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輪廻転SHOW!魔王の息子  作者: 月のそうま
21/151

一回戦の続きなのです

 布地少なめの扇情的なボディラインをした夜魔族ディサドラが今の判定の説明をしている。


 だが、誰の目にもテセラスタの勝利は明らかだったため、異を唱える言葉は出てこない。


 それよりもテセラスタの暴言の方が色々と大きな波紋を呼んでいた。

 今の魔王エリュセイグドを認めている『親魔王派』とでも呼ぶべき者たちからは反感を、強い魔王ならば受け入れるという『強魔王派』と呼ぶべき者たちからは賞賛を、それぞれに二分する意見が出ているようだった。


「えー、それでは多少の混乱もありましたが、一回戦第五試合を始めたいと思います。

 トノルジンバ伯爵の魔剣サブナクとその使い手、ジャセルジュ選手!

 予選突破一番乗り、魔剣・ひとメグリを操る極北旅団の猛将、ブラーガス選手!」


 観客から歓声が上がる。


 一回戦第五試合。


 全員の予想を裏切る出来事が起きた。


 竜人(ドラコニア)ジャセルジュの魔剣に異変が起きたのである。

 魔剣サブナクは命を操る魔剣。

 回復に使えば魔王族のような再生力を、傷をつければ腐敗をもたらす脅威の魔剣。

 だが、腐敗の力は異常なパワーアップを示していたのだ。


「サブナクに宿りし生命のマナよ。

 我が魔法力を糧に腐敗の力を表せ!」


 ジャセルジュの声と魔法力によって魔剣の力が開放される。

 封じられた生命の精霊が今までと比べものにならない変換効率で糧から魔法を生み出す。


 ジャセルジュの繰り出す袈裟斬りの一撃をブラーガスの四腕に握られた魔剣ひとメグリが受ける。

 それは地の魔剣ミノリという銘を持つ。

 その魔剣ミノリが魔剣サブナクと打ち合った箇所から腐食していく。

 ブラーガスは受け止めた剣が腐食を受け崩れ始めるのを見て、慌てて剣を引く。

 だが、それよりもジャセルジュ自身の驚きの方が大きい。


「なっ……なんだこれはっ!」


「俺が聞きたい、わっ!」


 ブラーガスが水の魔剣を右下から左へと振るう。

 ジャセルジュは後退しつつそれを避ける。


「時は巡り、季節を表す。シゲリの調べ。

 火炎流(フレアストーム)

 時は巡り、季節を表す。ネムリの調べ。

 水流刃(ウォーターギロチン)!」


 ブラーガスが火の魔剣シゲリと水の魔剣ネムリに魔法力を通して、火炎放射と高水圧カッターを飛ばしてくる。

 魔剣は特定の文言によって魔法を発動できるものが多い。

 それでも、魔剣に魔法を纏わせるのではなく、投射、放射するのはかなりの訓練を必要とするのだが、ブラーガスは平然と扱う。

 ブラーガスの力量の高さが窺える攻撃だった。


「ぬおっ……」


 ジャセルジュは高水圧カッターを避けるため、自ら火炎放射に身を晒さざるを得ない。


「時は巡り、季節を表す。メブキの調べ。

 暴風檻(ストームケージ)!」


 ブラーガスは追撃とばかりに風の魔剣メブキに魔法力を通して、近衛騎士団長バルディラントの得意技、ストームケージを発動する。


 強力な暴風檻がジャセルジュを囲う。

 ジャセルジュは魔剣サブナクに魔法力を通して癒やしの力を発動する。


「サブナクに宿りし生命のマナよ。

 我が魔法力を糧に癒やしの力を!」


 まさに見る間に傷が癒えていく。

 身体の三分の一ほどが焼け焦げていたが、炭化した鱗がボロボロと零れて新しい鱗が生えてくる。


「なんで、こんなっ!」


 その再生力の強さに再びジャセルジュは驚きを隠せない。


「しかし、これならっ!」


 ジャセルジュは暴風檻の中から癒やしの力を発動しつつ、突破を試みる。


「くっ、しつこいトカゲめ!

