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16話 土が蘇った

ノーム。それは王国で伝えられる世界を支える四大精霊の一つで、土の精霊だ。

その精霊の娘を名乗る少女、グラ・ノーム。彼女が


『ずぞぞぞー!』


うどんを食っている。

何故?

いや、理由は聞いた。


俺は、王国を守って下さる神様にお供えうどんをしていた。

こんな風習は俺の地元にもなかった。

ただ、俺が神様に感謝のしるしとしてうどんを捧げたかったそれだけだ。

だって、四大精霊と言えば、水、火、風、土だ。

水は麺を作る時からすべておいて必要だし、火はうどんを茹でる時に、風は空気や気温を操り最高のうどんを作れる最高のスパイス、そして、土は小麦粉や具を生み出してくれる。どの精霊にも感謝しかない。

お供えうどんは田舎でもしてなかったが、でも、田舎のみんなはなんにでも精霊様が宿ると信じていて、ことある毎に感謝をし、大切にしていた。


で、話は戻るが、俺が出て行って、ノーム様は、気に入っていたお供え物であるうどんがない事に気付いた。


『精霊が人々に力を貸すのは、人々がしっかりと我々を信じ、感謝し、思っているからじゃ。けれど、お前さん一人のお供えうどんがなくなっただけで、全然違ってな。儂らもやる気が全然出なくなったのじゃ。いやあ、都の者達は精霊信仰が薄くなったものっじゃのう』

「それで、俺を追って来られたってことですか?」

『そうじゃ! お主の思いとうどんは非常に美味じゃからのう! お主に応えたくなった!』

「いや、でも、そんなことで……?」


俺の疑問に、ノーム様は答える。


『馬鹿を言うでない! そんなことではないぞ! 大体、お主が出て行ってから、あそこの連中は儂らの家を捨てたのじゃ』


神棚を? 俺は、四大精霊の為に四つの小さな家を用意し、そこにお供えしてたんだが……そうか、捨てられたか。


『あんな罰当たりな連中はもう知らん! なので、サヌキと言ったな! お主に力を貸してやろう!』


グラ様は小さい胸をはり、宣言する。

まぁ、俺としてはありがたいけど……。


「えーと、都は大丈夫なんですか?」

『知らん! どうでもいい!』


ま、まあ、仕方がない、のか?

いずれにせよ、うどん職人の俺如きが神様の居場所を決めるわけにはいかない。

ここは素直に応じておこう。


『で、早速何かないか? このうどんの礼に何かしてやるぞ!』

「で、でしたら、グラ様。よろしいでしょうか」


スゥさんが遠慮がちに手をあげる。


『おう、なんじゃ?』

「この村の村長である彼に従う者です。ここより少し歩いた先に魔力を雑草に奪いつくされた畑があるのですが、それを豊かな大地にして頂くことは……」

『よかろう。では行くぞ、サヌキ!』

「え、あ、はい!」


俺はグラ様に手を引かれて、その場を離れた。

畑のところまでやってくると、グラ様はうろうろと歩き始めた。


『ふうむ、大地を豊かにすることは問題ないが、なんじゃこの草は? 何故ここにこれが生えている……? まあ、よいか。では、やるぞ!』

「はい」

『でりゃあああっ!!』

「おおおおっ!!」


グラ様が大地に拳を叩きつける。どうみても子供が地面をぽこりと殴りつけたようにしか見えなかった。

だが、大地が震え、大地の力が溢れ、雑草は枯れ果て、土は肥沃になり、野菜達がぐんぐん育っていく。


「マジか……」

『はっはっは! 野菜は初回さーびすじゃ! あまりやり過ぎても人間にとってよくないじゃろうからな!』


グラ様はそう言うと、満足そうに地面に寝転がった。


「ありがとうございます。グラ様」

『うむうむ、感謝とうどんを忘れるでないぞ』


俺達は、グラ様の好意を無駄にしないよう慌てて収穫を始めた。

それでも、作ってくれた畑の数分の一くらしか獲れず、グラ様の凄さを思い知った。


みんなで抱えて持って帰る。だけど、何故かグラ様も楽しそうに野菜を抱えてくれている。精霊様にこんなことさせていいのだろうか。


スゥさんを見ると困ったように笑う。まあ、誰もがこんな事が初めてだろうし、本人が楽しそうならいちいち言うのも野暮か。


「あ、そういえば、グラ様。もう一つ聞きたかったんですが」

『ん? なんじゃ?』

「最初の、あの落とし穴はなんだったんですか?」

『ん? ああ、あれか。あれもさーびすじゃ』

「サービス?」

『……女子の身体が触れて嬉しかったじゃろう?』


にやりと笑うグラ様。確かに嬉しいというか、驚いたしドキドキしたけど……。

それにしても、なんて俗っぽい神様なんだ。悪戯っぽく笑い駆け出したグラ様は今度は大根もってサラダをつっついている。


こうして、いたずらっ子な精霊がわが村にやってきたのだった。

戦闘奴隷の呟き「グラ様、また、あの悪戯お願いします……。報酬はわたしのうどんを少し分けてあげますから。わたしとサヌキ様を一つの落とし穴に……」



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