【第六話】ダンジョン見学②
【登場キャラ情報】
名前 :ボン 職業 :僧侶
レベル:6 熟練 :8
HP :42 MP :45
攻撃力:12 防御力:10
魔力 :23 抵抗 :21
命中 :9 回避 :6
ラック:3 特殊 :なし
冒険者達が休憩をしている間、
俺は文字の書かれた紙を読んでいた。
その紙に記入されている題名。
《この世界においての基本マニュアル》
先ほど、何気なくポケットに手をやると、
何か入っているのに気が付いた。
記憶にない俺は確認の為、物を出すと
くしゃくしゃになった紙が何枚か入っていたのだ。
あくまで想像の話だが、異世界に移動した際、
気絶した俺を見つけた神の使い。
起こすのも面倒だったので
しれっとポケットに入れたのではないか。
こんな重要な紙をしれっと入れらるなんて
たまったもんじゃない。
このまま洗濯したら取り返しのつかない事になっていた。
俺は休憩中にその紙に書かれている事を
熟読していたのだ。
記入された内容はこの世界の地図と
この世界の簡単な歴史、
この世界に来たらまずやるべきこと、
魔物の世界での衣・食・住の基本などだ。
また、魔法の使い方も書かれていた。
これを先に読んでおけばこんな苦労はしなかった。
マジで恨むぜ神の使いさんよ!
今度会ったらビンタ一発しなくてはな。
休憩を始めてから3時間が経過した。
異常に長い休憩を終えた冒険者達、
次に進む準備を始めた。
シャチ
「よし、完全回復した様だし次に進むか!」
ミーシャ
「もうムチャしないでよ。回復アイテムとか
底をついたんだからね」
(うそ!? 1回の戦闘で底ついたの?)
ボン
「まあ、俺が回復してやるから安心しなよ」
(お前は回復連発しすぎやねん)
先に進む準備も完了し、ダンジョンの奥に進んでいく。
奥に行くにつれて少しずつだが、空気が重くなってきた。
長い道を通り抜けるとまた大きな空間に出た。
今度は宝箱はなさそうだ。
シャチ
「ここは外れか。では最初の別れ道に戻ろう」
冒険者達は最初の分かれ道に戻ると
今度は右の道に進んで行った。
特にトラップもなさそうだが油断はできない。
この細い道でトラップがあるとすごく危険だ。
ここは細心の注意で歩こう。
細い道は長く続いている。
俺一人だけ注意しながら歩く。
しばらく歩くと前から物音が聞こえる。
シャチ
「魔物か。皆戦闘準備だ」
前から来る魔物を退治すべくシャチとスーダーが
前に出る。その後ろにボンとミーシャが構える。
足音がどんどん近くなってくる。
前から来たのはシャチの言った通り魔物だった。
今度はゴブリン3匹、先ほどより苦しい戦闘は
避けられないだろう。ここは先手必勝で
ミーシャの弓でダメージを与えるべきだ。
細い道だから外すことはまずないだろう。
しかしミーシャは弓を構えることはしなかった。
あれ? なんでミーシャは弓を構えないの?
何を考えているんだ?
俺は疑問に思いながらミーシャを見続けた。
ミーシャは迷わず前に出た!
(なんでやねん!)
シャチとスーダーが立っている間に移動し、
短剣に装備を変えた。
(白兵戦ですか!?)
シャチ
「おう、ミーシャ、攻撃の手が増えるのは
すごく助かるぜ。ありがとう」
ミーシャ
「三人でかかればすぐに倒せるわ」
シャチ、スーダー、ミーシャが近距離戦闘の為
先頭に立ち、前から来る魔物を待ち構えていると、
今度は後ろから足音が聞こえた。
しまった! これは挟み撃ち!
この最悪な状況を理解した俺は
まず逃げる事を考えたが、無理だろう。
細い道で前と後ろから魔物が来ている。
そうなると退治するしか生きる方法はない。
焦る俺は少し荒立てた声で
このぼんくら冒険者共に口出しをする。
タルト
「スーダー、ここはシャチに任せて後ろに移動しろ!