 時は巡り、季節を表す。ミノリの調べ。

 大地の(グラウンドニードル)!」


 ブラーガスが舞台に地の魔剣ミノリを突き立てる。


 ジャセルジュの周囲の地面から岩の槍が幾本も突き出し、身体を縫い止める。


「ぐおおおぉぉぉっ……」


 ジャセルジュが風の真空波に斬られ、大地の槍に刺されながらもなお前進しようともがく。


「時は巡り、季節を表す。ミノリの調べ。

 大地の(グラウンドニードル)

 時は巡り、季節を表す。ミノリの調べ。

 大地の(グラウンドニードル)

 時は巡り、季節を表す。ミノリの調べ。

 大地の(グラウンドニードル)!」


 大地の槍をへし折りながら進むジャセルジュに恐怖を感じたのか、ブラーガスが最も攻撃力がある大地の棘を連発する。

 だが、地の魔剣ミノリは唐突に折れる。

 最初の侵食が進んで、ついに魔剣を折るところまで進んだのだ。


「なっ……!」


「くっくっくっ……はぁっはっはっはっ……ぐはっ!

 い、癒やじの力を……」


 ジャセルジュが勝ち誇って笑った途端、体内に残った大地の槍で吐血する。

 慌ててサブナクに供給する魔法力を増やす。

 メリメリと肉が再生して、大地の槍を体内から排出していく。

 そして、ジャセルジュは暴風檻を突破した。


「おのれっ、時は巡り、季節をあらわ……」


 ブラーガスが火の魔剣をジャセルジュに向けた瞬間、ジャセルジュが一気に間合いを詰めて魔剣サブナクを振るう。

 ブラーガスは地の魔剣ミノリを折られたことで、慎重になった。

 打ち合いを避けたのだ。

 そのため、自分の魔剣の力を止めてまで逃げた。


「逃げたな……」


 ジャセルジュが勝ちを悟って不敵な笑みを洩らす。


 だが、ブラーガスは自身の四剣、今は三剣になったそれを冷静に鞘に収める。


「逃げる?

 ……勘違いですよ、それを今からお教えします」


 言いながらブラーガスは足首に取り付けてある投擲用の短剣を抜く。


「これが我が魔剣、ひとメグリの最後の一本。

 精霊剣・メグリです」


 言うやいなや短剣は形を変え、一振りの長剣になる。


「精霊……剣……」


 驚愕にジャセルジュの頬を汗が伝う。


「なにーっ!

 せせせ、精霊剣だとぅっ!」


 観客席で戦いを見守っていたトノルジンバが声を上げる。



「奥の手というやつかの?」


 鬼王シュズクラキが興味津々といった様子で客席から身を乗り出す。


「何故、一介の旅団員風情がそのようなものを!」


 トノルジンバが立ち上がって、糾弾するかのように指差している。

 精霊剣は値がつけられない代物だ。

 ごく稀に旧家の蔵の奥から見つかるか、よっぽど精霊に好かれるか、物語にあるように迷宮の奥で見つけるか、ウイングのように生み出すか、とにかく普通に手に入れられる代物ではない。

