頃に憧れて止まなかったデートと言う物をする事になるとは。


 思ったよりドキドキと胸が高鳴って、上手く返事ができませんでした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