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21話 ちびっこ土精霊と建物修理

謎のマルガーメうちわを囲み、みんなで相談する。


「魔導具は間違いないんでしょうけど、こんな威力なのは……ちょっと、とんでもないわね」


スゥさんが手に顎を置きながら呟く。

確かに、あんな風を起こせるなんて俺も知らない。


「これだけの技術を持つ人間なら有名な人物だと思うけれど……まあ、考えていても仕方ないわね。とりあえず、取り扱いに注意。あとはこういったものがないか。魔導具の可能性も考えて、道具を取り扱って行きましょう」

「は、はいっす」

「かしこまりました」


全員を吹っ飛ばしたサラダは顔を青くして、もみくちゃになったクアケは顔を赤くしながら頷く。


「ただ、これだけのものであれば本当に価値があるから、もしもの時に売ってお金に変えることも出来そうね」

「こんなうちわがですか?」

「ええ。こんな単純な作りであれだけの威力が出せるんだもの。そうね、サヌキに分かりやすく言うなら、すうどん毎日食べれるくらいは絶対にあるわ」

「マジですか!?」

「なんで、すうどん単位なんすか?」


ジト目で見てくるサラダを置いといて、俺はうちわを手に持つ。

もしかして、これ、ボロボロなのが直せたらもっとすごいんじゃ……!


『のうのう、しごとはせんのか?』


グラ様に言われてハッとする。いかんいかん、形だけ村長でも仕事はせねば。


「じゃあ、作業を続けましょう。まずは、みんなで物を集めて、その後、クアケはスゥさん達の組に加わって、慎重な選別、その後、修復作業の再開をお願いします」


みんなで飛んでしまった諸々を集め、選別・修復をスゥさん、サラダ、クアケに任せる。


壊れているところを見つけては直していく。

三人とも、あまりしたことのない作業なので戸惑いながらも楽しそうに修復していく。

うん、直していこう、みんなでここを。ゆっくりでいいから。


「よし、じゃあ、俺はこの建物自体を直すかな」

『お、サヌキ、また面白いことを始めるのか?』


元宿屋の修復をしようとした俺にグラ様が期待に満ちた目で見てくる。


「いやいや、ただ建物を直すだけですよ」


元宿屋は、しっかりはしていたがそれでもこれからずっと生活をすることを考えると心もとない。穴も開いてるし、ボロイ所もある。

一つずつでも塞いで強化していかないと大変だ。時間はかかるが大事なことだ。

俺は一つ一つの壊れた個所を確認し、それに合わせた木材を用意していく。

その時だった。


『ふうむ、なんかつまらんな。儂がやってやろう』

「は?」


グラ様はそう言うと、魔法で土を操り、建物の補修を始めた。

土と石が混ぜられた何かが元宿屋を覆い尽くし、形を変えていく。


『こんなもんかの? 後は、ここの壁が崩れかかっておるから、こっちも補強しておいてやったぞ。これで大丈夫じゃろ。ああ、塀はさーびすじゃ』

「……」


一瞬の出来事だった。

土と石でコーティングされた元宿屋はとてつもなく強固な建物に変わり、外敵が簡単に入れないような塀が出来た。

俺は呆然とするしかない。


『どうした、サヌキよ。ほれ、早く次の作業に移るがよい。まだ終わってはおらぬのであろう?』

「あ、はい。ありがとうございます」

『うむうむ。礼はうどんでよいぞ、ちょっと腹ごなしにうどんの精霊と戯れてくるぞ』


そう言ってグラ様はどこかへと駆け出して行った。

俺達の村づくりはやっぱり楽勝なのかもしれない。

ちびっこ土精霊の呟き「にゅっふっふ! サヌキに褒められた~♪ うれしいのう! おお! 聞いてくれ! うどんの! 儂サヌキに褒められたんじゃ! 最近は感謝する人間も減ったからのう! 皆もはよ来ればええのにのう!」



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