【第七話】ゴブリン四兄弟のお仕事
【登場キャラ情報】
名前 :ミーシャ 職業 :ハンター
レベル:5 熟練 :6
HP :76 MP :18
攻撃力:34 防御力:15
魔力 :18 抵抗 :16
命中 :3 回避 :9
ラック:5 特殊 :なし
魔物のゴブ太はベーキン=ゴブリン家の四男。
長男が「ゴブ男」
次男が「ゴブ助」
三男が「ゴブ丸」
この四匹はとても仲が良く、何するのもいつも一緒だった。
朝起きるのも、ごはんを食べるのも、お風呂に入るのも。
しかし四男のゴブ太は年齢が若いので
年齢制限のある仕事に関しては
兄達と一緒に仕事ができない事がしばしばあった。
しかし今日のゴブ太はすごく機嫌が良い。
明日は四匹一緒に仕事をする事になったのだ。
仕事の内容は冒険者の退治。兄弟3匹は何人か冒険者を
屠っていて、この村ではちょっとした英雄。
そんな兄達を見ていたゴブ太も、
いつかは冒険者を屠り、兄達と同じように
有名になりたいと願っていた。
そんな願いが明日叶うことになったのだから
上機嫌になるのも無理はない。
冒険者と戦うのはとても危険だ。
仕事の中でも一番死亡率が高い。
しかしその分報酬も高いのである。
過去兄弟が冒険者を屠ったときの報酬は
そこらの仕事とは比べ物にならない程の
報酬を手にして帰ってきた。
今住んでいる家も一度冒険者を屠った時の
報酬で建てた豪邸だ。
冒険者を退治する事とは、それほど夢があるのだ。
ゴブ男
「明日は大事な大仕事だ。失敗はできないぞ」
ゴブ助
「大丈夫だよ。今回の仕事は楽かもしれいよ」
ゴブ丸
「なぜだい? 冒険者を退治するんだろ?
楽な事なんてないだろ」
ゴブ助
「今回は冒険者を罠にはめ、その混乱に乗じて
退治する作戦だ。成功すれば楽に倒せる」
ゴブ男
「しかし、囮となる俺とゴブ助ゴブ丸は危険に
変わりないだろ、囮となっている間に
殺される可能性もあるからな」
ゴブ助
「たしかに危険かもしれないが、後ろから回る
ゴブ太にとっては一番危険は少ない。
俺らにとってそれが一番だろ」
ゴブ男
「そうだな、初陣のゴブ太をできる限り
危険な目に合わせたくないからな。
この作戦、絶対成功させるぞ」
ゴブリン4兄弟は今回の作戦を頭に叩き込み、
明日に備えて早く就寝した。
運命の朝、ゴブリン4兄弟は予定した時刻より
1時間早く現場に到着した。現場にて演習を
何度も繰り返した。
ミスは許されない。ミスは死に繋がるからだ。
今回の仕事、情報によれば冒険者は4人いる。
剣士、シーフ、ハンター、僧侶だ。
装備品は普通で、レベルもそれほど高くはない。
冒険者達のダンジョンの経験は
2,3回程度なので初心者といってもいいだろう。
退治が成功する確率は非常に高い。
長男のゴブ男は、ゴブ太が心配だったので
傭兵のスライムを雇った。
今日はこのスライムと一緒に行動してもらう。
いざというときはゴブ太だけでも助かる様に。
作戦実行の時刻になった。
作戦通りゴブ男ゴブ助ゴブ丸は先に進み、
冒険者達を待ち受ける。
ゴブ太は後方に回り、傭兵のスライムと一緒に
身を隠した。
ゴブ太
「スライムさん、今日はよろしくお願いします」
スライム
「ゴブ男さんの頼みじゃ断り切れませんぜ。
私はスリリンと言います。一緒に英雄になりましょう」
ゴブ太
「はい! 頑張ります!」
ゴブ太とスリリンは簡単に自己紹介を行った。
しばらくすると冒険者達がこの細い道に
入って行くのが見えた。もう少しで作戦開始だ。
ゴブ太は緊張のあまり、震えだす。
それを見たスリリンはゴブ太の背中を軽く叩き
緊張をほぐしてやった。
・・・・・・冒険者と兄達との戦闘が始まった。
作戦開始の合図だ。
ゴブ太は覚悟を決め、傭兵スリリンと共に
細い道を進みだした。
早く行かないと兄達がやられてしまう!
そう思うと歩くスピードが早くなる。
急げ急げ急げ!
