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24話 すうどんとミツキ一家

「に、二十人か……」


俺は二十人の大家族を見て、圧倒されていた。

そして、スゥさんを見ると、スゥさんの顔も引きつっている。

いや、まあ、人手が増えるのはありがたいけど、いきなりか。

そう思っていると、俺より二回りくらい上の男性が前に出てくる。

多分、ミツキのお父さんだろう。


「娘から話は聞きました。本当に申し訳ありません。どうか許しください」

「いや、盗んだから捕まえるとか別にそういうことじゃないので…………とりあえず、一度家へ来てください。詳しい話を聞かせて欲しいのです。それに、俺達も今、人手が欲しいんです」


俺はミツキ家の皆さんを招いて、此処が元々俺の故郷だった事、そして、滅んでしまっていること、俺が都を出て戻ってきてこの村を復興させようとしていることをミツキのお父さんに説明した。


「そうですか。そんなことが……」

「はい。なので、手伝ってくれると助かります。もちろん、無理強いはできません。貴方方にも事情はあるでしょう。ただ、このままだと、俺達は飢え死にしてしまいます。どうでしょうか? 協力してくれますか? えーと」


ミツキのお父さんは俺の言いたいことに気付いて苦笑いしながら答えてくれる。


「ああ、失礼しました。ワタシの名は、ミツキの父で、イツカと申します。よろしくお願いします」

「こちらこそ、よろしくお願いいたします。俺はサヌキと言います」


俺達は握手をする。


「私はクアケと申します。サヌキ様の妻でございます」

「え? 妻?」

「はい」

「違います。あの、俺が所属していたクランのメンバーで戦闘奴隷だったんです」

「失礼しました。サヌキ様の妻候補です」

「それも違う!」


スゥさんは顔を赤くして怒る。


「ははははは、仲がよろしいようで羨ましい限りですな」

「えっと、すみません」

「いえ、いいんですよ。ところで、皆さんは冒険者だったのですか?」

「ああ、あちらのエルフのスゥさんはバリバリの冒険者で、クアケも戦闘要員として、サラダはポーター、俺も料理人ではあるんですが、必要なものがある時はやってましたね」

「おお! かっこいいですね!」


俺が答えると、ミツキのお兄ちゃんらしき人が口を開く。

ちなみに、ミツキはお母さんと呼んでいた人に寄り添っていた。

お母さんも美人さんだ。

おっとりしていて優しげな雰囲気を出している。


「私達も、何か手伝えることはないかしら?」

「そう言ってもらえると嬉しいんですが、まずは皆さんの事が知りたくて、何か得意なものとか……」


20人いると、色んなスキルを持った人がいそうだ。

そう言うと、イツカさんは少し言いづらそうに手を上げる。


「実は、ワタシ、前の村では村長をやっておりまして。多少なら村の運営に関する知識もありますので、お力になれると思います」

「それは心強い!」


俺は思わず声を上げる。


「あ、ありがとうございます。がんばります。なので、それで、その、お願いがあるのですが……」

「なんでしょう?」

「この子達に、食事を食べさせてあげて頂けないでしょうか? トマトも勿論美味しかったのですが……」

「ああ、すみません。すぐに準備しましょう」


そういや、トマトしか食べてないんだった。腹が減ってはなんとやらだよな。

俺はミツキ達の家族を連れて、キッチンへと移動した。手早く食べれる物なら。


「さあ、食べてください!」


俺はテーブルの上に器を並べていく。


「これは……う、う、うどんですか!?」


イツカさんが驚いている。


「はい。そう、ですけど……」


ひとまず、いきなり色々食べて腹を驚かせてはいけないと思い、すうどんにしておいた。


「ありがたい……また、うどんが食べられる日が来るとは……」


イツカさんは涙を流している。

よっぽど嬉しかったんだろうな……。


「それじゃあ、いただこう! いただきます!」


イツカさんがそう言うと、皆が一斉に箸を手に取る。


「おいしい!」

「ほんとにうまいぞこれ」

「こんなの初めて食べたわ」


みんな喜んでくれてるみたいでよかった。


「我々もこの地の人間ですから、うどんはよく食べていましたが、このうどんは別格ですね!」


イツカさんが興奮気味で言う。


「ええ、本当に。でも、本当に懐かしいわ。まさか、またこの味に出会えるなんて思わなかったもの」


ミツキのおかあさんも涙を流していた。大げさだな。


「この麺うめぇなぁ」

「うん。このスープも凄く優しい感じがする」

「おいしー」


ミツキの小さい家族も満足してくれているようで何よりである。


「この出汁は……」

「麺の太さが……」

「こしが……」


ミツキの大きい家族たちが真剣にうどんを語っている。やっぱりこの辺りの人たちだな。


「ご馳走さまでした、サヌキ村長。このご恩は働いて返させていただきます!」

「ええ、よろしくお願いします」


こうして、俺達は新たな仲間を得て、村の復興に向けて動き出したのだった。


ちびっこ土精霊のつぶやき『んにゃ……うどんの、におい……うどん、うどん……』




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