 剣伯爵の異名をとるトノルジンバにしてみれば、自分ですらコレクションしていない剣を見て興奮したのだ。


「もう少し秘密にしておきたかったのですが、これ以上剣の消耗は避けたいですからね、仕方ありません」


 トノルジンバの言葉に答えた訳ではないが、ブラーガスが言い訳じみた言い方をする。


「ふっふっふっ……今までなら、精霊剣なんてものを拝んだ日には、ソッコーごめんなさいな俺だがな……今のこの魔剣なら……負ける気がしないっ!」


 弱気だか強気だか分からない発言をして、ジャセルジュが駆け出す。

 だが、ブラーガスはさもありなんといった顔で待ち構える。


「それはそうでしょうな。

 精霊を封じた魔剣ならば、精霊剣に劣らぬ力があるっ……」


 言って、ブラーガスがジャセルジュの剣を真っ向から受け止める。

 ジャセルジュは三たび驚きを見せる。


「ですが、精霊剣に腐敗の力は効きませんよ!」


 ブラーガスは鍔迫り合いの中、その四腕で押し返しながら言った。

 だが、ジャセルジュは驚いてそれどころではない。


「ま、まて!今なんて?」


「さて?何のことですか?」


 四腕で押し返すブラーガスは余裕があるのか、とぼけてみせる。

 ジャセルジュは余裕がなくなってきたのか、余計な雑念を頭から追い払うように集中した。


「はっ!精霊剣に効かずとも、貴様にかすり傷ひとつならどうとでもなるっ!」


 ジャセルジュの剣技は少々我流で、押し返されると見るや、ブラーガスを蹴りつけて距離を空ける。


 ブラーガスは無理に追撃せずに、誰にも聞かれぬほどの小声で、精霊剣に何事か呟く。

 ジャセルジュが見るに、精霊の真名を呟いて支配力を強めたのだろう。

 そういう使い方があると聞いたことがあった。

 すると、精霊剣は四つに分裂した。


「なにっ!マジ、かよ……」


 体勢を整えたジャセルジュが挑みかかろうとして躊躇する。

 四腕に四剣、巧みな剣捌きを見せるブラーガスが四本も剣を持ったら、かすり傷ひとつも難しそうに思えてくる。


「ジャセルジュっ!何をしているっ、攻めんか〜っ!」


 隙を探すジャセルジュにトノルジンバが喝を入れる。

 その声を受けて、ジャセルジュが踏み出す。


「へいへい……お館様は竜人使いが激しいこって……」


 ブラーガスは一腕を受けに、一腕を攻撃に、残る二腕を魔法の発動体として使った。

 ジャセルジュが攻勢に転じる。

 力を入れず、速さだけを求めた剣だ。

 そのため、ブラーガスは魔法の発動体として隙を窺う二腕も受けに回して、三腕で回避する。

 ジャセルジュの言うとおり、かすり傷ひとつでも付けば、そこから腐敗の力が侵食して、死に至る可能性がある。


「はっはーっ!防戦一方じゃねえか!

 精霊剣四本じゃ、足りねえんじゃないか!?」


 ジャセルジュが不敵に挑発しながら、巧みな剣捌きを見せる。

 だが、より巧みなのは足捌き、というより足癖の悪さだろう。

 ブラーガスが間を取ろうと退き下がる気配を見た途端、つま先を踏みつけて後退させない。

 四腕は至近距離で振るうにはあまり向いていないのだ。


 ブラーガスは博打を打つしかない。

 一腕でジャセルジュの足先を斬り飛ばすように渾身の一撃を見舞う。

 ジャセルジュは、スルリと踏みつけていた足を引き、その空振りしてできた大きな隙を逃さず、腕を軽く斬りつけた。


「よし!勝った!」


 ジャセルジュの緊張が一瞬だけ緩む。

 まさに、それがブラーガスの狙いだったのだ。


 ブラーガスが一腕で傷つけらた部分を抉り取る。

 残る二腕から魔法が放たれる。

 ブラーガスの精霊剣を介した魔法は文言ではなく、呪文名だけだ。


「土の(クラッドウォール)!大地の(グラウンドニードル)!」


 そのひと言で舞台が捲れるように壁が現れ、ジャセルジュの行く手を遮る。

 瞬間、タタラを踏んだジャセルジュの正面の壁から大地の槍が突き出す。

 さらに側面から現れたブラーガスが斬りつけてくる。


 ジャセルジュは正面の槍を払うので精一杯で、ブラーガスの横殴りの一撃を食らって、倒れる。


「大地の(グラウンドニードル)