すぐに冒険者達が見えてきた。
まだ戦闘しているようだ。
しかし暗くて兄達の姿は見えない。
ただ、後方には作戦通り僧侶が一人だけ
立っていた。
ゴブ太
「見てスリリンさん。あの冒険者達、後ろがガラ空きだ」
後方のスライム
「これは作戦通りですねゴブ太さん」
ゴブ太
「このまま後方の冒険者を始末し、前で足止めしている
兄達と合流して残りを一気にたたく!」
スリリン
「まってゴブ太さん、なんかもう一人いますよ
情報と少し違いますね」
ゴブ太
「本当だ。暗くてよく見えねないけど、
見た感じは荷物持ちの奴隷か何かだと思う。
武器とか装備してないし」
スリリン
「では余裕でやれますね」
ゴブ太とスリリンは勝利を確信した。
早く人間どもを殺したい二匹は
戦闘中の冒険者達のもとへ急ぐ。
すると前の道の方で何か光った。
スリリン
「ゴブ太さん、何か光りませんでした?」
ゴブ太
「よく見えなかったけど?」
この光がトラップ召還だと、二匹は考えもしなかった。
そして苦戦している冒険者達を見つけた。
ゴブ太とスリリンは後方で棒立ちしている
僧侶に狙いを絞った。
二匹同時攻撃で速攻けりをつける予定だ。
そして襲い掛かろうとした瞬間・・・・・・
(ガキーン!!)
ゴブ太は足に痛みを感じた。
何が起きたのか状況をつかめないゴブ太は
痛みを感じた足を見ると、何か引っかかっている。
引っかかるというより、挟まっていた。
棘の様な物は足の骨まで食い込んでいた。
ゴブ太
「な、なんだこれは!?」
ゴブ太は慌てて足を引っこ抜こうとするが
全く抜けなかった。身動きが取れなくなったのだ。
隣にいたスリリンさんは? と思い、横を向くと
スリリンもその何かに挟まれていた。
スリリン
「ゴブ太! 大丈夫か? 何かやばいぞこれ!!
全く動けない!」
ゴブ太
「スリリンさん僕も身動きが取れない!」
スリリン
「こ、これは罠なのか?
我々の作戦が見透かされていた?
いや、そんな素振りは全くなかったはずだ」
動けないゴブ太は無理やり外そうとするが
食い込んだ棘は取れることはなかった。
だんだん痛みが激しくなっていく。
早くこれを外さなければ戦っている兄達が危ない。
(ヒュン!)
前から何かが放たれる音がした。
そしてドスッと鈍い音が聞こえた。
ゴブ太は何が起きたのか確認する。
自分には被害はない様だ。
しかしスリリンの方を見ると、
スリリンの脳天に矢が刺さっていた。
ゴブ太
「スリリンさん!!!」
スリリン
「ぐっ、くそったれ・・・・・・
ゴブ太、にげろ・・・・・・」
スリリンは飛んできた矢により、退治された。
ゴブ太はスリリンの矢を見て恐怖を感じた。
おそらく次は自分に飛んでくるだろうと
簡単に推測できた。早く逃げ出さなければ
殺されてしまう。必至で逃げ出そうとするゴブ太。
しかし足に挟まっている棘により身動きが取れない。
(ヒュンヒュンヒュン!)
矢は三本放たれた。
身動きが取れないゴブ太は慌てて防御するが
矢は腕、腹、足に命中し、貫通した。
貫通した腕は、力が入らない。
貫通した足は、感覚がない。
貫通した腹は、血が止まらない。
ゴブ太の意識は遠くなっていく。
なぜこうなったんだ・・・・・・
あと一歩、あと一歩で冒険者を屠れたのに・・・・・・
もう一歩で兄達と同じ英雄になれたのに・・・・・・
あぁ、冒険者が遠くに行く・・・・・・
兄貴、ごめん・・・・・・
ゴブ太は気を失った。
その瞬間、爆弾が破裂しゴブ太を吹き飛ばした。
ゴブ太は退治された。
戦闘中のゴブ男は異変に気付いた。
ゴブ太達がまだ合流できていないのだ。
戦闘を開始してからだいぶ時間が経つ。
ゴブ男
「ゴブ助、冒険者共の後ろ見えないか!?
ゴブ太の様子が気になる!」
ゴブ助
「無理だ! 戦闘でそんな余裕がない!」
ゴブ丸
「くそ!ゴブ太はまだか!?」
ゴブリン三匹は劣勢になっていく。
さすがに冒険者三人相手では不味い。
作戦通りであれば冒険者共は
すでに総崩れしていてもおかしくないのだ。
その時、今まで止まっていたヒールが再度詠唱され
戦闘している冒険者達の傷を癒した。
ゴブ男
「何!? どういうことだ!?
後方はまだ生きてるだと!?」
ゴブ助
「なぜだ!?ゴブ太はどうなった!?」
ゴブ丸
「くそっ、このままでは!」
ゴブ太の無事を確認しようにも
前の冒険者達がそうさせてくれない。
ゴブリン三匹は最悪の事態が
脳裏をよぎった。
冒険者達は混乱していない。
後方の僧侶は生きている。
ゴブ太の姿は見えない。
この状況から考えるとゴブ太は
やられたのだろう。
それ以外に考えられない。
ゴブリン三匹は弟の仇を取るため、
捨て身の攻撃に移る。
しかし、ヒールでダメージは回復される。
剣でゴブ丸がやられた。
短剣でゴブ助がやられた。
ゴブ男
「ゴブ助!! ゴブ丸!!
くそっ・・・・・・くそっ! くそおおおおお!」
ゴブ男は怒りと悲しみに身を任せて攻撃するが、
すべてヒールで回復される。
そして・・・・・・
ゴブリン4匹は冒険者達に退治された。