シャチは前の魔物を引き付けているうちに
後ろの魔物をスーダーとミーシャで撃破、
ボンはシャチの回復をしつつ、
スーダーの体力にも気にかけろ!
その後シャチと合流して退治するんだ!」
いきなり冒険者でもない若造が
指示を出したところで誰も従うことはなかった。
むしろシャチ達は鼻で笑い、こう言った。
シャチ
「後ろ? 何言ってんだよタルト。
魔物は前から来ているぞ。
安心しろ、魔物は絶対ここを通さないから」
あかん、ダメやこれ。
そもそも後ろの魔物に気付いてない様ですね。
お仕舞いや、人生ここでピリオドや・・・・・・
次の瞬間、前で戦闘が始まった。
相変わらずお粗末な戦いっぷり。
3人で攻撃と言ったシャチは
盾を構えて防戦一方になっている。
スーダーとミーシャは短剣を装備しているので
リーチの差で圧倒的に不利な状態。
ボンは・・・・・・
舌を噛むほどヒールを連発している。
そんな中、後ろから魔物が姿を見せた。
シャチ
「何!! 後ろからも魔物だと!?
これは罠か!?」
ミーシャ
「これはやばいわ。逃げたほうがいいんじゃない?」
シャチ
「バカ言え! どこに逃げるんだよ!
倒さないとこっちがやられる!」
後ろから来た魔物に対し一番驚いているのが
ボンだった。後方には俺とボンの二人だけだ。
直接的な戦闘能力は皆無と言っていい。
それまでヒールを連発していたが、
この出来事にボンはヒールを止め立ち尽くした。
ボンは死を覚悟したのだ。
シャチ
「ボン! 諦めるな! お前がその魔物をやるんだ!!」
いや、無理でしょ!!
僧侶一人で倒せないでしょ!!
一人後ろに向かわせればいいんじゃね?
回復職が杖で殴り殺すとか、無理ゲーだろ!
このままだと本当に俺やばいんですけど。
リアルで死ぬんですけど。
俺も戦かった方がいいのかな?
戦った方がいいよね?
戦い方はマニュアルに書いてあったが
うまくできるかな?
俺は自分の使用できる魔法を確認する。
たしか使える魔法は・・・・・・
・クリエイトトラップ:飛矢
・クリエイトトラップ:落とし穴
・クリエイトトラップ:トラバサミ
・クリエイトトラップ:爆弾
・サモン;ゴブリン
・サモン:アンデッド
・サモン:スライム
この魔法はすべてMPではなく、
ダンジョンポイントを消費する。
俺のダンジョンポイント(以下DP)は最大値100DP。
7種類すべてが10DP使用する感じだ。
本来なら自分のダンジョンに使用する魔法だ。
しかし発動条件が「攻略されていないダンジョン」なので
他の人が作成したダンジョンでも使用可能なはず。
ただしDPは日付が変わらないと回復しないので
無駄に召還もできない。
前のゴブリンは3人で対応しているので無視する。
後ろから来た魔物はゴブリンとスライムの1匹ずつ。
魔物は横に並んで同速度で進んでくる。
不幸中の幸いにも、ボンは放心状態で
俺を気にもかけてない。
前の三人は戦いに集中している。
バレずにやるなら今しかない!
召還した魔物で攻撃する方法もあるが、
この場で魔物を召還するのは不味いだろう。
だからトラップだけでやらなければいけない。
魔物相手にどの程度トラップが有効かわからないが
最悪でも足止めにはなるだろう。
俺は詠唱を始める。
まずトラバサミを二個並べて召還。
1マス先に爆弾を2個並べて召還。
2マス先に飛矢を二個並べて召還。
足止めしている間に飛矢を浴びせた後、
爆弾でとどめを刺す作戦だ。
準備は整ったぞ。来い! 魔物ども!!!