 倒れたジャセルジュを下から何本もの大地の槍が身体ごと持ち上げるように刺していく。


「おっと、これが邪魔だったな……」


 ブラーガスは容赦なくジャセルジュの剣を持つ右腕を斬り飛ばした。

 魔剣の回復力を失ったジャセルジュは動くこともままならず、徐々に血を失っていく。

 そして、なんとか頭だけをもたげてブラーガスを見る。


「……完敗かよ。はぁっ、はぁっ……なあ、サブナクのマナは……精霊になったのか……?」


 焦点の合わない目でジャセルジュが呟く。

 その瞳からは次第に光が失われつつある。


「降参!降参しろ!ジャセルジュ!」


 客席のトノルジンバが大声で叫ぶ。

 だが、ジャセルジュは残った腕を主人へと向けて、否定するように指を振った。


 その傍らでブラーガスは観客に聞こえないほどの声で答える。


「ああ、俺は見えるからな」


精霊視覚(スピリットヴィジョン)……お館様が、喜ぶぜ……」


「降参するか?」


 ブラーガスが武人の矜持を持って、聞く。


「はっ……するまでもねえ……俺はここで、終わり、だ……お館様に教えてやってくれ……サブナクは精霊魔剣に、なった……ってな……」


「ああ、約束しよう……」


「はっ……あり、がと、よ……」


 それきり、ジャセルジュは息を引き取った。


「ああ、ジャ、ジャセルジュ!ジャセルジュっ!」


 トノルジンバが舞台に駆けてくる。

 ジャセルジュの身体を大地の槍から引き抜こうとする。

 ブラーガスは精霊剣に命じて、大地の槍を元に戻した。

 慌ててトノルジンバは斬り飛ばされた腕と魔剣サブナクを拾ってくると、ジャセルジュに向けて文言を唱える。


「サブナクに宿りし生命のマナよ。

 我が魔法力を糧に癒やしの力を!」


 サブナクは応えない。

 例え命を操る魔剣でも、死を取り戻すことはできないのだ。

 それにトノルジンバの魔法力は先ほどリオラディッタを癒やす時に枯渇している。


 サブナクに封じられたリーナは、トノルジンバの魂そのものを魔法力としてジャセルジュの傷を消すこともできたが、自らの意志でそれを選ばなかった。

 自我が慈悲を選んだのだ。

 どうせ生命は取り戻せない。傷を消すためだけにトノルジンバの魂を削っても、トノルジンバを結果的に殺してしまうだけだ。

 ならば、意味のない魔法で糧を得るのは違うのではないか?そう考えたのだ。



 何度も魔剣に魔法力を注ごうとするトノルジンバだったが、それは叶わない。

 ようやく諦めて、トノルジンバは泣いた。

 そこにブラーガスが声が掛けることはなかった。


 ともかく、これでブラーガスの二回戦進出が決まったのだった。


 舞台の整地が運営に回っている城兵たちによって行われ、次の試合が始まる。


 一回戦第六試合。

 極北旅団団長ワルトメルガ対魔王城付き家庭教師レンバート。


「レンバート殿とこういう形でお会いすることになるとは……先代ヴォラウディーグ様の頃、まだ私は極北旅団の一兵卒に過ぎませんでした。

 もし、勇者襲来の折りに魔王様が討たれていたら、そう思うとレンバート殿には感謝が念が絶えません」


「いえ、あの時は誰もが必死だった……しかも結果的にヴォラウディーグ様はその時の怪我が原因で亡くなってしまった。

 あの時、もっと私が強ければ、違った結果が出せたはずと思うと、後悔が押し寄せますな……」


 レンバートは苦悩をそっと飲み込んだ。


「それは違います。

 私なぞは、勇者の行く手を阻むことすらできませなんだ。

 レンバート殿は立派にお務めを果たされた。

 それは恥ずべきことではありません。

 今日は存分に、その力、見せていただきとうございます」


「かしこまりました。

 非才の身ではありますが、本気でやらせていただきましょう……」


