根拠
「……どうしてェ……いるゥ!?」
……なんだ?
「だからァ、どうしてここにいると聞いてるんだァ!」
「知らないわよ! レイ・チェンバースに聞きなさい。無理矢理連れてこられたんだから!」
サイモンとリナの声だ。
「うっ……」
体を起こし周りを見ると、サイモンとアルフォンス、そして支部長のジョージとリナがいた。
僕はソファに寝かされていたらしい。
「おや、起きたかのう。これを飲みなさい」
アルフォンスがマグカップを差し出す。
飲んでみると蜂蜜入りのホットミルクだった。昨日から動きっぱなしだった身体に優しい味が染み渡る。
「ここは?」
「サイモンの屋敷に戻ってきておる。ひとつ、尋ねたい事があるのだが良いかの?」
僕の隣にアルフォンスが座り、優しく微笑む。
「どうしてリナ・グレイグースを連れてきた? 何も考えずに行動した訳ではあるまい」
「それは……」
あの時、なせが分からないがリナを連れて行かなきゃと思った。理由は分からないけど、それが正しい事だと感じた。だから脅してまで連れて行こうとした。
「アルフォンス。分からないけど、確信を持って言えるのは僕は正しいことをしたと思ってる。それと僕が気絶したあと、リナが僕をアルフォンス達のところへ届けてくれたのか?」
「ええ、そうよ。でも私も何故こんなことをしたのか分からない。ただ、放っておけないと思ったから運んであげたのよ」
「なるほどのう」
僕らの話を聞いてアルフォンスが黙りこむ。
「なにがァ、なるほどなんだァ? 分かってるゥ? ジョージは連れてくる予定だったけどォ、この女狐は必要なかったァ。この家の場所も女狐のせいでバレるだろォ? やっぱり殺すしかないんだァ!」
「ごめん、サイモン。僕が余計なことをしたせいで」
「ワンちゃんは黙ってなァ! そもそもこの屋敷は女人禁制なんだよォ!」
サイモンがすごい形相でリナを睨みつけるが、リナは全く気にせず涼しい顔でサイモンを見つめ返している。
「まったく……物思いにふけるには騒がしすぎるのう。ジョージのように静かにしてくれんか?」
待てよ。このメンツで1番空気を読めない発言をしそうなのはジョージだ。なのに何で黙ってるんだ?
そう思ってジョージを見ると額に細い鍼が刺さっている。
アルフォンスの拘束術だ。黙っていると言うより動けないらしい。
「サイモン。レイとリナと3人で話をさせてもらっていいかの? それが終わるまで一旦保留にせんか?」
「ふんッ! 勝手にしろォ。リチャード! 部屋を用意してやりなァ!」
サイモンに呼ばれて執事のリチャードが部屋に入ってくる。そして、どうぞと言わんばかりに出口を指し示しながらお辞儀をした。
「では行こうかの」
アルフォンスが部屋の外へ出て行ったので、僕とリナはそれに従った。
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