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レイ・チェンバースは悪夢を見ない  作者: ネジマキピエロ
[第三章]収束
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鍛錬

「戦う?」


「そう言うておる。ほれ、早うかかってこんかい」


 年寄りをいたぶる趣味はないんだけどなあ。


「甘く見られたもんじゃのう……私が誰か忘れたか?」


 空気が変わった。目の前の老人から発せられる威圧感。


「そうか。ルシファー」


「覚えておってくれたようで良かったわい。では……」


 アルフォンスの指先から小さな黒い球が現れる。



 ――パチンッ。

 アルフォンスが指を鳴らした途端、黒球が僕の方へ突っ込んできた。


 咄嗟に右手に持ったグリードで防御姿勢を取る。炎の剣であの球を防げるか分からないが、こうするしかない。


「うわああっ!!」


 黒球がグリードに触れた瞬間、僕は宙を舞っていた。防御できる代物じゃないことは確かだった。


「ほれ、次じゃ。逃げてばかりでは勝てぬ。剣とは振るう為にあるのじゃ」


 簡単に言ってくれる。初めて剣を持った僕に対して、要求が高過ぎやしないか?



 ――パチンッ。

 再び黒球が発射された。グリードを構えて、その時を待つ。


 黒球が僕の目の前に到達した瞬間、大きく横薙ぎで剣を振るう。


 バチッという音と共に黒球は逸れた。


「当たった!」


「この程度で喜ばれても困るのう。お前さんには与えられた時間で強くなってもらわんとのう」


「与えられた時間?」


「私と半年間、ここでお前さんを鍛え上げる。しばしの間、この老いぼれとお付き合い願おうかのう」


 半年もアルフォンスと二人きりなのか。しかも廃村で……それが一番の鍛錬な気がする。


 そんなことを考えていると次の黒球が飛んできたので、僕は慌てて剣を振った。

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