 同時に構える。

 ワルトメルガは原初の魔物ヒュドラの牙より削り出した『バイトナイト』と銘打った魔物の剣。

 レンバートは先代ヴォラウディーグより賜りし魔扇『深奥カルマ』。


 『バイトナイト』は魔法を食らう。

 それは原初の魔物が持つ特性である。

 しかも、自らの魔法は剣を通して発現できるのだ。

 これも原初の魔物が持つ特性である。

 魔物の剣としては最高峰の代物だと言える。


 対する『深奥カルマ』は扇の骨に六種の魔導合金を使用した火・水・風・土・光・闇の六属性に対応した魔剣である。

 伝説級と言われる魔法石(マジック・ジェム)の魂の器を持つレンバートだからこそ扱える武器だと言える。


 最初、ワルトメルガはレンバートの撃ち出す魔法を次々に『バイトナイト』で文字通り食らって、剣技勝負に持ち込んだ。

 魔扇とはいえ剣を受け止めるには脆い武器を使うレンバートが不利と見られたが、それを補って余りある体技がレンバートにはあった。

 ワルトメルガはわざわざ自分から剣技勝負に持ち込むほどに自信があったにも関わらず、剣はかすりもしない。

 レンバートはワルトメルガの手首を打って剣を止める。


「良い技の冴えですな。

 だが、少々単調にすぎる……魔物相手ならば充分ですが、知性ある者にはフェイントなど有効な手段になりますぞ」


「ご忠告、胸に留めておきましょう」


 言ってワルトメルガはそれまで以上の剛剣を振るう。

 単調で強く速い剣だ。

 すんでのところでレンバートはそれを避ける。

 だが、返す剣はそれよりも強く速い。

 避けきれずレンバートの頬を浅く傷つける。


「ふむ、実戦に裏打ちされた信念があるということですな……」


 ニヤリとワルトメルガが笑う。

 レンバートも薄く笑う。


「ならば、これはどうですかな?

 六性夢幻!」


 六属性の球弾が開かれた扇から連続して飛ぶ。


「食らわせていただく!」


 ワルトメルガの『バイトナイト』が火弾を食う。

 ワルトメルガは思考がぼやけるのを感じた。

 水弾を食えば、肩が高温を浴びたように煮える。

 闇弾を食えば、腹が切り裂かれ、岩弾を食えば、足が凍りつく。

 迎撃できたのはそこまでだった。

 光弾は身体を素通りするが、剣を持つ腕に質量が穴を穿ち、風弾は身体を吹き飛ばさなかった。


 ワルトメルガは混乱した。

 全ては光魔法による幻影だったのだ。

 六属性の魔法は確かに使われていた。

 だが、目に見えたのは全て光魔法による幻影。

 光魔法によって、本来の球弾は隠されていたのだ。

 視力に頼らなければ、まだなんとかできたかもしれない。

 しかし、ワルトメルガは見事にフェイントに引っかかってしまった。


「まだやりますかな?」


 ワルトメルガの傷は次第に回復していく。


 これでも元魔王族だ。

 魔王族の資質である翼と爪が発現しなかったため、先先代魔王から先代魔王ヴォラウディーグ即位の後、魔性族になったが、それ以外の資質は今も身体に宿っている。


 まだ戦える。


 しかし、ワルトメルガは降参した。


 レンバートの忠告を無視して、フェイントに負けたのだ。

 これ以上は恥の上塗りというものだ。

 自らの戦い方が通じなかった、それだけ分かれば充分だった。


 一回戦第七、第八試合は面白みのない戦いだった。

 それぞれ百腕巨人(ヘカトンケイル)ギャリンファロンと魔王エリュセイグドが予選突破者を倒して勝ち上がった。


 そこまで戦いが終わった時点で日が落ちた。

 勝負は翌日に持ち越しとなった。

 観客は興奮した顔で帰っていった。

 様々な波乱を含んだものの、祭りは盛況だと言えた。



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